　――友達になる

　その決断をする前、一瞬、醜い嫉妬心が鎌首をもたげた。

　連はどうしてその子に肩入れするの？

　その子はあたしを付け回したストーカーなんだよ？

　あたし、その子の視線でずっと眠れなかったんだよ？

　あたしの事が大事じゃないの？

　連も結局、そんな可愛い子がいいの？

　でも、友達にならないなんて言えなかった。

　そんな事を言ってしまえば、連に嫌われるから。

　連ならそんな事は言わないから。

　連なら――きっとこうするから。

　だから、あたしは醜い嫉妬心を隠して、その子と友達になる。

　あたしは――連の事が好きだから。

　連の隣に立つ女の子のことを、どれだけ憎み、恨んでいても、あたしはあの子と友達になるのだ。

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