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技術未発達の世界で銃を開発し平和をもたらすには、何が必要か?

 今回は死霊のはらわたをイメージし、女看守と死体人形の死闘をえがきました。

 みんな大好きダブル・バレルショットガンも登場します。
 で、今回の近況ノートの本題ですが、現代技術無双において最もメジャーで重要な要素である銃の開発について少し言及してみたく思います。
 
 まず、どの銃種を手掛けるかですが、工作難度の観点から考えると散弾銃が手頃だったりします。ライフリングを掘る必要がないからですね。チョーク(散弾の集団率を調整する部品)を入れなければ工作難度は最も低いでしょう。
 次に、炸薬について。黒色火薬が他作品においてはメジャーどころですが、それでは面白みも威力もなく、有るのは唯むせぶ程の黒煙だけというありさまになってしまいます。
 ということで、『女看守』の方では、硝酸セルロースと硝酸アンモニウム、それに軽油を含ませたものを用いています。俗にいう硝安爆薬です。
 硝酸とアンモニアは純度を問わなければ、かなり容易に合成できます。どちらも生物の下と死体から生み出せます。後は細菌ですね。セルロースに至ってはその辺の木や綿で代用すればよいです。 軽油もかなり単純な分留装置で生産できます。
 こちらの方が煙は少なく、安定性は高いでしょう。

 そして、点火装置です。今回のお話では電気信管を用いた点火になっており、せっかくファンタジー要素があるのだから幾らか用いないと必要のない要素になってしまうということで採用しました。
 現実にも、電気信管による銃というのは幾つか存在し、ロシアの特殊部隊用の拳銃トロイカがその最たる例でしょう。面白い見た目をしていますので、是非下に掲載した写真をご覧ください。

 最後に、実包なのですが、今回はパルプ紙の厚紙に炸薬と散弾をくるんだものを使用しました。これに真鍮製の電気信管がささり、点火するというものです。
 なぜ、薬莢ではないのか?と問われるかもしれませんが、理由は簡単です。雷管が銃本体に取り付けられているのなら、必要ないからです。
 しかし、燃焼ガスの密閉に必要なのでは?という疑問もあります。そこで今回は二連式散弾銃のチェンバー口と信管部分を熱による膨張率の高い真鍮製としてその問題を解決できているということにしてあります。
 私のような考察厨もこれで安心だ!

 長くなりましたが、以上です。

第10話:『端麗すぎる人形劇』
https://kakuyomu.jp/works/16817330654272671809/episodes/16817330654754696344

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