• 現代ファンタジー

補:定期券と、あと少し

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882884410/episodes/1177354054885323663
男子高校生の制服はブレザー派だろうか、それとも学ラン派だろうか。僕は学ランだった。そのため大学生になってからネクタイの結び方に四苦八苦することになるのだが、それはそれ。学ランで良かったと僕は思っている。黒好きだし。
さて、高校生なんて多感な時期ど真ん中である。色々と考えることも増えるだろう。振り返れば何でもないようなことだって、その時は世界が滅びるよりも大変な問題だったりするものだ。朝起きて、何だか、本当にぼんやりと「学校に行きたくないな」と思う日もあるかもしれない。
そんな時、君のポケットに小銭は入っているだろうか。電車でも、バスでも。君がいつも降りる駅やバス停の四つ先まで行くと良い。自転車や徒歩の人はなお都合が良い。心惹かれる方へと向かうだけなのだから。
この話は僕の実体験がもとになっている。勿論創作の装飾を多分に施しているが、描きたかった感情は数年前の僕そのものだ。未成年の喫煙は法律で禁止されているよ。
逃げたければ逃げればいい。当時の僕は、自宅と高校、駅ビルとその周りだけが世界だと思っていた。しかしどうだ、名も知らない土地で、ポカンとする僕を気にもせずに人々が生きているではないか。帰りの電車の中、妙に清々しい気分だったのを覚えている。
ああ、無断で学校をサボると家に連絡が行き、後でこってりと怒られる。その辺りは覚悟して、素敵な逃避行を楽しんでほしい。

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