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主人公にとって嫌なことこそ。

『僕らのマズルカ』もラストに向けて動き始めてきたわけですが、絶賛主人公困らせ回です。

私は常々、主人公を困らせ絶体絶命の状況へ誘い込み、そしてひいては読者をやきもきヒヤヒヤさせ「そっち行っちゃダメだー!」と物語に引き込んでいく作家さんへの尊敬の念を禁じえません。
実はそういった場面を読むのがちょっと苦手というか、映画とか観ててもそんな雰囲気になってくるとソワソワしてしまう質なので自分で書く時も意識するあまり極端になってはいないかいつも気になってしまいます。
でも「可愛い子には旅をさせよ」とはよく言ったもんで、そういうことなんです。手塩にかけて書き上げてきた大事な大事なキャラクター達だからこそ、彼らの物語を良いものにしたい。特に『僕らのマズルカ』のような中学生が主人公のお話で、主人公が過ちを犯したりすれ違ってしまったりしないわけがないのです。主人公が嫌がることにこそ、大事な何かが隠されている。

作家として大事なことは、どれだけ主人公に残酷でいられるか。いかに俯瞰と主観を併せ持って書き続けられるか。
その他諸々。
そんなことを思いながら、今日も少しずつ、言葉を紡いでいくのです。

読んでくださった全ての方へ、愛をこめて。
清水 円

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