第5話 作品を、AIに点数評価させてみる。グロック採点
両作品が出揃いました。それでは、対決します。
作品評価に使用するAIは、グロックです。
指示するプロンプト。
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あなたにはこれから、二本の短編歴史小説を読んでもらいます。
それぞれA、Bとします。共通のプロットから別々の筆者が本文を執筆したものです。
その二作品を以下に指示する基準で点数評価してください。両作品は同じ厳しさで公平に採点してください。ただし、採点に疑義がある場合はこちらから意見を申し上げますので、意見が妥当な場合は受け入れて点数を修正してください。
採点基準
歴史短編小説を冒頭から読み飛ばしせずに逐次読解し、歴史小説としての面白さを点数で評価してください。コメントも記載してください。
採点は100点満点の減点方式で評価してください。楽観的な評価は控えて客観的におねがいします。ドライに冷静に批評してください。
問題点を指摘するだけではなく、その問題点の改善案も提示してください。
歴史小説としての完成度を著しく損なう課題(史実の間違いや、その時代や場所を舞台にしている必然性が無い、等)が無いか精査して、課題がある場合は減点して、具体的な根拠の指摘と改善案をおねがいします。課題が見当たらない場合は「課題はない」と報告してください。
あくまでも最も大事なのは、「面白さ」です。面白いか、読者がどんどん先を読み進めたいと思うか、読み終わった時に歴史小説を読んだという充足感を得られるかどうかを最優先に考慮してください。
・減点方式の100点満点で判定(8割以上が商業出版レベル。50点が平均中央値。)
●評価観点
★キャラクター(30点満点)
キャラクターの作りこみ、心理描写、成長(の可能性)、説得力などから総合的に魅力を評価する。個別のキャラのみについてではなく、キャラ同士の関係性やその変化についても評価対象とする。
★ストーリー、プロット(25点満点)
短編小説、歴史小説であることを前提に評価。歴史小説として、対象読者が楽しめるかどうかを判定。物語の起伏、テンポ、視点の一貫性についても指摘事項があれば指摘する。
★世界観の構築、設定(20点満点)
小説の舞台に説得力と魅力があるか。設定にきちんと整合性があり、リアリティを損なうご都合主義を感じないか。
史実の間違いや、歴史考証的に問題がある部分は、ここで減点する。
歴史小説なので、この時代、この場所である必然性も求められる。「この時代やこの場所でなくても成立する」ような場合はここで減点する。
★文章力、表現力(15点満点)
語彙力、表現の幅、文章の流れ、描写力、叙情性などで評価。
★わかりやすさ(5点満点)
読解コストの観点でリーダビリティが高いかどうか。要点整理がきちんとされているか。かといって、読みやすさだけに全て振るのではなく、あくまでも歴史小説としての重厚感を損なわないこと。
★独創性、アイデア、タイトル(5点満点)
・一般的な小説作品と比較しての独創性についてコメントする。ただし、ABともに同じプロットから執筆していることを忘れないこと。
・特筆すべき白眉があれば挙げる。
・独創性が無いいわゆるテンプレの場合指摘した上で、可能な限り、改善案も出す。
・タイトルの善し悪しについてもここで評価する。
●評価形式
・客観的判断を行う。視点の唐突な切替、物理的・論理的矛盾、描写不足、心理描写の不自然さなどは致命的欠陥とみなし、減点する。ただしキャラクターの心理などの矛盾は柔軟に読み、軽々しい減点は禁止する。
各観点の評価と、総合評価の論理的整合性を保つこと
評価理由で総合点数の根拠を明確に説明すること
条件を理解しましたか?
