第7話
「ストーップ!」
「・・・・・・」
「こんなとこでバカップルしてなくていいから!」
「誰だ?」
な、何突然?
「誰って今更?」
「詩織じゃない!」
「だったら誰・・・」
「こっちこっち!どこ見てんのよ!」
「おま・・・猫?」
「そうよ。」
「詩織に怪我させた?」
「人聞き悪いこと言わないでよ、誰が怪我させたですって?私の大事なしっぽ、勝手に踏んづけてきたのその子でしょう!」
「あ、あの・・・」
「お前が不用意に現れたからだろ!」
「くだらない痴話喧嘩しながらよそ見してるからよ、自業自得ってやつね。」
「何だと!」
「ちょっと、郁彦・・・」
「何だよ詩織。俺は今こいつと・・・」
「・・・誰と喋ってるの?」
「誰って、目の前にいるこの・・・もしかして、お前には聞こえてないのか?」
「聞こえるって、何のこと?」
「ふふふ・・・」
「どういうことだ、おい!」
「さぁ・・・ね。」
突然、郁彦がおかしくなった。どうやら仔猫と話しているみたいなんだけど、私にその声は勿論聞こえない。一体何を話してるの?というか、どうして急に猫の言葉なんか理解出来るようになったの?そう聞こうとした時母が迎えに来た。
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