第27話 魔物襲来

 昨日と同じように昼番が合流しながらの交代となった。




 もう声をかける時間もない。ジュジュも治癒に回っている。



 ご飯を食べて寝る。次にいつ呼び出されてもいいように。



 ドンドン!


 やっぱりきたよ。つるぎを持ち部屋から出て廊下から甲板に走り出る。

 まさかのラッコ。甲板にいるのを見るとなんか異様にデカイいし。

 とにかく甲板にいるのは数匹、先にそっちをやる。何せ脇から貝を出して攻撃してくる。貝も紫色だし、当たっただけで毒にやられそうだ。後ろからきた剣士や魔法使いで全部をやっつける。


 俺はいつも通り地雷切りをしてまわる。



 ドドド、ドーン!!


 ああ、ラッコが海水と共に宙を舞ってるよ。


 ドドド、ドーン!!


 ドドド、ドーン!!


 ドドド、ドーン!!


 ラッコの宙を舞う様に気を取られてる場合じゃない。

 ラッコを切ってまわる。ラッコは貝で受けようとする。いや、このつるぎには効かないって。


 ようやく襲撃が終わった。


 甲板にいたラッコは少ないが、異様に重い。

 三人がかりで海に放り込む。


 掃除はもういいからと言われてベットに戻る。次は到着の知らせならいいのに。




 ドンドン!!




 やっぱりくるね。つるぎを持ち立つ。一瞬クラッとなる。地雷切りって動きがないが意外に神経を使うんだよな。


 それでも廊下に出て走って行く。今度はなんだ!



 甲板にいたのはサメだね。あれ? 岩も? 岩の魔物せいで数が増えたんだな。


 サメと岩の群に突っ込んだ為に数が多いんだろう。甲板の魔物は夜番の剣士や魔法使いに任せよう。

 俺は地雷切りをして回る。


 ドドド、ドーン!


 ドドド、ドーン!


 ドドド、ドーン!


 ドドド、ドーン!


 ああ、ここが岩の出どころだな。後ろを地雷切りしたら岩が舞っている。

 甲板のほうで手薄な場所に入り切りまくる。

 なんか腕の感覚なくなってきたよ。



 太陽はもう少しで夕方か。あと少しだ! ああ、でも魔物がウジャウジャいる海の端に近づくんだ。ろくな想像できない。


 ヤバイ朦朧としてきた。感覚がなくなってた右腕に痛みが走る。ああ、サメだよ。あの牙にやられてるんだな。それでも腕は慣れた手つきで一文字や小回りでつるぎを振り回してサメを切りまくる。ああ、もうダメだ。リタイアしようと思うが体は戦闘を覚えている。まるで壊れたロボットみたいにサメの魔物を切りつけて行く。





「トオル! トオル!」


 ジュジュの声だ。また、俺は気を失ったみたいだ。最初の日に戻ったように、今度は右腕がジュジュの手の中にある。

 最初の日と違うのはニタもいること。どうやら戦闘は終わったみたいだな。


「ああ、ごめん。魔物は大丈夫?」

「うん。もう終わったよ」


 リンまた涙目だし。今はもう傷はほとんど消えてる。サメにやられたら予想以上な傷跡だったからな。


「今度のは疲れだよ。地雷切りやり過ぎたんだと思うから、心配するな」

「うん。うん」

「腕は痛むか?」

 リンは言葉が出ないのか、頷くだけ。ツバキが聞いてくる。今も傷は全て塞がってない。相当酷かったみたいだし。

「痛みはないよ。みんなは大丈夫か?」

「うん。みんな大丈夫だよ」

 ニタも疲れが出てるな。


 あー、でもキツイ。正直寝てないのは響いている。

「ごめん。ここで少し寝ていいか?」

 ジュジュの膝枕だ! とか気にしてられないくらいに疲れてる。

「うん。お休み、トオル」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る