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1分で読める小噺(こばなし) 髪と因果【李夜伝】

荘園。長屋。夜。
農民と夏桑(かそう)、夜糸(やし)が雑魚寝している。
夜糸「はあ。首が寒くて眠れない。これも春桃(しゅんとう)のせいよ。……ううん。それだけじゃないわ。髪を切ることになったのも、もとはといえば日利(ひり)のせいね。ぜんぶあの子のせいだわ」


都の郊外。永達(えいたつ)のやしき。夜。
日利の部屋の前。
永達(えいたつ)「白環、いるか?ひさびさに相手をしてやろう」
日利「すみません。今日はちょっと」
永達「なんだ。私の好意をむげにするのか?それになぜ頭巾をかぶっている?」
日利「すみません」(バタンッ)

部屋の中。日利が頭巾をとると、彼女の髪がそられ、丸ぼうずになっている。
日利「永達さまにも怒られたじゃない。丸ぼうずになるはめになったのは、もとはといえばお姉さまが『あれ』を私の髪の油にまぜたせいよ。ぜんぶお姉さまのせいだわ……」

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本日投稿した話の幕間のできごとでした。
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https://kakuyomu.jp/works/16816927859770189332/episodes/16816927860211023640

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