本編 ピンク色の肉棒な粘体は、白麗な骨格と旅をする

Ittoh

第01話 終焉は来たのか?

[newpage]第01話 終焉は来たのか?

 DMMO-RPG“YGGDRASIL”が、終焉を迎えた。

 過疎化が進んで、プレイヤも減少していって、サービスが終わった。

<00:00:00>

 そんな表示と共に、<00:00:01>は表示されず、溢れるような白い光が、白麗な骨格Over Lordピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Oozeを貫くように包んでいって、世界は暗転した。

「・・・」「・・・」

 二人して、沈黙が生まれていた。


 ヘルヘイムのどよんだ闇が消えて、漆黒の夜空が広がってはいるけど、夜空には明るい大きな蒼白い月が浮かび、満天の星空が広がっていた。星々が無数に輝いて、細かいキラキラした流れのように、帯状に星が広がっている。

(たしか、あれって、渦巻き銀河だから、見える天ノ川だっけ)

 第六階層の夜空を創り上げた、ブループラネットが、第六階層で力説してたな。


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 衝撃的な展開が生じると、人間と言うのは、意識が消し飛んでしまう。そんな、話を私ぶくぶく茶釜こと“風海久美子”は、ぼぉーっと思い出していた。

「え、あれ、コンソールがでない、な、なんで」

 ぽーっと、碧い光が煌めいて、

『サトル君、サトル君』

念話で呼びかけると、白麗な骨格Over Lordが、念話で応えてくれた。

「あ、クミコさん」

神級アカデミックローブに装備された、肩の紅玉から湧き出るように飛び出す、ピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Oozeな私ぶくぶく茶釜=クミコが応えた。

「コンソールがでないし、ログアウトできないです」

『そうね、チャットもできないし、念話はできるね・・・』

『え、はい、できます』

 ペアシートにインターフェースを繋いで、ログインした、白麗な骨格Over Lordモモンガこと鈴木悟。同じペアシートでインターフェースを繋いで、ログインした私ピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Oozeこと風海久美子。喉の病気で、声を失った声優“風海久美子”は、仕事を失って金が無くなり、アーコロジーを出ることになって、モモンガこと鈴木悟の部屋に転がり込んでいた。DMMO-RPG“YGGDRASIL”のサービス終了日で、二人でログインして、“YGGDRASIL”で花火見物のハズだった・・・

『どっきり、とかでも、無いわね』

『え、そんなこと・・・でも、明日4時起き』

『下りれる、サトル君、Nazarickが見えない・・・』

 最終日様に買い込んだ花火を、打ち上げる会場は、Nazarickの表層。ギルメン達が打ち上げてくれていた。ほとんど、白麗な骨格Over Lordへの狙撃になっていたのを、白麗な骨格Over Lordことサトル君が避けてただけだったけど・・・

『え、あ、意識すれば・・・動く・・・え、あれ、あぁ、こっち、いける・・・』

色々と感覚を試しながら、<飛行Fry>の魔法操作を確認していた。ゆっくり螺旋を描くように降下していく。私クミコは、ピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Oozeから、分体を落とすように飛ばして、地表を確認していく。分体は、風に舞うように、散っていって、様々な知覚情報を送ってくる。


 舞うように地上に降りると、そこにNazarickは無くて、手付かずの大地が広がっていた。大地には草が生えていて、荒地のようではあるけど、離れた場所には細い川も流れていて、流れるように風が舞っていた。ピンク色の触手を伸ばして、草を掴んで引くと、草が抜けて、根と土が絡まるようにくっついていて、にょろにょろした何かが、落っこちて蠢いていた。そのまま草と土を、ピンク色の肉棒な粘体に取り込んで、

『苦ッ・・・苦い??』

草を噛む?と、苦みが広がって、じゃりじゃりと、小さな石とか土が、混ざっていた。


 周囲を見渡すと、天空に夜空が広がって、綺麗だった。

『GMコール・・・ダメ、チャットもメールもダメだ・・・』

「どういうことだッ」

『サトル君、綺麗だよ、夜空』

『え、あっ・・・ほんとだ、ブループラネットさんが言ってた、第六階層の空みたいだ』

 モモンガ=サトルが、碧の発光とともに安定したみたいで、第六階層、ブループラネットが全力で企画して、AOGギルメンが協力した、西暦2138年リアル地球では、絶対に見ることができない星空が、漆黒の闇に広がっていた。


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 ただ、第六階層の空と、星の配置や月の様子も、今見える夜空は違っていた。時間が経過すれば、星の位置が動いて、方向から東西が異なること、軸が傾いているのも、確認できたけど、地球とは違う星の配置と、動きの傾きになっていた。

『確か、ブループラネットは、DMMO-RPG“YGGDRASIL”のサービス開始を、1900年1月1日にして、暦通りに動くシステムを、第六階層に組んでいたよね』

『え、そうなんですか?』

『うん。ブループラネットは、リアル時間経過と“YGGDRASIL”の時間経過が違うから、“YGGDRASIL”に合わせたって』

『流石だなぁ、クミコさん』

『え、忘れるの、苦手なだけよ』

 私ぶくぶく茶釜=クミコは、記憶の欠落が、基本的に無かった。完全記憶症候群Hyperthymesiaという病気らしく、忘れたくても忘れられない、時折感情が暴走してしまうくらい、厄介な能力だった。

 ぷち・・・分体との接続が切れた、分体が消滅した。

『サトル君、Nazarickは無事だって、分体がMP0で消滅した』

『分体・・・MPが供給されないと消滅する・・・やまいこさん』

 Nazarickに残ってたギルメンは、愚弟とかやまいこさんで、愚弟は新垢でわざわざ、以前のキャラ情報を使って、以前と同じ姿をデータで生成していた。やまいこさんは、全額課金して、以前のネフィリムなキャラで登場したので、妹のあけみと一緒に、第六階層の湖畔に新設した披露宴会場“Nazarick学園(仮)”の領域守護者に、あけみをサトル君が、AOGギルド長として任命して、ギルメンが莫迦やらかさないように、監視役をしてもらっていた。 やまいこさんには、ピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Oozeの分体を装備してもらって、やまいこさんからMP供給を受けていれば、分体は継続活動ができる。

『分体の場所は、わからないですか』

『そうね、知覚情報も入ってこない、居る居ないだけだから、かなり遠いわね』

 分体との距離で、伝送される情報量が変化するから、居る居ないの情報だけだと、かなり距離が開いていることになる。

『分体で、誰につけたんですか、クミコさん』

『やまいこ姉に、アルベドに、あ、アウラとマーレのお兄ぃちゃん』

『お兄ぃちゃんって、パンドラズ・アクターですか!?』

 第十階層で、集まってくれたギルメン達の人前婚形式で、「契り盃」として三々九度の盃事を行って、ピンク色の肉棒な粘体Pink Elder Ooze×白麗な骨格Over Lordの婚儀を行ったのである。

『うん。モモンガお兄ぃちゃん』

 念話の流れで、〇リ声な、ぶくぶく茶釜=クミコの声が、モモンガ=サトルの頭に響く。



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