第14話 初めての夜

 美術館に行って、誠一に赤い鞄の事を聞いてきてから、三日が経っていた。夜月は赤い鞄について考え込むあまり、ここ三日の間は良く眠れていなかった。千冬と愛し合った後、布団に入ったまま夜月はまた赤い鞄のことについて考えながら、既に二時間が過ぎていた。枕元の時計は、もう一時を回っている。いつもならとっくに寝ている時間だ。

「眠れないの?」

 千冬が声を掛けてきた。

「夜月、ここのとこ、あんまり眠れてないみたいだね。どうしたの?」

「いや、別に、ちょっと体調がおかしいだけだと思うんだけど……そういえば、最近あんまり眠れてないかもな。そう言うちゆだって、まだ眠たくならないのか?」

「うん……」

 夜月は今まで、千冬が時々、夜中にこっそりと泣いていたのは知っていたが、毎晩こんなにも遅くまで寝つけないでいたことは、全く気が付いていなかった。それまでは、仕事の疲れで、毎晩十二時以降に起きていることが少なかったからだ。千冬がそんな風にずっと眠れない夜を過ごしていたのを知ったのは、夜月自身が考え事をして眠れなくなってからだった。

 もっと早くに気付いてやるべきだった。

 夜、これだけ眠れていないということは、千冬の精神状態が今もって尚、全然安定していないということを意味していた。彼女は毎晩、夜月が寝てしまってから、きっと昔の嫌な記憶でも甦らせて、不安げな夜を過ごしていたに違いなかった。夜月は、彼女が寝入るまで自分も起きていてあげて、側で見守っていてやるべきだったと内省した。思えば、千冬がなかなか寝付けないでいたのは当然の事だった。

「ちゆ……」

「ん?」

「お前……最近眠れてなかったろ?」

「……。ううん、そんなことないよ。んー、そういえばちょっと遅いような時もあったけど……」

「一人で起きてるの、ちょっと寂しかっただろ? 俺ばっかり先に寝て、ごめんな……」

「何言ってるのよ。私は大丈夫。それより、夜月の方こそどうして眠れないの? いつもは十二時頃にはとっくに寝ちゃってるのに。仕事で何かあったとか? ……でも、仕事では何もないかな。夜月は、あそこじゃ生え抜きだしね。やっぱり……あたしの事? だったら、あたしは……」

 夜月は千冬の言葉を遮って言った。

「ううん、そんなんじゃないよ。ただ、ちょっとね」

「ちょっと、何よ? 何なのよ?」

「うん……ちょっと」

「もう、それじゃ分からないでしょ」

 千冬が夜月の脇の下をくすぐった。夜月は彼女の手から身を捩って逃れた。それから二人は、それ以上会話をするのを止めて、もう一度抱き合った。終わった後は、千冬が寝入るまで、夜月はずっと彼女の身体を撫でてやっていた。しばらくすると千冬は安心したように眠ってしまった。

 彼女のそんな寝顔を見ながら、夜月は、千冬と初めて結ばれたあの夜の事を思い出していた。

 

 千冬と初めてホテルに行ったのは、付き合い初めてから半年ほど経った頃のことだった。出会ってからだと、一年と少し経ってからのことになる。

 付き合ってからは、ほとんど毎日のように会っていて、仲も相当親密になり、夜月はもうそろそろ千冬と結ばれてもいい頃だと思っていた。それまでは、千冬がそういった事にずっと難色を示していたので、夜月は彼女に無理強いすることなく、辛抱強く待っていたのだが、千冬と結ばれたいという願望は日に日に強くなっていた。

 千冬は、キスは許してくれていたものの、身体に触れられることにはまだ抵抗があるようだった。お互い、それまでにそういった経験が全く無かったし、夜月は、千冬がそんなに嫌がるのは、彼女が初めてだからだと思っていた。男性未経験の女の子が、なかなか最後の一線を越える踏ん切りが付かないというのは良くあることだ。けれども、そうと分かっていても、夜月はもう我慢するのが辛くなってきていた。それは、健康な二十歳前の男性であれば当然のことだった。

 ある日、千冬が家に遊びに来た時に、夜月は少し強引に彼女を押し倒した。

「――嫌っ! 夜月、止めて!」

 夜月が覆い被さると、腕の中ですぐに彼女に激しく抵抗された為、夜月は少ししゅんとしてしまった。

 それを見て、千冬が慌てて言った。

「あっ、ごめんなさい、夜月……。あのね……私、夜月とそういう関係になるの、嫌な訳じゃないんだよ……。でもね、すっごく恥ずかしいの。この部屋、ちょっと明るいから。あたしだって、夜月に抱いて欲しいっていう気持ちはすっごくいっぱいあるんだよ。でもね、ほんとに恥ずかしいの。あたし、スタイルだって良くないしさ。だから、今度ホテルに行こ。ホテルだったら、電気さえ消せば部屋も真っ暗に出来るって、友達が言ってたから。本当にごめんなさい、夜月……」

