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『収監令嬢』思いつき小ネタ

マユ
「……〝エア・カッター!〟」

セルフィス
「今度は何ですか、マユ。杖を大きく振って」

マユ
「風魔法の必殺技の練習。ここ、杖の先端の白い三日月部分あるでしょ。ここからブーメランみたいに風の刃が出せないかな、と思ってるんだけど」

セルフィス
「前も言ったと思うのですが、どうして必殺技が必要なんです?」

マユ
「あのね、『不壊の胡桃』の件で思ったんだけど。私、模精魔法で大量に生成することはできるけど、威力を上げることは下手なのよ」

セルフィス
「……ああ。闘技場で見せていましたね」

マユ
「エレガント・エアロね」

セルフィス
「非常に優雅で良かったと思いますが。聖女に必殺技が必要とは思えません」

マユ
「そうだけど! でも、胡桃一つ割れないなんて悔しいじゃない!」

セルフィス
「冷静さを保ちつつ、その悔しさを杖の先端に集中させれば威力が上がるかもしれませんね」

マユ
「わかってるけど……なかなか難しいのよ」

セルフィス
「そこまで必殺技に拘るなら、技に自分の名前をつけてみてはどうでしょう?」

マユ
「名前?」

セルフィス
「マユには名付けの魔法がありますから」

マユ
「やってみるわ」

セルフィス
「はい」

マユ
「……〝マユ・カッター!〟」

ぷしゅっ へろへろへろ・・・

セルフィス
「……」

マユ
「……ボツね」

セルフィス
「そうですか。いい案だと思ったのですが」

マユ
「……」

セルフィス
「むしろ威力が落ちましたしね。なぜだろう?」

マユ
「……力抜けちゃって」(だってどこかの一発ギャグみたいなんだもん……)


***


最近、読んでくださった方がいらっしゃったようで嬉しいです。
ありがとうございます。
お粗末さまでした。m(_ _)m

2件のコメント

  • 眉毛を剃るのに特化してるんですね(笑)。
  • そうですね、語呂も変だし。(・_・;)

    あと、現実世界の芸人さんのギャグにあったことを、マユは無意識下で覚えているんです。

    ※樋口カッター:樋口くんが繰り出す「番組の流れが悪くなったり空気が悪くなった時」に使う必殺技(ギャグ)。
     しかし大抵の場合、空気はよくならずグダグダになる。

    それゆえの脱力感ですね。( ̄▽ ̄;)

    コメントありがとうございます!
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