2026年4月26日 18:37
第7話 新しい居場所への応援コメント
比良野 瞬さん、私の企画に参加していただいてありがとうございます。私も少し前に自分の小説の中で交通事故に遭って下半身不随になった少女が、五年かけてリハビリをして、再び通常の生活に戻る、というストーリーを若い人に向けた恋愛小説で書きました。メインが恋愛なので、リハビリは最低限度しか書いていませんが、これを読んでみて欲しいのです。拓馬も美春も17歳の高校生です。 吹く風が冷たくなってきて、冬の到来を人々が感じる十一月の終わり頃、美春の回復は勢いに乗ってきた。手すりを掴んで、一歩ずつ、確実に歩けるようになっていた。聖ミカエル病院のリハビリ室は、今日も未来の自分を信じて、必死にリハビリに取り組む人が八人いた。 その中に拓馬もいたが、あの日以降、思うような進展がなかった。すぐ横で美春がみるみる回復して言っているのが、焦りを誘ったかもしれない。今日の拓馬は様子がおかしかった。不愛想で、見るからに覇気がない。そんな彼の様子を見て、美春は少し心配していた。「さあ、もう一度」 と左手を上げる運動を手伝っていた森田が声をかけたが、拓馬は反応しなかった。それを見て、少し休もうか、と優しく言ったが、彼は何も言わない。森田は気を利かせて、無言で立ち上がって離れた。 雅美が、隣のあずさと、不安そうに顔を見合わせた時、拓馬は全身を震わせた。それから、彼の頬を涙が濡らしはじめる。美春はいち早くそれに気づき、目を見開いた。 拓馬はやがて、うぁ、ああ、と声をあげて、遂に、ああわあぁあと号泣し始めた。溜まりに溜まっていたものが爆発した、という感じだった。「もういやだ、なんでおれだけこんなことしなきゃいけないんだ、ああ、わああぁあ」 天を仰いで叫び、くそぅ、ちくしょう、と床を右手で何度も叩く。その余りの迫力に、雅美も、森田すらも近づけなかった。が、気づけば美春が、匍匐前進で拓馬に近づいて、その肩を両手でつかんでいた。「つらいね、しんどいね」 美春も目を真っ赤にしている。彼女が思った以上に側にいたので、拓馬は驚いて後ずさったが、美春は離さない。「おれ、もういやだ、みはるちゃん。もう、もう、リハビリやめる」 拓馬は涙声で本音を話した。「やめるんじゃなくて、休もうよ。私もそうして来たよ。何回泣いたか分からないよ。死にたくなったこともあるよ」 死、という単語に拓馬は反応し、体が震えた。思わず美春の瞳を覗き込んだ。「言ったよね。私、立てるようになるまで三年かかったって。でも私諦めなかったよ。その代わり、休みやすみ来た。だから、拓馬くんも、今は休もうよ」 拓馬は何も言わず、下を向いてしまった。しかし、その右手は美春の肩を支える両手に重ねられていた。美春は彼の姿に、過去の自分を重ねていた。家で泣き叫んで、あずさにコップを投げつけたこともあった。全く同じだった。なんで、私だけこんな目に遭うの、と。美春は優しく拓馬の背中をさすった。彼の興奮状態は収まった。森田が雅美と話して、今日はもう終わりにすることになった。 森田に介助され、車椅子に乗る前に、拓馬は美春に、「今日はごめんなさい」 とだけ言った。美春は、微笑んでうなずいた。 比良野さんの作品に比べてどうでしょうか。「漫画の原作も目指す」のなら、こういう感情の爆発的な場面を、敢えてでも入れるべきだと思うのです。それは、夜中に一人ベッドの上で涙をこぼすでもいい、人間が極限まで追い込まれた場面を書いてほしいのです。現状は淡々としていて患者の感情の起伏に欠けています。二章までを読んで足りないと感じるのは、こういう山場です。フィクションなのですから、フェイクの場面を入れてもいいんです。身体が動かなくなる人間の苦悩を、嘆きを、怒りを、悲嘆を丁寧に書いてほしい。それは、漫画においても決定的な場面になるでしょう。という事を感じたものの、本作は広く読まれてほしいテーマを書いた素晴らしい作品です、どうか最後まで書いてほしいと思います。また、公募への応募も視野に入れているのなら、ネット公開した内容は応募不可という決まりの新人賞が多いです、その辺りも頭に入れて書いてほしいです。がんばってください!