 千冬は、泣き出しそうな顔をして、一生懸命に謝っていた。

 夜月は無理に押し倒したりして、千冬に少し悪い事をしてしまったと思った。

「俺の方こそ、ごめん。なんか焦っちゃってさ。もっと、ちゆのこと大切にしてあげないといけないのにな」

「ううん。夜月は謝らないで。だって、男の子がそういう風に思うのって、すごく当たり前の事だもん。あたし、だいぶ夜月のこと待たせちゃってるしね。ごめんね。それに、本当は寝たいのは、夜月よりもあたしの方かもしれないし」

 そう言って、千冬は笑った。

 今思えば、あの時の言葉が、彼女がどれだけの勇気を振り絞って言った言葉だったのか良く分かる。

 千冬は、誰かに抱かれるのがよっぽど恐い筈だった。

 それも、普通の女の子の何倍も。

 だが、夜月はまだ千冬のその部分を知らなかった。夜月が彼女の事を抱きたいと思うのは、至極当然のことだった。

 二人が本当に結ばれるには、それから更に二週間を要した。

 二人は改めて日を決め、千冬は母親からお泊まりの許可を得て、そしてついにその当日がやってきた。

その日は土曜日で、二人とも夜がくればお互いが結ばれるのだという事を意識しており、デートもどことなくいつもと違った感じだったが、しかし、ようやく一つになれることへ喜びや期待感は大きかった。

 少し贅沢した夕飯を食べて、カクテルバーで軽く一杯飲んだ後、二人は予め決めておいたホテルに向かった。

 部屋に入り、お互いにシャワーを浴びて、いよいよという時になった。

 夜月が部屋の照明を落とした後で、千冬がこう言った。

「夜月、電気……もっと消して欲しい」

「ん? うん。でも、もう充分暗いと思うけど……」

「ううん。まだ明るいの。あたし、もっとずっと真っ暗な方がいい。すっごく恥ずかしくって。ごめんなさい……あたし、我侭ばっかり言って」

「ううん。いいよ……。初めてなんだし、恥ずかしいのは当たり前だしさ。それに、俺だってちょっと恥ずかしいしな。じゃあ、もうちょっと暗くしよっか」

「ほんとに、ごめんね。ありがとう……」

 自分の身体を見られることに対して、そんな風に千冬が異常に恥ずかしがり過ぎることの他に、夜月には、もう一つ気になっていた事があった。

 それは、千冬の左手首にはめられていたサポーターの事だった。それについては、その日だけでなく、夜月はもう随分と前から、それが気になっていた。

 彼女は、普段は絶対に長袖と長ズボンしか身に着けて来なかった。それ以外の恰好はしてきたことがなかった。しかも、上着はいつもかなり大きめのサイズのもので、長い袖が手の甲を隠してくれるぐらいの服を好んで着ていた。夜月は、それがファッション的に可愛らしく見えるから、千冬がそれを気に入って着ているのだと思っていたが、夏場でも長袖というのが、少し腑に落ちなかった。それに、夜月がいくら頼んでも、彼女は一度もスカートを履いて来てくれたことがなかった。彼女のそうした服装のセンスは、夜月にとっては少し不満と言えば不満だった。

 また、上着の袖からは、時折そのサポーターが覗いていて、夜月はそれを見ていつも気になっていた。ある時、千冬にその左手首のサポーターの事について訊ねてみると、千冬からは、「子供の頃にね、料理してたお母さんの所に近寄っていったら、たまたま熱く焼けたフライパンが当たっちゃって、大火傷しちゃったの。その時の火傷の跡がすごくみっともなく残っちゃってるから……」という返事が返ってきた。夜月はそれでずっと納得していたのだが、こうしてベッドで抱き合う時ぐらいは、それを外して欲しいとも思った。しかし、彼女がその傷跡をどうしても見られたくないというのであれば、それはそれで仕方のないことだと思って諦めた。

 部屋の電気を限界まで消すと、どうにか相手の顔が見えるか見えないかといった程度にまで、真っ暗になってしまった。

「これだけ暗いと、ちゆの顔もあんまり見えないな。もうちょっとだけ明るくしてもいい?」

 夜月がそう訊ねると、千冬は慌てたように言った。

「お願い、このまま……」

 そう言って、千冬が自分から唇を重ねてきてからは、夜月の思考はもはや部屋の暗さからは遠ざかっていった。

 それから二人は、お互いが初めて同士の、ぎこちない最初の儀式を交わした。こうなるまでにはかなりの時間が掛かったが、愛する者と一つに結ばれたのだという喜びは、二人に気の遠くなるような満足感を与えてくれた。

