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読了報告レポート1 ……ケン・リュウ「紙の動物園」

 新しい年になったことだし、何かはじめてみようかな。そう思って読書紹介を思い立ちました。

 私が普段何を読んでいるかご紹介、と言うよりは、自分の読んだものをここ(近況ノート)に記録したい、といった目的の方が強いです。

 最初はこの本から。
 ケン・リュウ『紙の動物園』です。

 星新一氏のように、老若問わず楽しく読めるSFを書きたいと思って、一年くらい経ちました。でもSFって結局なんなのか? 私はSFについて知らないので、まず知るところから始めよう。SFって結局なんなんだろうな?

 そんな「SFって結局なんだろうな?」と思った時に出会ったのがケン・リュウ「紙の動物園」でした。「SFというよりファンタジー? でもSFファンから一定の評価を得ている」という前評判通りのジャンル区分でありましたが、紫陽凛的にこれはSFだと思います。

 表題作「紙の動物園」に始まる7編の短編が収録されているのですが、どれもこれも“センスオブワンダー”に満ちた発想で驚かされました。センスオブワンダー、SF的には「不可思議に触れた時の感動」とでも訳せばいいでしょうか。違ったらすみません。

 特に「結縄」(けつじょう)は、どうやったらそんな発想出てくるの、とひっくり返りながら読んだものです。縄に文字を刻む古村の老人、アメリカへ行く。

 ケン・リュウ氏は中国の方で、中国を絡めた世界の歴史の中にその想像力を広げ、決して現代や近未来にとらわれない物語を形作っています。ぜひ世界史の教科書と一緒に読んでいただきたい。

 あと、SFとは全く関係のない話なので最後に付記しておきますが……

 なんでこんなに涙が出てくるんだろう。



 

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