青空の下の人は、隣でした

りなちょん

青空の下の人は、隣でした⓪〜③

☀️《エピソード:青い空の朝》

青い空に、白い雲がゆっくりと流れていた。


時計の針は 午前8時頃。


りなはカーテンを開けたまま、

しばらく空を見つめていた。


何か特別なことが起きるわけでもない。

ただの朝。

ただのいつもの日。


でも——

胸の奥が少しだけざわつく。


理由なんてわからない。

ただ、


「今日の空、なんかいつもよりも…綺麗。

いい事ありそうな気がする」


ぽつりとつぶやく。


その“根拠のない予感”は

音のないメロディみたいに

頭の奥でずっと鳴り続けていた。


そんな“根拠のない予感”が、

ふと心をかすめた。


隣の部屋から

かすかな物音が聞こえたのは、

ちょうどその時だった。


りな

「ん…気のせいかな。」


なんにも変わらないはずなのに、

何かが始まる合図みたいに感じた。


靴を履きながら、

りなは小さく笑う。


「はは。考えすぎだよね。」


でも、その笑顔には

少しだけ緊張が混じっていた。


誰も答えない、ただの独り言。

けれどなぜか、誰かと話したいような……

誰かが来るのを待っていたような……


そんな予感が、静かに胸に宿った。


玄関の時計は、8時30分。


りな

「……今日も頑張るか。行ってきます。」


この日に起こることを、

りなはまだ何も知らない。


この日が、

“運命と出会う日” になるなんて——


出会いも、恋も、涙も、

まだすべて青い空の下で眠っていた。


それでも確かに、何かが動きだした朝。


物語は、静かに始まった。


すべての始まりは、

青い空の下にあった。


☀️《1章:青い空の朝》

青い空の下で、

りなはマンションの前に出た瞬間、

いつもの背中を見つけた。


それが神崎颯馬(かんざき そうま)。

生まれた時から家が近所で、

親同士も顔見知りで、

ずっと一緒に遊んで育った幼なじみ。


黒いパーカーに腕を組んで

私を見るそれがいつものこと。


りな

「おはよ、颯馬。」


颯馬

「遅い。あと30秒でバス来る。」


りな

「ギリギリじゃないし。」


颯馬

「いや、毎回ギリギリだし。」


会話は軽いのに、

声を聞いただけで安心する距離。


颯馬

「今度、検診の日だろ?体調はどうなの?」


私は月1必ず颯馬が働いてるところに

検診行っているので

スケジュールもちゃんと管理している。


りな

「そうね。まあ大丈夫。

最近ちょっと仕事忙しくてね。」


颯馬はりなの顔をじっと見た。


ほんの一瞬。

でも長年の勘が働く。


颯馬

「寝不足。」


りな

「なんでわかるの?」


颯馬

「27年の付き合いだからわかるわ。

産まれたときから一緒だろ、俺ら。」


その言い方が反則すぎて、

りなは息を飲む。


りな

「……まあ寝不足なのは確かだよ。」


颯馬

「りなの顔色とか、歩き方とか、

声聞けばだいたい分かる。」


りな

「いや、完全にストーカーやん。」


颯馬

「ストーカーって言い方!

お前のことはなんでもわかるだよ。」


りな

「気持ち悪いんですけど〜笑」


颯馬はニヤっと笑って、

小さく肩をすくめた。


颯馬

「今度の検診、終わったらさ、飯作れ。」


りな

「なんで私が!?」


颯馬

「お前のご飯美味いからまた食べさせろよ。」


りな

「いいんだけど、食材代はいただくよ!」


颯馬

「汚いやり方笑」


こんな感じの会話をしながら

バスに乗り腰を下ろした。


隣に座った颯馬は、

スマホをポケットに入れたまま言う。


颯馬

「なあ、無理すんなよ。」


言葉は短いのに、

27年分の信頼がしっかり乗っていた。


りなは窓の外、

まっすぐ続く青空を見上げる。


(……今日の空、やっぱり綺麗。)


バスが停留所に差し掛かると、

車内にアナウンスが流れた。


「次、オフィスビル前〜」


りな

「じゃあ……行ってきます。」


颯馬

「はいよ。しっかりな。」


いつも通りのやり取り。

いつも通りの朝。


バスの扉が閉まった瞬間、

颯馬が手を軽く上げた。


りなは笑って、

小さく手を振り返した。


そして——

バスはゆっくりと動き出す。


颯馬と

“いつもの朝”と

27年の安心感を置いて

りなは仕事へ向かった。


まだ知らない。


その日の終わりに、

自分の世界が少し変わることを。


🌙《2章:いつもの夜。小さな予感》

一日中、パソコンとにらめっこしていた。

デザインの修正、クライアントからの細かい指示、

締め切りに追われて気づけば18時。


りな

「……終わった。」


デスクに突っ伏したい気分を我慢して、

スマホと荷物をまとめて会社を出た。


外の空気は少し冷たくて、

肩の力がゆっくり抜けていく。


帰りにスーパーに寄って、

玉ねぎと鶏むね肉、

少し奮発したプリンをカゴに入れた。


りな

(颯馬にまた“作れ”って言われるだろうし。)