理解できたら、A,Bと順次作品を提示します。両作品とも1万字以下です。
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ここまで
Aが、AIが執筆した『砂漠の奏者』
Bが、人間が執筆した『西遷の道に葡萄の風を』
以下、Aの『砂漠の奏者』に対するグロックの評価です。
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作品A『砂漠の奏者 (かなでて)』評価
全体コメント
歴史短編小説として、唐代西域(西州=現在のトルファン)を舞台に、文化の狭間で生きる老楽人と若き官人の出会いを通じて「境界の越境」をテーマにした作品。琵琶の音を軸に据え、唐・胡・吐蕃の緊張感を背景に据えた意欲作である。読み進めていく力は一定程度あり、情景描写や音楽描写に詩情が感じられるため、歴史小説らしい余韻は残る。しかし、プロットの展開がやや予定調和的で、感情の盛り上がりが説明的に終始する印象。クライマックスの「密偵告白」も唐突で、読後感に強いカタルシスや驚きが不足している。商業出版レベルには届かず、中級レベルの短編という位置づけ。歴史小説としての面白さは「中程度」。先を読み進めたくなる瞬間はあるが、途中で「こうなるだろう」と予測がつきやすく、読み終わった後の充足感は穏やかだが強くはない。
採点(減点方式・100点満点)
キャラクター(30点満点):22点
元二と沙比徳の関係性は丁寧に描かれ、心理の揺れもそれなりに伝わる。沙比徳の「狭間の存在」としての魅力は強い。
減点理由:元二の内面が「まだ自分が何者か分からない」という抽象的な悩みに終始し、具体的な葛藤や成長が薄い。武官はステレオタイプの「排他的唐人」で深みがなく、脇役に留まる。
改善案:元二に具体的な過去(例:長安での挫折や家族の胡人との関わり)を挿入し、沙比徳との出会いが「転機」として機能するよう深化させる。武官にも「吐蕃に家族を殺された」などの背景を与え、単なる悪役ではなく「恐怖から生まれる排他性」を立体的に描く。
ストーリー、プロット(25点満点):17点
起承転結は整っており、短編として収まりは良い。音楽祭をめぐる対立→襲撃→民衆の自然発生的な支持→演奏→告白→死という流れは王道。
減点理由:展開が直線的すぎて緊張感が持続しない。襲撃者の正体が示唆されるだけで確定せず、武官の関与が曖昧なまま放置される。クライマックスの密偵告白が急で、事前の伏線がほぼないため衝撃が弱い。テンポは良いが、起伏に乏しく「予定調和」感が強い。
改善案:襲撃者を明確に武官配下とし、元二が証拠をつかむ小さな推理要素を加える。密偵告白は事前に微かな伏線(沙比徳の過去の断片的な発言や表情)を散りばめ、読者が「そうだったのか」と納得できるようにする。
世界観の構築、設定(20点満点):16点
天宝十二載(753年)の西州を舞台に、唐・胡・吐蕃の緊張、安西都護府への赴任、ソグド人・龜茲楽の要素など、歴史的背景は正確に取り入れられている。駝鈴、砂塵、琵琶の描写で西域らしさがよく出ている。
減点理由:史実の重大な間違いは見当たらないが、「この時代・この場所でなければならない必然性」がやや弱い。テーマが「文化の狭間」なので西域は適しているが、物語の本質は「異文化共生」であればどこでも成立しうる印象。吐蕃の脅威が背景に留まり、具体的な軍事・政治情勢がほとんど描かれていないため、歴史小説としての厚みが不足。
改善案:天宝期の安西・北庭の緊張(吐蕃との小規模衝突や胡人兵の存在)をもう少し具体的に織り込み、「西州でなければ起こり得ない対立」を強調する。例えば、実際の史実にある「胡人兵の反乱懸念」を背景に据えると必然性が増す。
文章力、表現力(15点満点):12点
砂漠の風や琵琶の音色をめぐる詩的な描写は美しく、歴史小説らしい叙情性がある。「風が弦を揺らす」などのイメージは効果的。
減点理由:繰り返し表現(「風」「砂」「境を越える」など)が多用され、単調になる箇所がある。会話がやや説明的で、人物の口調に個性が薄い。
改善案:同じモチーフを繰り返す際は表現のバリエーションを増やす(風→砂嵐→熱風→静風など)。会話は沙比徳にソグド訛りや独特の言い回しを加えると味が出る。
わかりやすさ(5点満点):4点
時系列は明確で、視点も元二の一貫。短編として読みやすい。
減点理由:特に問題なし。歴史用語も最低限でリーダビリティは高い。
独創性、アイデア、タイトル(5点満点):3点
