名前で呼んで~

「あきちゃん?久しぶり~ガンモやけど~覚えてる?」
その途端に50年ほど前の顔をはっきりと思いだした。
真ん丸に近い顔まん中にちょこんと乗ったこれまた丸い鼻、顔中にきびだらけでいつもにこにこしてた。
がんもどき見たいって言うことからつけられてガンモちゃん
今だから言うけど・・・ごめんね~いじめとかそんなんではなかったんだよ~誰が言うともなしにそう言うようになって私もひどいとか思わず呼んでいました。
その声、そのイントネーション、その一瞬から二人は50年の坂を
駆け下って青春GO!となる。
名前にちゃんを付けられて呼ばれるのって姉を除いて何年ぶりだろう
あにアクセントをつけて呼ぶあきちゃん
きにアクセントのあるあきちゃん
平坦にあきちゃんと言う呼び方
みなそれぞれ、あ~~あの人はあっきちゃんって呼んだな~~あ~ちゃんって言う人も
と、ガンモちゃんの電話以来名前の呼び方でいろんな人が頭の中に登場した。
学生時代が終わって社会に出たらもう名字でしか呼ばれなくなった。
いつしか慣れてしまって名前で呼んでほしいとも思わなくなってもう何十年もの月日が流れた。
せっかくつけてもらった名前なのに…フルネームで記帳の時しか名前は使われない。
でもそれは記帳だけで呼ばれることはない

今の時代すごく凝った名前が付いた人が多いけど結局は同じ運命なのかな~って考えて、じゃあ名前は何なの?
個人を確認するタグみたいなものなのか?
それじゃああまりにも可哀そうだよね~
名前は両親が願いを込めて一生懸命考えてくれたその人だけの物

せめて親しい人とは下の名前で呼び合いたいと…だからもっと大切にそしてもっと活用したい。と思った夏の朝です


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