日雇い篇

日雇いとは

 求人サイトでアルバイトの検索をかけ、疑問に思った方は多いと思う。


 それは「日払い!」「即日払い!」と書いてあるにも関わらず、よくよく読むと「※規定あり」「※当社規定による」「※翌日or翌々日振込」など「待つんだ。俺には今この瞬間に金が必要なんだ!!!」というニーズに答えてくれない数多の案件についてだ。


 さらにそれらの求人は数時間をかけた登録会への参加や、面倒な履歴書の記入など、大した額でも無い賃金を手にする為に、数多の障壁が眼前に立ちふさがって憚らない。だが日雇いは違う。電話一本で勤務が入り、身分証とサインだけがあれば面接も無いのだ。


 特に筆者の場合は、上京して数年は夜の仕事に従事しており、休みも収入も不安定だった。そのため前日にシフトを入れる事が出来、且つその場で給料を貰える日雇い業は、正に天恵に等しい救いの手と言えた。


 そこで次頁からは、筆者に似た境遇の、不安定な仕事で、或いは創作の為の窮余にて即金を求め続ける諸氏に向けて、文字通りの日払いの、その業務内容について触れていきたい。


 


□即日払いの仕事とは

 バイトルなど有名な媒体にも掲載はあるが、問題は登録・振込系の広告が跋扈し、埋もれているケースが多いという点だ。


 先ずは「日払い」では無く「現地手渡し」で検索をかけ、それで自宅近くの勤務地が見当たらなければ「手渡し」まで条件を緩和してみると良い。筆者の場合は山手沿線で、ちょうど田端が近く頻用していた。




□就業方法と給与の手渡し

1:電話。 勤務したい前日の指定された時間(大概昼)に、翌日希望の旨を伝える。


2:確認。 枠があるかどうかの確認が行われる(昼休みに、当日勤務のメンバーに翌日の予定について問い、それで不足の分が電話や寮生によって補充される)為、昼の14時頃にもう一度問い合わせの電話をかける必要がある。


3:出勤。 朝7時までに事務所に顔を出す。初勤務の場合はここで身分証を提示し、誓約書にサインの上、数日間の出勤可能日と、弁当希望の有無を記載の上提出する(弁当代は給与から棒引きされる)その後各々が派遣先に振り分けられ、バンに乗り合わせの上現地に向かう。(勤務の開始は8時30分)


4:終業。 17時30分に勤務が終り、ここで給与が各作業員に手渡される。額は7kと少し。実働時間で換算すると、時給900円程度と言ったところで決して高いとはいえないが、類似の職種と比べいくつかの点で優っている為に我慢したい(それについては後述する)




□派遣業務と比較したメリット

 もう少し高い時給の、登録型の派遣案件があると思う。だが実際にはそれらの仕事は、自分で現地まで行かねばならず(且つ150円程度しか支給されなかったり)給与振込の際の手数料が引かれたりと、トータルで見た場合の旨味が少ない(他にも前日、前々日の出勤報告義務や、それを忘れた場合勤務自体が出来ないなどの面倒もある)


 一方この日雇いは、事務所に顔を出しさえすれば、あとは運転手が現地まで運んでくれる楽さがある。つまりは前日の深夜まで作業をし、寝ぼけ眼をこすりながら出勤したとしても、後は車の中で爆睡してしまえば良いだけだ。短期派遣の様に、座って眠れるか分からない電車の座席に全てを託す必要は無い。


 事務所→勤務地、昼休み、勤務地→事務所の時間を全て睡眠に充てると、これだけで一日三時間の睡眠時間が補填出来る。深夜に作業を行う筆者の様な人種にとっては、非常に有り難い仕組みと言えるのだ。




□ではどんな作業内容が待っているのか。

 本業の休みや、制作費用の補給に適した日雇い業。とは言え行うべき作業はいつも同じとは限らない。次話以降にて、それらについては触れていこう。


 草々。

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