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  • 第45話への応援コメント

    お疲れ様でした!とても楽しく読ませていただきました!

    作者からの返信

    第0話「聖剣入手」
    最深部、最後の守護者

    長い戦いの末、カナはついに最深部に辿り着いた。

    そこには、祭壇があった。

    そして、祭壇の前に、最後の守護者が立ちはだかる。

    人型の、漆黒の鎧をまとった騎士。
    その手には、禍々しい光を放つ大剣。
    全身からは、圧倒的な威圧感が放たれている。

    「……ここまで来たなら、倒すしかないわね」

    カナは、杖を構えた。

    騎士が、動いた。

    信じられない速さで間合いを詰め、剣を振り下ろす。

    「――っ!」

    カナは、間一髪でかわす。

    でも、掠めた。

    肩から、血が噴き出す。

    「くそ……!」

    彼女は、痛みをこらえて反撃する。

    「『極光穿牙』!」

    光の槍が騎士を貫くが――かすり傷にもならない。

    「そんな……!」

    絶望的な力の差

    騎士の反撃が始まる。

    一撃、一撃が、カナの命を奪うに足る威力。

    かわす。
    かわす。
    かわす。

    でも、掠める。

    腕。
    足。
    肩。

    次々と傷が増えていく。

    「はあ……はあ……!」

    カナの呼吸が、乱れる。

    視界が、血で滲む。

    (……ダメかも)

    そう思った時、騎士が口を開いた。

    守護者の言葉

    「……なぜ、ここまで来た」

    低く、響く声。

    カナは、はっとした。

    「……しゃべるの?」

    「答えよ。なぜ、お前はここまで来た」

    騎士の声には、感情がない。
    でも、どこか、真実を問うような響きがあった。

    カナは、肩で息をしながら、答えた。

    「……決まってるでしょ」

    「何のために」

    「……聖剣を取りに来たのよ」

    「なぜ、聖剣が必要だ」

    カナは、一瞬、言葉を詰まらせた。

    でも、すぐに、はっきりと答えた。

    「……あいつに渡すためよ」

    騎士の問い

    「……あいつ?」

    「コウタ。私の幼なじみの、バカで、弱くて、でも、誰よりも優しい――」

    言いかけて、カナは口をつぐんだ。

    騎士が、続ける。

    「その者のために、お前は命を懸けるのか」

    「……そうよ」

    「なぜだ」

    「なぜって……」

    カナは、答えに詰まった。

    なぜ?
    なぜ、そこまでするのか?

    自分でも、わからなかった。

    ただ――

    (あいつが、無茶をするから)
    (あいつが、すぐに怪我をするから)
    (あいつが、自分は弱いって、卑下してるから)

    (だから――)

    「……あいつを、守りたいからよ」

    カナの声が、静かに響いた。

    騎士の最後の問い

    騎士は、しばらく沈黙した後、静かに言った。

    「お前に告げる」

    「……何を」

    「この剣、エクス・レプリカは、選ばれし者しか持つことができない」

    「…………」

    「選ばれし者とは、勇者の資質を持つ者。聖なる血を引く者。運命に導かれた者」

    「…………」

    「お前は、そのどれでもない」

    カナの心臓が、氷のように冷たくなった。

    でも、騎士は続ける。

    「今なら、引き返せる。このまま進めば、お前は死ぬ」

    「…………」

    「それでも、進むか?」

    カナの答え

    カナは、ゆっくりと顔を上げた。


    全身傷だらけ。
    血が、止まらない。
    立っているのも、やっとだ。

    でも、彼女の目は、一点を見つめていた。

    祭壇の上の、白銀に輝く剣。

    エクス・レプリカ。

    「……うるさい! とっととどけ!」

    カナが叫ぶ。

    騎士は、動かない。

    漆黒の鎧をまとった守護者が、静かに口を開いた。

    対峙

    「この剣は、選ばれし者しか手に入れられない」

    低く、響く声。

    「貴様に、その資格はない」

    「……はっ!」

    カナは、構わず魔法を放つ。

    「『極光穿牙』!」

    光の槍が、騎士を貫く。

    ――炸裂。しかし。

    煙が晴れても、騎士はびくともしない。

    「諦めろ」

    騎士の声は、冷酷だった。

    「貴様の攻撃は、通じない」

    追い詰められるカナ

    「うるさい!」

    カナは、次々と魔法を放つ。

    「『極光連弾』!」
    「『氷結結界』!」
    「『終焉の炎』!」

    全てが、騎士の前で霧散する。

    「諦めろ」

    騎士が、一歩前に出る。

    「貴様の考えている者は、勇者ではない」

    「…………!」

    カナの心臓が、ドキリと跳ねる。

    (なんで……あいつのこと……)

    「諦めろ」

    さらに一歩。

    「貴様の攻撃は、通じない」

    「諦めろ」

    また一歩。

    「運命は、貴様に味方しない」

    拒絶

    「諦めろ」

    騎士の声が、部屋中に響く。

    「貴様の意志は、関係ない」

    カナは、歯を食いしばった。

    (関係ない……だと……?)