「ちゆ、大丈夫だった?」

「うん……。ちょっとだけ痛かったけど。でも、夜月と一つになれて、あたし、ものすごく嬉しかった」

「俺も嬉しかった。ありがとう、ちゆ」

「あたしの方こそ、抱いてくれてありがと」

 二人はそれ以上あまり会話を交わすこともなく、余韻に浸ったまま、お互いの身体を撫で合っていた。そうして身体を触れ合っている内に、そのまま二人はまどろみの中へと引きずり込まれていった。

 それから二時間ほど眠った後、夜月は夜中に一人で目を覚ました。

 横では千冬が眠っている。暗がりに、本当にうっすらとだけ千冬の寝顔が見える。彼は、千冬の顔にかかっていた髪をかき上げ、額にそっと口付けた。それでも、千冬はぐっすりと眠っていた。

 五分程、そうして千冬の寝顔を眺めていた夜月は、ふと、千冬の身体を明るい光りの中で見てみたくなった。

 薄暗い闇の中でも、千冬のプロポーションがいいのは分かっていた。だから、ちょっとした悪戯心もあって、夜月はどうしても部屋を明るくしてみたくなってしまった。それに、もう抱き合った後なのだから、もし仮に千冬が目を覚ましたとしても、彼女がそれほど嫌がることもないだろうと思った。

 夜月はそっと、枕元の操作パネルに手を伸ばして、段階式の照明ボタンを押しながら、少しずつ慎重に部屋を明るくしていった。天井の照明が、徐々に部屋の中を明るく照らし出し、室内は、千冬の身体を見るにはもう充分という程度にまで明るくなった。

 それから、夜月はゆっくりと、千冬の身体にかかっていたシーツを外した。

 ――!

 性的な期待感に胸を膨らませ、どきどきしながらシーツをめくって、そこに夜月が見たものは……予想もしていなかった想像を絶する千冬の身体だった。

 彼女の身体は全身、痣や傷だらけだった。 

「何だ……これ?」

 夜月は、千冬の身体を見て一瞬息を飲み、眉根を寄せて顔を歪ませた。それから、千冬の全身を細部にわたってまじまじと見つめ続けた。自分が今見つめているものが、真実なのだとはどうしても思えなかった。普段は明るい性格の千冬の身体が、実はこんなにも酷いものだったとは。

一目見ただけで、それらが尋常な傷ではないのが分かった。

 普通に生活していたのでは、身体中にこんな傷跡が残ったりはしない。

 夜月はその時になって、ようやく理解した……。

 なぜ、彼女がスカートを履いて来てくれなかったのか?

 どうして夏の暑い日でも彼女が長袖を着ていたのか?

 どうしてあんなにも部屋を暗くしたがったのか?

 恐らく、千冬は今までに、両親から酷い虐待を受けていたのだろう。

 左の脇腹と右肩に付けられていた傷は特に酷く、一体何をされたらこんなにも酷い痕が残るのだろうかというぐらいに、その部分の傷跡は深く抉れ、さらには変色を起こしていた。

 それでなくても、全身を覆うような痛々しい痣や切り傷の痕は、誰もが胸に疼きを覚えずにはいられないようなものだった。

 咄嗟に、夜月には嫌な予感が走って、千冬の左手にはめられていた、あの白いサポーターをゆっくりと腕の方に向かってずらし、今まで隠されていて目にすることの出来なかったその部分を確認した。

