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「ニコイチツインソウル!」は本編の伏線だったという話

兄弟杯ありがとうございましたー!
雨坂は「ニコイチツインソウル!」で参加させていただきました。
いろんな方々に読んでいただき、講評では褒めていただけて嬉しかったです。
本当にありがとうございました。

というわけで「全世界記憶喪失」について語りたい欲が湧き上がっております!
語ります!!語っちゃいます!!!

以下、「全世界記憶喪失」(以下本編)と「ニコイチ〜」のネタバレを含むので大丈夫な方だけお読みください。
あとお気に入りキャラの周辺の話しかしません。静、元夢、燈実以外のキャラにはあまり触れませんので、興味のある方だけ読んでくださいね。


「ニコイチ〜」は本編の7年前、元夢の一人称で語られるお話です。
静と元夢がまだ20歳で、初めて二人が組んで戦った時の物語。(帝人は25歳、社長は45歳)
元々この二人の過去編は書きたかったので、企画で書けてとても楽しかったです。

当然ながら、静と元夢の関係性が本編第二部開始時とは違っているんですよね。
元夢はちょっとツンデレで口が悪いので、第二部では静との関係について聞かれた時に「腐れ縁」と答えています。
ですが「ニコイチ〜」では地の文で「親友」という単語が。
そう、実はそう思っていながら「腐れ縁」なんて答えちゃうんですよ!元夢は本当に素直じゃないんだから!!
そんな彼のことをよく知っているのが静です。
「ニコイチ〜」では元夢に小突かれて言いくるめられて(?)いますが、第二部では元夢と言い合いが出来るまでに成長しています。
ただし「話がずれるからやめろ」と、元夢は少々嫌がっている様子。
やはり静にまともな返しができるはずないんですよねー。言い返せるようになったのはいいんですけどね。

静が中卒だという話は本編でも言及しましたが、その頃はちっちゃくて細身の少年でした。花を育てるのが好きな、ちょっと無口で天然ボケな心優しい少年でした。
事情を知った社長が諸々の面倒を見てくれることになり、独身寮では帝人と部屋が隣だったため、静は彼らに育ててもらったようなものです。
それから3年後に高卒で元夢がやってきて、寮の部屋はフロアが違っていましたが、会ったその日に意気投合した二人は一緒にいるのが当たり前になりました。
裏設定ですが、この時二人の顔はなんとなく似てるな、という程度です。ともに過ごすうちにどんどん顔が似てきています。
「ニコイチ〜」で紗鳥さんが言っていたように、「お互いに引き寄せ合っている」からこそ似てきています。
もう一つの過去編「うちの課長は何もできない」は本編から2年前のお話で、1年前に元夢が独身寮を出ていることが明言されています。でも近くに住んでいます。
本編第二部のシークエル3を見てもらえれば分かるように、元夢は独身寮を出たものの、すぐ近所に住んでいます。
静と離れがたかったんでしょうね……元夢ってば分かりやすいんだから!
ということで、二人はどんどん似てきているので今ではすっかり双子です。髪型と色が違うので判別はできますが、顔だけ見たら同じです。
「ニコイチ〜」では「ツインソウル」という単語が出てきますが、これは本編第二部でも静が気に入っているのが分かります。
燈実に対して自ら「俺たちツインソウルだからな」と言っています。マジでお気に入りなんだな。
元夢は「半信半疑」だなんて返していますが、あくまでも口だけです。内心で「親友」だと思っているし、寮を出てからも近所に住んで同じジムに通っていて、何かと静の世話を焼いているのに、信じていないわけがない。
しかも本当に魂の双子なので、そりゃあ離れがたいし引き寄せ合うのも当然なわけです。

第二部11話で静と元夢のこと、そして燈実に何があったのかが判明します。
その時に静は燈実へ「お前だったんだな」と言い、元夢は「お前だったとはな」と言っています。
元夢が静に対してコンプレックスを抱いている理由は、実はこうしたところに表れています。
静は確信を持って「お前だったんだな」と言えるのに、元夢は「お前だったとはな」と、半分驚きのような、戸惑いのようなものが感じられます。
やはりそこは最後の一欠片。静に比べて魂の厚みが違うため、あの朝に見た夢は静のそれよりも内容が薄かったのです。固有の能力がいまいちな出来なのも一欠片であることに由来しています。
でも静が「物がない場所では不利」な能力であり、元夢は「遠くにある物を出現させる」能力なので、二人合わせたら「最強」です。第二部を読んだら分かるこの「最強」という言葉。
実は「ニコイチ〜」はまるごと本編の伏線だったんですね!気づいたらめちゃくちゃおもしろいですよ、これ!!(自画自賛)

あと「ニコイチ〜」で社長と戦った二人ですが、第二部では燈実が社長と戦います。結果はもちろん負けです。
試合後に二人が燈実に声をかけるのですが、ここの台詞は「ニコイチ〜」を読んだ後だとすごく味わい深いです。
社長の強さを身をもって知っている二人だからこそ、燈実にあんな言葉をかけることができたんです。本編が燈実視点なので書いてはありませんが、きっと二人にはそれぞれ思うところがあったんだろうし、「ニコイチ〜」での試合を思い出していたかもしれませんね。

画像は「ニコイチ〜」時代の二人です。双子の日だったのでちょうどいいかなと思って……!!

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