    「引き返せ」

    騎士が、静かに言った。

    「今なら、まだ間に合う」

    「…………」

    「未来を見せてやろう」

    騎士の手が、かすかに光る。

    そこに映し出されたのは――

    見せられる未来

    暖かな家庭。

    笑顔のコウタ。

    そして、その隣に立つ、幸せそうな自分。

    「引き返せば、これを手に入れられる」

    騎士の声が、甘く響く。

    「……!」

    カナの心が、揺れる。

    (こんな……こんなの……)

    最後の誘惑

    騎士の手に、もう一つの光が浮かぶ。

    それは、美しい指輪だった。

    「代わりに、これをやろう」

    「……何、それ」

    「相手を虜にする指輪だ。これを使えば、あの男は永遠にお前のものになる」

    「…………!」

    カナの目が、わずかに見開かれる。

    (永遠に……コウタが……私のもの……)

    「聖剣には、近づくな」

    騎士が、指輪を差し出す。

    「この剣は、勇者の手に渡る運命だ」

    「…………」

    「貴様には、関係ない」

    沈黙

    長い、長い沈黙。

    カナは、俯いていた。

    指輪の光が、彼女を照らす。

    暖かな家庭の幻影が、揺らめく。

    騎士は、待っていた。

    諦めるのを。

    カナ、立ち上がる

    ――その時。

    カナが、顔を上げた。

    「……関係ない?」

    彼女の声は、静かだった。

    でも、その目は、燃えていた。

    「関係ない……だと?」

    彼女は、ゆっくりと立ち上がる。

    全身傷だらけ。
    血が滴る。
    立っているのも、やっとだ。

    でも、立った。

    「アタシの意志が、関係ない?」

    「…………」

    「アタシの気持ちが、関係ない?」

    彼女の声が、徐々に大きくなる。

    「アタシが、あいつを想う気持ちが――」

    「関係ないだと――?」

    怒りの叫び

    「ふざけるなあああああッ!!」

    カナの叫びが、部屋中に響き渡る。

    指輪なんか、見もしない。

    幻の家庭なんか、目もくれない。

    彼女は、まっすぐに騎士を見据えた。

    「アタシは、選ばれてなんかいない!」

    「運命なんかに、導かれてなんかいない!」

    「でも――!」

    「それでも、アタシは、コウタのために来たんだ!」

    突撃

    カナは、地面を蹴った。

    傷ついた足で。
    血を滴らせながら。
    それでも、全力で。

    「うおおおおおっ!」

    騎士が、剣を振り上げる。

    でも、カナは怯まない。

    「選ばれてなくてもいい!」

    「運命なんか、くそくらえ!」

    「アタシの意志が――!」

    「アタシの気持ちが――!」

    「この想いが――!」

    最後の一撃

    騎士の剣が、振り下ろされる。

    カナは、それをかわさない。

    受ける。

    いや――

    そのまま、突き進む。

    「コウタのためなら――!」

    彼女の拳が、騎士の鎧を打つ。

    「何だって――!」

    もう一発。

    「するんだ――!」

    もう一発。

    「あああああッ!!」

    崩壊

    騎士の鎧が、ひび割れる。

    「……なに……?」

    騎士の声が、初めて揺れた。

    「選ばれてもいない者が……なぜ……!」

    「選ばれてなくたって――!」

    カナは、最後の力を振り絞る。

    「アタシは、アタシの意志で――!」

    「コウタを守るんだ――!」

    騎士の最後

    騎士の体が、光の粒となって崩れ始める。

    「……お前の……その意志……」

    「…………」

    「確かに……見届けた……」

    騎士が、微笑んだように見えた。

    「その意志こそが……聖剣を支える……」

    「…………」

    「行け……お前の手で……あの男を……」

    騎士は、完全に消えた。

    聖剣、そして――

    カナは、よろめきながら祭壇に歩み寄る。

    全身傷だらけ。
    血が止まらない。
    立っているのもやっとだ。

    でも、彼女の目は、一点を見つめていた。

    「……あった」

    祭壇の上に、それはあった。

    白銀に輝く一振りの剣。
    神々しいまでの光を放つ、聖剣エクス・レプリカ。

    「……コウタに……渡すんだ」

    彼女は、剣を手に取った。

    ずっしりとした重み。
    冷たい感触。
    でも、不思議と、温かかった。

    「……アタシの意志……見ててくれたんだね」

    彼女は、剣を抱きしめた。

    そして、気を失った。

    その後

    ――その後のことは、もう知っている。

    カナは、聖剣に【安物】と書き、
    幻魔法で偽装し、
    「カナチャン大好き」の文字を刻んだ。

    そして、コウタに渡した。

    「粗大ゴミ」として。

    あのバカは、何も知らずに笑った。

    (ごめんね、コウタ)

    (あんたに、本当のことは言えない)

    (でも――)

    (アタシは、あんたを守る)

    (選ばれてなくても)
    (運命なんかじゃなくても)

    (アタシの意志で)

    それが、カナの歪んだ、けれど揺るぎない愛の形だった。

  • 第16話への応援コメント

    読ませていただきました!
    テンポが良く、非常に楽しめました。
    そして何より、キャラ同士の会話が心地よかったです。
    ★★★を置かせて頂きます!
    良ければ、私の作品にも遊びに来て頂けると嬉しいです。
    これからも応援しています!