「蜘蛛の糸」を含む小説

　蜘蛛の糸は切れたのではなく――切られたのだとしたら。

　麻薬中毒で少年院送致となり、退院してきた菜々子は、最初はそれを暴露されるのを恐れる、地獄の毎日を送っていた。 　しかし、地獄に垂らされた一本の糸のような周りの人々の理解のお陰で…

地獄のような場所で労働を課せられていた太郎。 そんな太郎の目の前に一本の糸が現れる。 引っ張っても切れることのない糸を見て太郎は『蜘蛛の糸』を思い出し、登ってみることにした。 よ…

夢の中は地獄だった。 目が覚めても地獄だった。 寝ても覚めても地獄なら、手前勝手な救いは不要。神も仏もないこの世界を自分だけは裏切らぬと男は誓った。 決して英雄にはなれないと…

KAC20244お題「ささくれ」応募作。

　カンダタは陰気な一生を終えて今地獄にいます。特に何をするでもなく、というより何がしでかせるわけでもなく、しかし極楽へ行けるわけでもない、しみったれた、まあまあ悪人な人生……

地下都市《コバルティア》にはかつてランタンの灯りが存在しなかった。ほのかに光る草花だけが頼りの暗い世界。 これは灯りを求める少年たちのお話である。 †登場人物† ヴ…

　暗がりの中に澱んだ血の色だけが混じるこの世界で、俺たちは出会ったんだ。ここに来る奴はそれなりに名を馳せた悪党ばかりだが、そんな奴らでも、地獄の責め苦には耐えられなくて、疲れ切っ…

意地悪で高飛車なフィランの使用人アルアは実は高貴な血筋だった！ あっという間に蹴落とされたフィランは人生で最低最悪な日を迎える。 そこで出遭った瀕死の女は「自分を助ければあなたを…

蜘蛛の糸が切れカンダタが地獄に落ちた後、天部衆は大罪人が極楽に来なくて安心するが、お釈迦様の考えがわからずに混乱する。 そこに観音菩薩が来て諭すが、地獄の閻魔大王からは怒りの声が…

其の危うきこと一髪の千鈞を引くが如し――そういう話です。 公募作も書き切らず、トリに浮気している駄目人間の短編。

140以内の連作。人のつながりは蜘蛛の糸とよく似ている。

ブログで不規則に書いていた現代異能ファンタジー「イトマキ×ツムギ」の一節になります。 全体テーマは「くもの糸」「ひも源論」で、ヒロインは三姉妹。衣装ビジュアルイメージと活躍方法は…

藤田は普段から上司の叱責に耐えながら、定時から業務を開始する典型的な社畜だった。ところが、労基から休めと言われて休んだところ入院する羽目になる。頭がおかしくなった藤田は不審者ムー…

宇宙の支配者である神種族は文明として頂点に君臨し、もはや文明としての存在意義を見出せずにいた。そこで神種族は新たな宇宙を制作し、その宇宙の監視者としての役割に存在意義を見出した。…

蜘蛛の糸に掛かった蝶。 弱肉強食の世界。 捕食のためであれば許されるだろう。 だがもし、蝶を糸に絡めて弄んでいるだけだとしたら？ それは許されるだろうか？

　全寮制の聖リーパー女学院、そこは年上の生徒が年下の生徒を面倒を見る姉妹制度があり、美しく気高い校風の学校。 　そんな楽しい学園ライフ。終わりの会で“お泊まり会“にランダムに呼ば…

蜘蛛の恩返し――。 本作は『カクヨム』様にも掲載しております。

地獄の池で見つけた一筋の光はお釈迦様が垂らした蜘蛛の糸だった。 角川文庫『蜘蛛の糸・地獄変』所収。※角川ソフィア文庫『芥川龍之介の「羅生門」「河童」ほか6編』に則り、歴史的仮名遣…