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『収監令嬢』思いつき小ネタ・続き(なんでやねん)

マユ
「うーん……実はユーケルンってメスなの?」

セルフィス
「どうしてそう思うんです?」

マユ
「声がぶっといからオスだと思ってたけど、思えば魔物や動物は声が低いからオス、とは限らないものね。それに処女好きだからオス、というのも言えないわ。世間には百合というのが一大ジャンルとしてあるし」

セルフィス
「残念ながら不正解です。ケルンはある意味もっともオスらしいオスですよ。生殖機能も残ってますしね。人間との間では受精が不可能なだけで」

マユ
「じゃあ、あの喋りは何なの?」

セルフィス
「処女を好んで食し進化していったので、先に覚えたのが女性の言葉だったのです。魔獣となってからは自分の獰猛な本性を抑えるために縛りとして使用しています。……まぁ、今ではそちらの方が楽なのでしょうが。女性の警戒心も薄れますしね」

マユ
「……ふうん」(本当にブレないわね、ユーケルン……)

セルフィス
「で、もう一体は誰だと思ったんです?」

マユ
「サーペンダーかなって。何となく物腰がしとやかな女性を連想させるのよ。言葉遣いのせいかもしれないけど」

セルフィス
「そちらは正解ですね。アメトリアンパイソンの数少ないメスの頂点です」

マユ
「メスの頂点?」

セルフィス
「アメトリアンパイソンはオスとメスの比が10対1と非常に極端で、またメスがオスを喰らう習性があるんですね」

マユ
「えっ」

セルフィス
「メスと同時に生まれたアメトリアンパイソンのオスはメスのための食糧も兼ねているのです。その中の一体だけがメスの相手に選ばれる。そのため繁殖性に乏しく、地上では絶滅してしまったのですが」

マユ
「えっ!? 匣迷宮では平和に暮らしてるけど!?」

セルフィス
「恐らくオスとメスを番にして区画に分けているのではないでしょうか。さらに生まれた卵なども別にして」

マユ
「そうなんだ……。今度カバロンに聞いてみようっと。……じゃあ、もう一体は誰? フェルワンドは絶対に違うし、他の魔獣も、何というかオスっぽかったんだけどなあ……。あ、リプレかしら? あまり喋らないけど」

セルフィス
「違います。正解は、フェデンです」

マユ
「……えっ!? フェデンって……風の王獣ブレフェデラ!?」

セルフィス
「はい。ですので、魔の者のメスが女の子と言い張るのなら、フェデンとペントも誘わないと」

マユ
「……いや、無理でしょ」

セルフィス
「ですね。フェデンはあの場所を動きませんし喋りませんし、ペントは水脈さえあれば大丈夫ですがあの通り広大な湖に一人きりの静かな暮らしを好んでいますので」

マユ
「……とりあえず、『人間および人間の女性に擬態できる』女子会、ということにするわ……」

セルフィス
「そうですか。まぁ、そのメンツならいいでしょう。泊まる必要性がどこにあるのかは全く理解できませんが」

マユ
「リラックスして夜通しお喋りするところに意味があるのよ。……さて、それはそれで置いといて……うーん、でもでも『魔の者女子会』、やってみたいわねぇ。ブレフェデラの丘を開催地にすればどうにかなるかしら? 木が生えて植物も育っている以上、水脈はあるはずだし……ちょっと企画してみようかな」

セルフィス
「嫌な予感しかしないので絶対にやめてください!」

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