第16話 遭遇


その時。。。。



あら。。。。


聞き覚えのある声に振り返ると、同級生の岡山多香子だった。



高咲様じゃないの。。。どなたかと思ったわ。。。!


馬子にも衣装。。。かしらね。。。


岡崎多香子は、ねえ、お姉様?と、隣にいた姉に同意を求めた。


多香子の姉は、何失礼なこと言ってるの。。。この子は。。。と妹をたしなめ、憂に向かって、ごめんなさいね、この子って、正直過ぎて。。。と言った。


憂は、いえ。。。と答え、多香子は悪びれず、こちらには初めてなんでしょう?と覗き込むように憂に言った。


何度か誘われたこともあったが、ずっと憂は断ってきた。。。優紀が、お前は来なくていい、といつも言ったから。。。でも。。。兄のいうのは正解だった。


今日来ることになったのは、一矢に、どうしても来て欲しい。。。女の子ばっかりの桃の節句のお茶会なんだよ、と頼まれたから。。。


優紀は、俺の行けない日に無理なことを頼みやがって。。。と渋い顔をした。


ええ、初めてです。。。多香子はそれを聞くと、勝ち誇ったように、聞くまでもなくそうだと思ったわ、と言った。


憂が歩き出そうとすると、立ちふさがるように多香子は言った。


ねえ、今日は、あなたもしかして一人なの。。。?


多香子の姉の弥生が代わりに、いつも優紀様と一緒のあなたが今日はお一人?と続けた。

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