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皮肉屋と愛嬌は両立するのかについて

 O・ヘンリーと双璧を成すと言われる短編の名手。イギリス人のサキ。日本人からすると過剰にすら感じられるほどの辛辣な諷刺と残酷なユーモアに満ちた物語は、少しばかし自分の頭が良くなったのではと、思わせられるものです。

 さて、彼の書く小説に多く登場する青年クローヴィスについて書こうと思います。
 性格は皮肉屋で悪戯好き、舌先三寸で周囲を振り回しゆく先々で騒動を引き起こす。そういった人物です。
 私がこのキャラクターについて疑問に思うのが、どうしてこのキャラは皮肉屋であることと愛嬌を持つことを両立できているかということです。
 物語の人物を構成する上で、両立しがたい要素というのは少なからず存在し、そのせいもあってか、世の中にはテンプレート的人格なるものが存在するわけです。
 しかし、中には水と油のような要素を共に内包することが出来た素晴らしいキャラというのも少数ですが存在するの事実です。現に、クローヴィスというのはどうしよもなく嫌われ者としての資質を兼ねそろえているにも関わらず、読者に対し愛嬌を抱かしえるナニカも持っているわけです。

 偶然の産物なのか、何か秘訣があるのか気になるところです。

第12話:暗鬱な扇動者
https://kakuyomu.jp/works/16817330654272671809/episodes/16817330654844417529

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