第11話 大学入学

そんなふうにオタク度は加速した一方、成績の方は落ちる一方で、もうダメか...と思いきや、なんとかなってしまった。

滑り止めを含め、受験した大学4つすべてに合格してしまったのだ。

さすがにクラスに4つも大学に合格した生徒は他におらず、合格大学と学部一覧を掲示された際、無駄に目立ってしまった感があった。

この経験も、また留年を重ねてしまった一因になったのかもしれない、と今では思うのだが...。


実は、昼間は高校に行かなかったクセに、夜は中学から通ってた塾に行き、ちゃんと勉強していたのだ。

もしかしたら、受験勉強が嫌だったのではなく、例の件であんまり高校の同級生に会いたくなかったことと、クラスの受験勉強一色のピリピリした空気が嫌だったのかもしれない。

今となっては、その辺りのことはあまりよく覚えていない...。


わたしは合格した大学のうち、某理系大学の情報系の学部に進学することにした。

受験した理由は、ただ当時、人よりちょっとパソコンが得意だったという、ただそれだけだった。

ともあれ、これで大学生になった。


いや、なってしまったというべきか。

自分に自信がなく、人と接するのが苦手。

オタク趣味でキモくて、センスが無くてダサい。

そのくせ、高校受験と大学受験で妙に成功体験だけ重ねてしまった。

わたしは、新入生の時はそんな大学生だった。

それらの要素が重なって、留年を重ねてしまったのだと思う。


前置きを長々と書いてしまったが、わたしの大学生としての生活は、こんなふうにして始まった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る