家に着いて、料理本も見ずに

手際よくご飯を作る。


鶏むね肉の照り焼き、味噌汁、ほうれん草のおひたし。

手を動かしていると、

忙しさの残りが少しずつ消えていく。


ひとりでご飯を食べ終え、

お風呂を済ませた頃——

スマホが震えた。


颯馬からの電話。


りな

「なに?」


颯馬

『お疲れー!今日の仕事どうだった?』


りな

「普通。疲れた。締め切りに追われて死んだ。」


颯馬

『生きてるじゃん。じゃあ死んでない。よかった。』


りな

「雑な励まし!」


颯馬

『俺の励ましはいつも雑だろ。27年の付き合いだぞ。』


りな

「はいはい。」


ソファにもたれ、

何も考えずに颯馬の声だけを聞いた。


くだらない話をして、

テレビの話題で笑って、

静かな夜。


そのとき——


コン……


かすかに、壁の向こうから音がした。


りな

「……ん?」


颯馬

『どした?』


りな

「いや、なんでもない。で?」


颯馬

『おいおい、なんか怪しくねーか』


りな

「だたの音が微かに聞こえただけだってば。」


颯馬

『そっか。お前、たまに想像力強いから。』


りな

「うるさい!」


颯馬

『まぁ明日、検診だろ?寝ろ。』


りな

「はいはい、おやすみ。」


電話を切った後、

りなはしばらく壁を見つめた。


(……なんか、今日の空と同じで、

いつもと違う。)


理由はない。

ただ胸の奥で、小さなざわつきがまだ消えない。


時計の針は、午後22時30分。


静かな部屋に、

隣の部屋の“気配”だけが確かに存在していた。


りな

「……颯馬のせいで、遅くなっちゃった。」


ふっと笑って、

テーブルの上のプリンを片付ける。


「もう寝よ。」


歯磨きをして、布団に入った。


明日、その正体を知ることになるなんて——

りなはまだ知らなかった。


☀️《3章:運命の“影”が動き出す》


りなは月1の定期検診の日。

バスを降りると、いつものように消毒のにおいが微かにして、

病院特有の静けさが空気をつくっていた。


受付を済ませて、

番号札を握りしめたまま椅子に座ると、

ちょうど颯馬が白衣で通りかかった。


颯馬

「よ。来たな。」


りな

「来たよ。今日、混んでる?」


颯馬

「んーーいつもよりは。

でも俺は外来じゃねえから、今日は休憩中に顔出す。」


りな

「過保護じゃない?」


いつものやり取り。

この病院に来るのは少し面倒だけど、

颯馬の顔を見れるから苦じゃない。


数分後、

自分の番号が呼ばれた。


「3番の方、診察室へどうぞ。」


電子音が淡々と鳴る廊下で、

自分の番号が呼ばれた。


扉を開けると、

消毒液の匂いと、

紙をめくるかすかな音が重なった。


先生

「最近はどうですか?」


りな

「ぼちぼちです。」


先生は淡々とカルテをめくり、

画面に視線を走らせながら頷く。


先生

「前月と大きな変化はありませんね。

生活習慣はどうですか?寝れていますか?」


りな

「寝不足気味ですけど、まあ大丈夫です。」


先生

「そうですか。では本日は血液検査をしましょう。

採血のあと、看護師がお呼びします。」


「はい。」


会話はいつもどおり。

特別じゃない、毎月のルーティン。


でも、この日は違った。


先生

「ではお隣の採血室へどうぞ。」


扉を開けると、

白衣の看護師さんが立っていた。


一ノ瀬

「こんにちは。白石さん

看護師の一ノ瀬拓海(いちのせ たくみ)と申します。こちらへどうぞ。」


落ち着いた目。


「一ノ瀬 拓海」


名札。


知らないはずなのに、

少し年上に見える優しい声。

りなは無言で頷いて、後についた。


廊下の奥の採血室へ案内され、

椅子に腰を下ろす。


一ノ瀬

「ではお名前の確認をお願いします。」


「白石りなです。」


一ノ瀬

「白石りなさんですね。よろしくお願いします。」


目が合った瞬間、

りなの胸の奥で“何か”が跳ねた。


この時点では、

まだただの看護師。

まだただの担当者。


でも、

このあと起こる出来事を

りなは何ひとつ知らない。


静かな病院の空気の中で、

運命がひっそりと近づいていた。

そのとき、カルテを見た瞬間。


一ノ瀬

「……」


手が止まった。


りな

「えっ、どうかしました……?」


一ノ瀬

「このご住所……」


一拍おいて、

静かに、視線を上げる。


一ノ瀬

「タムマンション、502号室……でお間違いないですか?」


りな

「……え。はい。」


一ノ瀬

「……僕、501号室です。」


りな

「…………え?」


頭が真っ白になった。


数秒の沈黙。

鼓動だけがうるさい。


一ノ瀬

「驚かせてすみません。

僕も今、驚いていて……」


りな

「いや、こちらこそすいません。

こんなことあるんですね笑」


一ノ瀬

「こちらこそ住所見てしまってすいません。」


りな

「じゃあ……隣さん?」


一ノ瀬

「……隣さんです。帰り、気をつけてくださいね。」


その一言で、

りなの体温が一気に上がった。


震える手で部屋を出て、

椅子に座りなおした瞬間——


背後から小声。


颯馬

「……おかえり。

どうした?固まって何があった?」


りな

「なんでもない」


その日の青い空は、

予感じゃなかった。


運命は、隣にいた。


🌸ここまで読んでくださりありがとうございます!


この作品は、私が夢の中にでできた物語です。


💌 続きが見たいと思ってくれた方へ

「続き読みたい!」

「最後まで見てみたい!」

「更新希望!」


など、コメントやメッセージで

教えていただけると嬉しいです🩵


今後の公開ペースの参考にさせていただきます。


あなたの一言が、物語の続きになります。

お待ちしております🙇‍♀️

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