ガチャ運ゼロの俺が異世界転生したら、確定演出が見えるようになった件 〜ハズレ枠の「召喚士」が、確率操作でSSR美少女たちを無限回収して最強ハーレムを築きます〜
第8話:熱して冷やせ! 科学的(ロジカル)なゴーレム解体ショー
第8話:熱して冷やせ! 科学的(ロジカル)なゴーレム解体ショー
黒い宝箱に手を伸ばそうとした、その瞬間だった。
ゴゴゴゴゴ……!
地響きと共に、うずたかく積まれていたガラクタの山が崩れ落ちる。 瓦礫が集まり、一つの巨大な人型を形成していく。 全身が錆びついた鉄と廃棄部品で構成された、高さ3メートルほどの鉄屑の巨人だ。
「排除……排除スル……」
無機質な音声と共に、巨人の目が赤く点灯した。 廃棄ダンジョンの番人(ガーディアン)、『スクラップ・ゴーレム』だ。
「ちっ、やはりタダでは通してくれないか!」 シルヴィアが即座に前に出る。 彼女は疾風のごとく踏み込み、巨人の足元へ斬撃を叩き込んだ。
「はぁっ!」
ガギィッ!!
不快な金属音が響き、シルヴィアの手元が大きく弾かれる。 ボロボロの鉄剣では、表面の装甲に浅い傷をつけるのが精一杯だ。
「か、硬い! なんだこいつのボディは!」 「解析完了だ、蛮族女」
後方で眼鏡を光らせたルナが叫ぶ。
「表面装甲は『ミスリル含有の強化合金』! 物理耐性はAランク相当だ。君のそのナマクラ刀では、百年叩いても折れんぞ!」 「なんだとぉ!? ならどうすればいい!」
ゴーレムが巨大な腕を振り下ろす。 ドォォォン! シルヴィアは間一髪で回避するが、衝撃波で吹き飛ばされ、壁に叩きつけられた。
「ぐぅ……ッ! マスター、指示をくれ! 避けるのは得意だが、ダメージが通らない!」
俺は冷静に『確率視』を展開していた。 ルナの言う通り、物理防御は鉄壁だ。だが、この世に壊れない物質など存在しない。
俺の視界に、ゴーレムの装甲の分子結合が表示される。 古びた金属。度重なる戦闘と経年劣化。 そこにあるのは「金属疲労」の兆候だ。
「ルナ。お前、火魔法と水魔法は使えるか?」 「基礎的なものなら使えるが……この硬度だぞ? ファイアボール程度では生ぬるいし、水鉄砲で錆びさせるには時間が足りない」 「同時だ」 「は?」
俺はゴーレムの胸部装甲の一点を指差した。
「最大火力の炎で加熱した直後に、極低温の氷を叩き込む。**『熱衝撃(サーマル・ショック)』**で装甲を割るぞ」
物質は熱すれば膨張し、冷やせば収縮する。 急激な温度変化を与えれば、内部応力に耐えきれず、どんなに硬い金属でも脆く砕ける。 それが科学(俺の世界)の常識だ。
「り、理論は分かるが……! 相反する属性の魔法を連続行使すれば、魔力干渉(ジャミング)が起きて暴発する確率が――」 「**87%**だな」
俺は即答し、ルナの肩に手を置いた。
「だが、俺がその確率を制御(コントロール)する。お前は何も考えず、俺の合図に合わせて魔法を放て」 「……ッ! 君は、無茶を言う!」
ルナは震える手で杖(というか魔導書)を構えた。 ゴーレムがこちらをターゲットに定め、突進してくる。 迫りくる鉄の塊。死の恐怖。
だが、俺には「成功ルート」が見えている。
「シルヴィア、奴の足止めだ! 3秒稼げ!」 「了解だッ!」
シルヴィアが特攻する。斬撃ではなく、自身の身体を囮にした攪乱機動。ゴーレムの視線がブレる。
「今だ、ルナ! 『紅蓮の炎(ファイア・ブラスト)』!」 「ええいっ! 燃え尽きろ!」
ルナの魔導書から、轟音と共に灼熱の火球が放たれる。 ゴーレムの胸部が赤熱し、オレンジ色に輝き始めた。
「続けて! 『絶対零度(アイス・コフィン)』!」
間髪入れずに、冷気の波動を放つ。 通常なら、熱と冷気がぶつかり合って相殺される場面だ。
俺は全神経を集中させ、魔力の流れに干渉する。 熱エネルギーの拡散を抑え、冷気の浸透率を最大化する。 「相殺」という確率をゴミ箱に捨て、「急冷」という結果だけを引き寄せる!
【確率変動:成功率100%(確定)】
ジュウゥゥゥゥッ!!
凄まじい水蒸気が爆発した。 赤熱していた装甲が一瞬で冷却され、悲鳴のような音が響き渡る。
ピキッ……パキキキキッ!
亀裂だ。 最強の硬度を誇るミスリル合金の表面に、蜘蛛の巣状のヒビが走る。
「シルヴィア! 胸の亀裂を狙え!」 「心得たぁぁぁッ!!」
水蒸気を突き破り、戦乙女が舞う。 彼女は跳躍の勢いを乗せ、脆くなった一点に剣を突き立てた。
ガシャアァァァンッ!!
まるでガラス細工のように、ゴーレムの装甲が砕け散る。 剣先はそのまま内部の動力核(コア)を貫通した。
「ガ、ガガ……排除、不、能……」
巨人は断末魔を残し、その場に崩れ落ちてただの瓦礫へと戻った。
静寂が戻るダンジョン。 残ったのは、荒い息をつく三人と、濛々と立ち込める湯気だけだ。
「……す、すごい」
ルナが眼鏡の曇りを拭きながら、へたり込んだ。
「魔法の定義が覆ったぞ……。相反する属性を、あんなに完璧に制御するなんて」 「俺とお前の『合わせ技』だ。誇っていいぞ、ルナ」 「ふ、ふん! 当然だ! 私の知識があってこそだ!」
顔を真っ赤にしてツンデレを発揮するルナ。 そして、瓦礫の山の上で勝利のポーズを決めているシルヴィア。
「見たかマスター! トドメは私だぞ! 私のおかげだ!」 「はいはい、みんなよくやった」
俺は二人の頭をポンポンと撫でる(シルヴィアは嬉しそうにし、ルナは「子供扱いするな」と怒ったが抵抗はしなかった)。
さて、お待ちかねの報酬タイムだ。 俺はガーディアンがいなくなった黒い宝箱を開けた。
中に入っていたのは、眩いばかりの光を放つ、握り拳大の純度100%の『青の魔石』。 そして――古びた一枚の『石板』だった。
【獲得:上級魔石(推定価値:金貨100枚)】 【獲得:???の石板(解析不能)】
「……勝ったな」 金貨100枚。 借金50枚を返しても、50枚のお釣りが来る。
俺は魔石を高々と掲げた。
「よし、凱旋だ! これで借金を返して、美味い飯を食うぞ!」 「肉! 肉が食べたいぞマスター!」 「私は新しい魔導書が欲しい!」
俺たちの初めてのダンジョン攻略は、科学と魔法と筋肉(?)の勝利で幕を閉じた。 ……だが、この時の俺はまだ知らなかった。 手に入れた『石板』が、世界の根幹に関わるヤバい代物だということを。
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