執筆3

 お陰様であの時の数学の小テストの点数は驚くほど上場でした。思わず私にも勉強が出きるのだと錯覚してしまうほどに。クラスメイトに話しかけられたことは嘘偽りなくちゃんと鬱陶しかったですが、クラスメイトに成績向上の理由を、つまり先生についてを妬まれたことは少しですが誇らしくまでありました。少しですが。あとこれは完全にただの勘で、確証はゼロなんですけど、先生はもしかしたら私の成績を上げるだけでなくそれをきっかけに私と周りの人の繋がりを作ろうと考えていたんじゃないかと思っています。もしそうなら自分の罪悪感を減らすためにこの場を利用して謝罪しておこうと思います。まず、私は言うほど友好関係は狭いわけではありません。少なくとも表面上は。私は自分が多少周りとずれていることを理解していますから、自覚さえしていれば隠して生活できます。それと、ご存知の通り私は自分の評価が低くて、ひねくれもので、被害妄想が激しめなので、あの時、急に成績の良くなった私にみんなはカンニングを疑うのではないかと小さなことを杞憂していましたし、成績を上げるために私を利用するために急に話しかけてるんじゃないかって考えていました。今にして思えば彼女らはきっと純粋な気持ちで話しかけてくれてたんだと思えなくもないです。当時はみんなの顔が黒くて眩しく見えていた私にとって、テストの成績が私と周りを隔てる壁を砕く要因にはならなかったということです。そんなつもりが全くなかったならそれはそれでいいのですけど。

 あ、話は変わりますが、先日学校のテストで私はいい点数をとることができて、それで私は自分のご褒美に自腹でケーキを買いました。それで思い出したんですけど、やっぱりお祝い事とか記念のものとかを自分のお金でしたくなるっていうのは少し変わっているっぽいですね。だれに話しても必ず怪訝な顔されます。あの時は少し不服そうな顔をしましたが、今回は私が変わっているということで手を打ちましょう。あと、そういう記念日とかに食べたり飲んだりするものってよく「普段より美味しい」ってみんな感想こぼしてますけど、あれって本心なんですかね。少なくとも私は本心ではなかったです。先生は特別な日に食べる物はそういった意味で美味しいと感じますか?もしそうなら、いつかその理由も先生の言葉で説明してみてほしいです。私はきっと納得いかなくて、あるいは納得がいって、どちらにせよ私にはそんなことないんだろうなって感じると思います。

 そういえばもう一つ、ここでネタバラシをしておこうと思うのですが、コーヒーとか、そういった苦いものは正直好きじゃないです。ブラックコーヒーなんてちゃんと不味いとあの時思ってましたし、なんなら先生と違って大学生になった今も好きだとかは一切思いません。それでもたまに飲むのは、まだ私の脳裏に付きまとってはなれない苦い想い出を忘れるためなのか、はたまた忘れないためなのか。まるで他人事のようにわからないですが、要するにそんな下らない理由で今も私は好きでもないものを好き好んで飲んでるわけですね。バカらしいと笑いますか?先生ならそう笑ったあとで「でも好きな考え方だ」と肯定してくれるような気がしてしまってならないのです。それが私の甘さで、先生の甘さだったんだと思います。これでも一応何度か美味しく飲むための練習してるんですよ。例えば、私が学校を初めてサボった日…偶然先生と会ったあの日も私はブラックコーヒーを頼みました。ちなみに当然美味しくはなかったです。あの日は本当に驚きました。人生で初めて学校をサボった日に先生と会ったのは不幸だったのか幸運だったのかは決めかねますが、嬉しくはあったことは今さらに伝えておこうと思います。ちなみにあの日はすぐ先生と解散しましたが、結局私はすぐに帰ることはできなくて、適当に時間を潰してました。そんな小さなこといちいち後悔はしてないのですが、先生と時間を潰してたらどうだったのかとか、先生はあの後なにをしたのかとか、そういうことは想像したくなっちゃうのです。先生はあの後、一人でカフェによって、ブラックコーヒーを頼んだりしましたか?なんかあの日の先生は、無性にコーヒーを飲みたそうな顔をしてたような気がします。どうです?当たってたら来世でココアを奢ってくれるときに、ひとまわり大きいサイズにしといてください。私は甘党なので。そう、予想ついでにもう一ついいですか?こっちも根拠とか正統性とかは全くない、つまらない空想ではあるのですが。先生はあの日「学校が早下校だったから」とおっしゃっていましたけど、本当はサボったのではないですか?もしそうなら私の仲間ですね。あの世でハイタッチでもしましょう。あぁ、先生。また疑問が増えてしまいました。あの世って本当にあるのですか。あの世に行ったらこれも先生から教わらないとですね。先生がいなくなってから積もった疑問、全部ちゃんとメモしてるので先生は答える準備をしといてください。

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