作者からの返信
平山文人様応援コメントありがとうございます。長らく現場で働いていて、その経験を元に執筆をはじめたばかりの初心者の私にわかりやすいご指摘を頂き勉強になります。この作品は、奇跡が起こることもありませんし、天才的なヒーローが活躍する物語でもないため、静かな物語としてスタートしました。そこから漫画原作コンテストなどに応募して書籍化できたらいいなと思い、カクヨムで公開をはじめました。ご指摘の通り、リアリティを重視してしまうため、カタルシスを表現することが課題だとわかりました。今後も精進していきたいと思います。企画に参加してよかったです。今後ともよろしくお願いいたします。
第7話 新しい居場所への応援コメント
比良野 瞬さん、私の企画に参加していただいてありがとうございます。
私も少し前に自分の小説の中で交通事故に遭って下半身不随になった少女が、五年かけてリハビリをして、再び通常の生活に戻る、というストーリーを若い人に向けた恋愛小説で書きました。メインが恋愛なので、リハビリは最低限度しか書いていませんが、これを読んでみて欲しいのです。拓馬も美春も17歳の高校生です。
吹く風が冷たくなってきて、冬の到来を人々が感じる十一月の終わり頃、美春の回復は勢いに乗ってきた。手すりを掴んで、一歩ずつ、確実に歩けるようになっていた。聖ミカエル病院のリハビリ室は、今日も未来の自分を信じて、必死にリハビリに取り組む人が八人いた。
その中に拓馬もいたが、あの日以降、思うような進展がなかった。すぐ横で美春がみるみる回復して言っているのが、焦りを誘ったかもしれない。今日の拓馬は様子がおかしかった。不愛想で、見るからに覇気がない。そんな彼の様子を見て、美春は少し心配していた。
「さあ、もう一度」
と左手を上げる運動を手伝っていた森田が声をかけたが、拓馬は反応しなかった。それを見て、少し休もうか、と優しく言ったが、彼は何も言わない。森田は気を利かせて、無言で立ち上がって離れた。
雅美が、隣のあずさと、不安そうに顔を見合わせた時、拓馬は全身を震わせた。それから、彼の頬を涙が濡らしはじめる。美春はいち早くそれに気づき、目を見開いた。
拓馬はやがて、うぁ、ああ、と声をあげて、遂に、ああわあぁあと号泣し始めた。溜まりに溜まっていたものが爆発した、という感じだった。
「もういやだ、なんでおれだけこんなことしなきゃいけないんだ、ああ、わああぁあ」
天を仰いで叫び、くそぅ、ちくしょう、と床を右手で何度も叩く。その余りの迫力に、雅美も、森田すらも近づけなかった。が、気づけば美春が、匍匐前進で拓馬に近づいて、その肩を両手でつかんでいた。
「つらいね、しんどいね」
美春も目を真っ赤にしている。彼女が思った以上に側にいたので、拓馬は驚いて後ずさったが、美春は離さない。
「おれ、もういやだ、みはるちゃん。もう、もう、リハビリやめる」
拓馬は涙声で本音を話した。
「やめるんじゃなくて、休もうよ。私もそうして来たよ。何回泣いたか分からないよ。死にたくなったこともあるよ」
死、という単語に拓馬は反応し、体が震えた。思わず美春の瞳を覗き込んだ。
「言ったよね。私、立てるようになるまで三年かかったって。でも私諦めなかったよ。その代わり、休みやすみ来た。だから、拓馬くんも、今は休もうよ」
拓馬は何も言わず、下を向いてしまった。しかし、その右手は美春の肩を支える両手に重ねられていた。美春は彼の姿に、過去の自分を重ねていた。家で泣き叫んで、あずさにコップを投げつけたこともあった。全く同じだった。なんで、私だけこんな目に遭うの、と。美春は優しく拓馬の背中をさすった。彼の興奮状態は収まった。森田が雅美と話して、今日はもう終わりにすることになった。
森田に介助され、車椅子に乗る前に、拓馬は美春に、
「今日はごめんなさい」
とだけ言った。美春は、微笑んでうなずいた。
比良野さんの作品に比べてどうでしょうか。「漫画の原作も目指す」のなら、こういう感情の爆発的な場面を、敢えてでも入れるべきだと思うのです。それは、夜中に一人ベッドの上で涙をこぼすでもいい、人間が極限まで追い込まれた場面を書いてほしいのです。現状は淡々としていて患者の感情の起伏に欠けています。二章までを読んで足りないと感じるのは、こういう山場です。フィクションなのですから、フェイクの場面を入れてもいいんです。身体が動かなくなる人間の苦悩を、嘆きを、怒りを、悲嘆を丁寧に書いてほしい。それは、漫画においても決定的な場面になるでしょう。
という事を感じたものの、本作は広く読まれてほしいテーマを書いた素晴らしい作品です、どうか最後まで書いてほしいと思います。また、公募への応募も視野に入れているのなら、ネット公開した内容は応募不可という決まりの新人賞が多いです、その辺りも頭に入れて書いてほしいです。がんばってください!
作者からの返信
平山文人様
応援コメントありがとうございます。
長らく現場で働いていて、その経験を元に執筆をはじめたばかりの初心者の私にわかりやすいご指摘を頂き勉強になります。
この作品は、奇跡が起こることもありませんし、天才的なヒーローが活躍する物語でもないため、静かな物語としてスタートしました。
そこから漫画原作コンテストなどに応募して書籍化できたらいいなと思い、カクヨムで公開をはじめました。
ご指摘の通り、リアリティを重視してしまうため、カタルシスを表現することが課題だとわかりました。今後も精進していきたいと思います。
企画に参加してよかったです。
今後ともよろしくお願いいたします。