06. ( ´•Д-`)y━・ …
他の連中は気付かない、気にしてないのか気付かないふりなのかわからないが、少なくとも俺は現実に対応しなければならない。
CBBでは毒ガスのスリップダメージで鼻の頭を刺激されるが、鼻の粘膜などに直接影響を与える事は無い、つまり嗅覚は存在しない筈である。
死体に関しても倒した直後から5分経過で消滅するが、ビアンカとのチャットから合流までに少なくとも10分以上が経過している。
ゲーム内に存在してはいけないリアルなコンテンツが多過ぎる。その中で"ログアウト不可"は、過剰なリアルに逆行して有ってはならないリアリティだ。
コレが意味する所はゲーム以上に非現実的な
しかし開き直って逆に楽しもうと小芝居打ったりしてたのに見慣れないものばかりで不安も募るばかりであったが、ここへ来てやっと見慣れた集団を見つけて正直ホッとしている。
CBBは最初こそ敵NPCも刀剣で斬りかかって来たが、元々はCBBの前身に当たるゲームからデータを抽出していたのもあり、かなり早い段階でNPCが銃で武装するようになった。
"ゲーム内治安維持の観点"からプレイヤーが持ち歩く事は出来ないが、射撃訓練場で実弾回避練習として様々な銃火器が実装されていた。
イェンの言っていたスプラッタ現場には、
男達は関節と頭を守る統一された防具を身に付け、一人だけブカブカのパーカーの上から身に付けている上にフルフェイスマスクで顔を隠している。
『なぁ、連中の持ってるやつってUZIだよな』
『ああ、でも形が似てるコピー品だな。一人だけやたらアタッチメント付いてるし』
「そこで止まれ! お前らこんな所で何をしている?」
男の一人が銃を構えてこちらに向き合う。それにより全員が顔を上げて俺達を認識した。
「俺達はこの辺りで狩りをしていたもんだぁ。仲間がここで囲まれたってんで様子を見に来たんだぁ〜」
「2人だけでか?」
「様子見なんで〜」
「………」
全員チラチラとカールの方を見ている。当然だろう、身長220cmの黒人だ。それが槍を持って無言で突っ立っているだけでも威圧感は十分だ。
二人とも上半身は裸で、ヨレたズボンにブーツだけ頑丈な物を履いている。コレが一番動き易い格好だからだ。
男達の厳しい眼差しに沈黙が続く、その沈黙を破ったのはパーカー男だった。
「……ではコレは君達がヤッた訳ではないというのかね?」
「ええ〜、そうなんですぅ〜」
「……この豚共の死体には弾痕が見当たらない、君達も銃を持っている様には見えない。それでもしらを切るか?」
「う〜ん、そう言われましても〜……」
「………オイ」
パーカーが篭った声で呟くと、両脇の男が2人掛で死体を投げ飛ばし、破砕された頭蓋とその中身が目の前に広がった。
そして他の12人がゆっくりと包囲を始めた。
「その傷は鈍器により一撃で破壊されている。君達の片手剣や槍では出来なくも無いが…非効率だ」
こちらが動かないからか、包囲する男達の歩幅が大きくなり、遠慮も無しにガチャガチャ操作している。
「君の言葉を信じるならば、囲まれたと言う君の仲間は逃走に際して随分暴れたらしい。その豚と同じく全員を一撃で斃しながら……それ程の戦力が逃げるとは余程の戦力差だったのか?」
包囲網が完成する。森の崖上や巨岩の上、川の中でも片膝立ちになって照準をこちらに合わせて準備万端だ。
「逃げたとして、そうするに足る戦力が後を追った筈だ、そしてそいつらは一人として戻らなかった。代わりにたった二人がやって来た。それも剣と槍? 同じ土俵だとしても、対処した以上の想定で行動するのが常識だ。そうでなければ捨て駒かイカレだ。挙句、我々の包囲網に動じずに笑っている始末」
実際には追手も何も無かったが、この状況を見て常識に当て嵌めて考えれば、警戒されて当然とも思える。
「だが……演技は糞ヘタクソだな。貴様らのただ事では無い気配で田舎者の狩人はあり得ない。帝国に雇われた傭兵か? 何にせよ、商売仲間の仇だ」
ポンッ!
グレネードランチャー!? 後ろに隠していたのか?
丸みを帯びた弾頭が放たれると同時に一斉射撃が始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます