応援コメント

すべてのエピソードへの応援コメント

  • 第21話 違和感への応援コメント

     企画にご参加くださりありがとうございます。プロフィールを拝見したところ、現在ミステリ小説執筆の練習中だそうですね。わたくしも同じく修行中です。
     文体は落ち着いていてミステリに合っていますね。今回の作品は選択肢によって展開柄分岐する構造で、さまざま挑戦しようという意欲が見てとれました。
     ミステリとしての評価を忌憚なく申し上げます。まず、事件が発生し、捜査により材料が集まり、それに基づいて犯行方法と犯人を推理する、ハウダニット、フーダニットのミステリの基本的構成は守られています。読者に推理させるフェアネスを確保しようとしておられると思いました。
     しかしです。設定自体に問題が多いです。わたくし少々登山や沢登りをかじっておりまして、いろいろ気になりました。まず、30分もゴンドラに乗って山頂まで行くということは、一般的な速度である5m/sだとしても9kmも移動することになります。ゴンドラの勾配角度が15°くらいの緩めでも標高差2000m以上登ることになります。日本で一番長い山岳ロープウェイでもそんなに上がりません。そんなゴンドラリフトが無人運行、ゴンドラ一台きり、終夜運転という時点でかなりリアリティがありませんが、全部フィクションだと目を瞑るとしても、キャニオニングで降りてくればゴンドラを待つより早いということは絶対にあり得ません。作中でもロープの描写がありますように、キャニオニングはただ水の流れに身を任せて降りてくるのではありません。泳いだり、滑ったり、滝壺(浅くない、水流に引き込まれないとわかっているところ)に飛び込んだりもしますけど、それは場所をよく吟味した場合の話。山のてっぺんから沢伝いに下降しようと思ったら、かなりの箇所をロープを使った懸垂下降で降りなければいけません。60mのツインロープを2本束ねても一度に60mしか下れません。懸垂下降が要らない、もしくはできないところでは普通に藪を漕いで歩いて下りますし、とにかく時間がかかります。時間的ショートカットには全くならないです。また、ロープをはじめとした大量のギア類を装備して行ったんでしょうか。まあ、「山頂で話そう。俺はキャニオニングで帰るから」と、言ったのかもしれませんが……。
     というわけで、わたくしは全く推理ができず、答えを見て、「待てやコラァ!」とツッコまざるをえませんでした。ミステリのトリックの根幹部分は、せめて一定以上のリアリティは確保した方がいいと思います。
     そのほかにも、「警察が顔見知りでもない探偵を最初から容疑者圏外に置き、あまつさえ協力を求める」「容疑者たちが、誰にも何も言われていないのに自分から『俺を疑ってんのか?』とキレだす」など、不自然な点も見受けられましたので、なるべく自然な、無理のない描写を心がけた方が良いかと存じます。
     いろいろ不躾な指摘を差し上げましたが、お互い腕を磨いて、ミステリ界隈を盛り上げていければと思います。このたびはありがとうございました。