 果たして、彼女のその白い手首には、何本ものためらい傷があった……。

 それは、夜月がそこに一番見たくないものであった。

 頭上からいきなり大きな闇が降りてきたようで、突然頭がくらくらし始め、激しい動悸が彼を襲った。荒くなる呼吸をどうしても抑えることが出来なかった。

 夜月がサポーターをずらしたせいか、千冬が身じろぎした。

 夜月は慌ててシーツを元に戻し、部屋の照明を暗く落とした。

 それとほぼ同時に、周囲の何らかの異変を感じ取ってか、千冬が目を覚ました。

 夜月は、なんとか部屋を暗くすることは出来たが、サポーターを戻す時間まではなかった。

 千冬は、目覚めた後、しばらくぼんやりしていたようであったが、すぐに自分の左手首のサポーターがずらされていることに気が付いた。

 千冬は、突然身体を起こして、そして、恐る恐る言った。

「……見たの? 夜月……もしかして……今、あたしの身体見たの? 見た……? ねえ、見たの? 何か今、部屋が明るかったような気がする。ねえ、夜月、見たの……?」

 夜月は黙ったまま、何も言い返すことが出来なかった。言い訳が利くような状況ではなかったし、荒げた呼吸を落ち着かせることさえまだ出来ていなかった。

 千冬が深く溜息を漏らす音が聞こえた。暗がりの中でも、千冬が顔を歪めて、諦めたように力無く笑っているのが見えた。

 夜月には、その表情がひどく怖ろしかった。

「そう……見てしまったのね」

 千冬の心の中には、一挙に暗闇が舞い降りる。

 勢い、夜月は彼女に激しい憐憫を覚えて、千冬の身体をぎゅっと抱きしめた。

 千冬はその夜月の胸の中で、絶望に襲われて激しく泣き出した。

 そしてすぐに、彼女はヒステリーを起こし、滅茶苦茶に暴れ始めた。

「馬鹿! 嫌い! 夜月なんか嫌い! 嫌い! 大嫌いだ! あっち行ってよ! 放してよ! 嫌いだ! 嫌い! 大嫌いだ! 夜月なんて大嫌いだ! あたしも嫌いだ! 自分が嫌いだ! 自分の事が大嫌いだ! あたしは自分の事が大嫌いだ! みんな嫌いだ! 嫌い! 嫌いだ! 大っ嫌いだ! わあああああっ――!」

 夜月は、自分がしてしまった事の重大さに途方に暮れて、悲痛に顔を歪ませたまま、腕の中で激しく暴れる千冬を必死で押さえ付けるようにして抱きしめ続けた。

 千冬は、夜月の顔や身体を思うさま叩いたり引っかいたりした。夜月は、それを全部受け止めてやりたいと思った。

 そうして、千冬の錯乱状態が治まる頃には、夜月の上半身のあちこちには、幾つかの擦過傷が出来ており、そこからはいくらか血が滲んでいたし、鼻からは鼻血も出ていた。けれども、夜月はそれを別に痛いとも思わなかった。

 こんなもの、彼女の胸の痛みにくらべれば。

 しばらくすると、千冬は力尽きたようにぐったりとして、夜月の胸の中で幼い子供のように泣き始めた。

 えっ、えっ、えっ、えっ……。

 その時、夜月には本当に何も言えなかった。この状況で、何か有効な言葉があるとは思えなかった。黙って千冬の身体の重みを支えたまま、彼はいつまでもそうしていた。

 やがて、千冬は泣きながら寝入ってしまった。

 夜月は、彼女をベッドに寝かせ、枕元にきちんと畳んで置いてあった下着の上下を彼女に着せて、サポーターを元に戻した。それから、シーツを千冬の首まで掛けてやった後で、部屋で一人、声もなく泣いた。

 それが、二人の初夜だった。


 あの日以来、二人は一緒になって心理学を必死に学び、夜月も、そして千冬自身も、なんとか彼女の心の暗闇に打ち勝つように努力してきた。夜月は、出来るだけ多くの千冬の過去の思い出を彼女から聞き出してやって、それを一緒に背負ってやった。千冬の話しは、聞いているだけでその場から逃げ出したくなるような凄惨を極める話しばかりだったが、夜月は辛抱強く、ゆっくりと千冬の暗闇を自分の中に取り込んでいった。千冬は、とりあえずは、彼女の嫌な思い出を夜月に話すだけで良かった。

 人は、自分の過去の暗い体験を誰かに聞いてもらうだけで、ただそれだけのことで、その闇をいくらか降ろすことが出来る。

 聞き手となったその相手方は、それを聞いているだけでも、その闇の重さに辛く苦しい思いをしなければならないが、けれども、そうやって自分が悲しい気分になればなった分だけ、相手の闇を濃く背負ってやることが出来る。

 病んでしまった者は、信頼できる相手に自分の持っているまがまがしい記憶を話すだけで、それを相手に渡すことが出来、そうして、二人でその痛みを分け合うことが出来る。

 しかし、ここへ来て、そうすることにもそろそろ限界が来ているようだった。

 千冬は、父親との再会から、しっかりと掴みかけていた筈だった生への執着を失い、再び自殺を望むようになってしまった。

 悲しいことに、当面、夜月にはそれを止める手だてがなかった。

 ――誰かがある決意を固めた時、誰にそれが止められるだろう?

 夜月はその対抗手段として、最後の賭、そんな物がこの世に存在しているのかどうかすらも怪しかったが、赤い鞄を探してみることにしたのだった。

 素晴らしき人類の夢。

 不老不死の薬……。

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