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台湾と台北の警察署について(ちょっとマニアック)

台湾の警察組織は

「中華民国内政部」の中の「警政署」が、日本でいう「警察庁」。この中の「刑事警察局」(通称「刑事局」)が、台湾における刑事警察全てを指揮するトップ部門。「偵查第一大隊~偵查第九大隊」などの下部組織を持ち、FBIのように台湾全土をフォローして、広域犯罪の捜査を担当しています。

台北市政府警察局(台北市警察局)が、日本でいう「警視庁」。台北市で起こった事件を担当します。

この下の「○○分局」が日本でいう「○○署」になります。よって分局長=署長です。

マニアックな話をすると台北市内には中正第一、中正第二、文山第一、文山第二、大同、中山、萬華、大安、信義、松山、內湖、南港、士林、北投の14の分局があります。
台北市の行政区が全部で12、その中でとにかく人口の多い中正区と、文山区が二分割されて、全部で14。そのうちにもっと二分割される区が増えていくかもしれません。

高懷天が働いているのはこの内の「大安分局」。担当している大安区には台湾大学があります。また、この先出てくる葉家のビルもこの区内にあります。

高懷天の役職は刑事課長。分局内の各課が台湾では「○○組」となります。なので本当は「刑事組組長」なのですが、どうしても別なものが連想されてしまうので、日本で馴染みのある「課長」に変えています。
なお、この「刑事組」はその後「偵查隊」と名称が変わっているので、今は「偵查隊隊長」が正式な役職名となります。

なお、警視庁にあたる「台北市政府警察局」の「刑事警察大隊」の組織にも「偵查組」がありますが、こちらの職務内容は基本的にはデスクワーク。現場担当は「偵查第一隊~八隊」で、台北市内の各分局の「偵查隊」の応援に出ています。
「偵查第一隊~八隊」がどんな事件を解決したよ、というのは中山堂傍にある「刑事警察大隊」の庁舎前の掲示板コーナーに壁新聞のように貼り出されているので、中国語のできる方は結構楽しめます。写真も撮り放題です。

もう一人、魏千樺が所属しているのは「台北市政府警察局」の「公共關係室」です。日本でいうところの広報室。これは「警察局」にのみある部署で、「分局」にはありません。なお、魏千樺の役職は「公關室主任」。公共關係室では「主任」がトップにあたるので、日本でいうところの「広報室長」です。

台湾の警察学校には、一般の警察官を養成する専門学校の「臺灣警察專科學校」と、幹部養成用の「中央警察大學」の二つがあって、懷天、千樺、そして冬海は全員「中央警察大學」を出た幹部候補です。
今回、懷天が講習を担当しているのは「臺灣警察專科學校」の方。


なお、地方都市の場合は「刑事組」が「分局」にはなく、各市警察局内の「刑事鑑識中心」と「刑事警察大隊」が全市の事件を一括して担当します。
他に「刑事警察局」「鉄路警察局」「国道公路警察局」「航空警察局」「国家公園警察」「国家保安警察」「港務警察」などの組織は「警政署」の直轄。
この二点が日本の警察と大きく違うところです。

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