魔法のロボット からくり*ミラクル BOOT!

飛鳥つばさ

くり返さないために、私は目覚めた

「やーい、ガイジーン、ガイジーン!」

「きったねえ色! 髪もボサボサできったねえ!」

「おまえら気持ちわりーんだよ! 日本から出てけ!」


 ……声が聞こえます……。

 いつもの、通学路。時がうつろっても、変わらない景色。

 子供たちが、むらがって一人をいじめている……。


「ユルして……ヤメてくだサイ……」


 いじめられている子供は、肌の色も顔つきも、あきらかにこの国の子供とは違います。

 少しでも自分たちと違う相手は、こういうことをされる。

 ……それもまた、長い年月で数えきれないほどくり返されてきました。


 こんなことを、もう続けてはいけない。

 だから私は、再びここに戻ってきました。

 今、そのためにできることをします……。


 すぅ……っ。

「……なあ、今なんか変な光が通らなかった?」

 気がついた子供が、不気味そうにいじめ友達に聞きました。

 すぅ……っ、すぅ……っ。

「ほんとだ……」

「なんだよ、これ?」

 子供たちがみんな、気味悪そうに顔を見合わせました。

「……なあ、なんか暗くなってない? 夜まではまだ…」

「……そういや友達が言ってた。このお寺、『出る』って……」


 今です。

 こういうことは気が進まないけれど、きるかぎり怖そうな声を作って、子供たちに「呼びかけ」ました。


”……いけません……なりません……”


「女の人の、声……?」

「あ、あそこ……!」


 子供の一人が、私を指さしました。こちらを見た子供たちの顔が、一斉に青ざめます。


「でっ……ででででで……」

「「「「「出たあ!」」」」」


 うわーっ!

 子供たちがクモの子を散らすように、私から逃げ出していきました。

 残ったのは、いじめっれていた子供が一人。

 不思議そうに、私を見ています。


 とりあえず、これで大丈夫。

 私は子供に笑いかけると、ひとまず短い眠りに戻っていきました……。

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