薔薇になりたい彼岸花

小津あみの

第1話「華麗な薔薇」を目指したいのに「彼岸花」を咲かせてしまう

 人とはなんかズレている。おかしいなー、それは昔から思っていた。特に、挙動に顕著にに出てしまう。まるで所作を人間に寄せているロボットのよう。でも見ていて違和感がある。ロボットロボットしている方がまだましだ。


 ズレの歴史は、小学生の時にまで遡る。なぜか自分の実力とは関係のない、方位磁針の方向にまで及ぶ。私の実際の視線の先も同じだ。授業中注意を向けなければならない方向とは全く違うトンチンカンな方向を向いている。教卓の横の棚にある、派手な柄の段ボール箱に心を奪われてしまう。ただその派手さだけをじーーっと眺めていた。

 新学年に進級したときの自分の椅子の裏側には、亡霊のようなしみがくっきりと浮かび上がって噂になる。なんなんだ、この引き寄せは。


 フツーにしているのに、注目を浴びているようだ。相手はこちらに視線をくれる時に、宇宙人を見るかのように「不可解」とかいてある。

初めて会った子の第一声に、こんなことを言われた。

「あのね、あなたの事を色々聞いて、一体どんな人なんだろう、×2って思ってたのー!」


私の捉えている自分自身と、周りのそれとは大いにギャップがあるらしい。

私が演出したいのは、モノクロ映画の華麗な女優。表情に「粋」と書いてある、あの感じ。今主流の、ナチュラルを生かしている女優の感じは私には無理。

私の自然体。それは、「その所作、どこに落ちてたものを拾って来たんだよ」な次元のものになってしまう。


どうせ注目されるなら、カッコよくありたい。

「素敵」なおかつ「フツー」になりたい。でも、自己流で「すました女」を演じてもダメだ。

手本を見つけて、無意識に徹底的にまねることに徹しよう。ただ、いかんせん手本にする対象のものも、フツーとはズレている。それを網羅して薔薇になったつもりでも、体現してしまうのは、まるで彼岸花。存在感はあるが、見るものをぎょっとさせる。息を飲んでまじまじと見てしまう。


それを網羅して薔薇になったつもりでも、体現してしまうのは「彼岸花」。これまでどんな彼岸花っぷりを披露したのか、その中身をご紹介します。

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