第3話 料理人のチャイナ娘助けたら惚れられた! いちっ!

学校に一日しか行ってないような気がするが、何故か今日は休みらしい。

 世界がなんでもありになってしまってからこういうことには慣れた。


「アタル、美味しいものを食べに行かないか?やはり栄養は体の資本だ!」

 すっかり我が家に馴染んだノエルがやけに張りきってる。

「いいですね。皆さんでお食事に行きましょう。アタルくん」

 テンコも乗り気だし、ワルコは何も言わずとも腹を空かせているようでお腹の音が鳴る。


「じゃあ、近所の食事処探してみます!」

 そう言って俺はスマホを開く。"美味いdeath軒"物騒な名前だがここにしよう。


ーー美味いdeath軒ーー


 店に入るとどうやら中華屋らしい。餃子にラーメンに春巻きに色々ある。全部美味そうで腹を刺激してくる。

「みんな何食べる?」

「そうだな私はこの"1600年生きた鴨のフォアグラのテリーヌ"にしよう」

 二万八千円。たけえよ!てか1600年生きたとか化け物だろ!

「じゃあ、あたしはパフェ」

「わたしはトーストで!」

 中華食えよ。


 そんなやりとりをしてた時だった。

 ガシャーン!

 派手な音とともに皿が床へと叩きつけられる。

「まずい。こんな料理、食えたものじゃありませんねえ」

 嫌味な男が料理を無碍に扱う。


「あなた、なにするカ!?」

 スリットの入ったチャイナ服を着た、華奢な美少女がショックを受けた表情で叫んだ。


「ふふ、失礼。わたしは新しくオープンした向こうの料理屋。"滅茶苦茶美味い亭"のオーナーです」

 男は続ける。

「一週間後、わたしの用意したシェフと料理勝負して勝つことができたら、謝罪して差し上げましょう。それだけでは納得できないというなら、わたしの力で可能な願いを叶えてあげますよ」

 説明くさいセリフとともに次回のヒキを作った男はそのまま出て行ってしまった。


「大丈夫ですか?」

 俺は慌てて美少女の元へ駆け寄る。

「大丈夫ヨ。でも、私一人じゃ自信ないヨ」

 震える声でそう言う彼女をみて俺は放っておけなかった。

「任せてください!俺月杉アタルっていいます。力を貸しますよ」


 その瞬間、美少女の顔がパッと輝く。

「ありがと。私メイメイって言うヨ。是非お願いするヨ」


 こうして俺は新たな騒動へと巻き込まれていく。

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