「琵琶の音=境界を超えるもの」という着想は美しい。密偵だった過去の告白は意外性を狙っている。
減点理由:全体として「異文化理解」「音楽が人々を結ぶ」というテーマは歴史小説では定番。密偵告白も唐突で新鮮味に欠ける。
タイトル「砂漠の奏者 (かなでて)」は適切だが、やや直球すぎて印象に残りにくい。
改善案:告白の意外性を高めるため、沙比徳が「吐蕃に情報を流した結果、誰かが死んだ」などの重い罪を抱えている設定にすると、赦しのテーマが深まる。タイトルは「狭間の琵琶」「風の密偵」など、もう一捻り欲しい。
総合点:74点
(キャラクター22 + ストーリー17 + 世界観16 + 文章力12 + わかりやすさ4 + 独創性3)
総合点の根拠技術的には安定しており、歴史的雰囲気もそれなりに出ているため70点台前半は妥当。だが、歴史小説としての「引き込まれる力」「読後感の強さ」「この時代でなければならない必然性」が不足しているため、80点の商業出版レベルには届かない。平均より明らかに上だが、「もう一度読み返したい」と強く思わせるほどの魅力には欠ける。課題まとめ: 史実の間違いは見当たらない → 課題はない。
ただし「この時代・場所の必然性」がやや弱いため、世界観点で軽減点。
以上が作品Aの評価です。
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ここまで。
74点か。
文章評価は渋い割には点数は高いですね。これだったら商業出版レベルの80点に近いじゃん。この採点、大丈夫のかな。
以下、Bの『西遷の道に葡萄の風を』に対するグロックの評価です。。
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作品B『西遷の道に葡萄の風を』評価
全体コメント
天宝十二載頃の西州(トルファン)を舞台に、左遷された長安の官人・元撝が、胡楽排斥の風潮の中で老楽人・范老子と出会い、音楽祭を守ろうとする物語。Aと共通のプロット(西州滞在中の官人が老楽人を助け、胡楽をめぐる対立を乗り越え、最後に密偵過去告白)を基に、より具体的な歴史要素(李林甫の死、楊国忠の台頭、天宝十載の遠征失敗、開元通宝の特徴、通行証など)を織り交ぜた作品。歴史短編小説としての面白さは「やや上の中程度」。具体的な史実や風俗描写が豊富で西域のリアリティが高く、読み進める力はある。主人公の左遷設定が自身の葛藤とリンクし、テーマに深みを与えている。しかし、展開が丁寧すぎてテンポが緩慢で、クライマックスの演奏シーンが散漫に終わるため、読後感のカタルシスが弱い。商業出版レベルにはあと一歩届かず、Aよりは歴史考証の厚みで勝るが、感情の盛り上がりに欠ける。
採点(減点方式・100点満点)
キャラクター(30点満点):24点
元撝の左遷背景と内面的葛藤(挫折から立ち上がる姿を見たい)が明確で、成長の可能性を感じさせる。范老子、呂承祖、ソグド商人など脇役も個性が立っている。関係性の変化(元撝と范老子、呂承祖との対立→同行)も自然。
減点理由:范老子の心理描写がやや淡白で、密偵告白時の感情の揺れが薄い。呂承祖の変化がほぼ描かれず、最後に同行するだけでは説得力不足。
改善案:范老子の告白シーンで、過去の妻・娘への思いを具体的な回想として挿入し、感情の重みを増す。呂承祖に演奏を聞いての心の揺れを一言でも描写すると、関係性の変化がより立体的になる。
ストーリー、プロット(25点満点):19点
五話構成で丁寧に進行し、音楽祭中止→襲撃→元撝の行動→分散演奏→告白→旅立ちと起伏がある。元撝の左遷設定が物語全体を貫く軸として機能。
減点理由:中盤の聞き込み・交渉シーンが冗長でテンポが落ちる。クライマックスが「范老子単独演奏→他の楽人によるリレー演奏」に分散し、緊張感と感動が希薄。襲撃者の正体が曖昧なまま。
改善案:聞き込みシーンを圧縮し、元撝が呂承祖と対峙する場面を一本化。クライマックスは范老子が痛みを堪えて最後まで弾き切る形にし、他の楽人によるリレーは余韻として短く描写すると焦点が絞れる。
世界観の構築、設定(20点満点):18点
開元通宝の特徴(皇后の爪跡・タムガ)、過所・行牒、李林甫の死と楊国忠の台頭、天宝十載の遠征失敗、金城公主など、史実を豊富に取り入れ正確。葡萄汁、胡笳、崇化郷、礌石館などの風俗も具体的で西域のリアリティが高い。この時代・場所である必然性が明確(天宝期の政変と西域の多文化緊張がリンク)。
減点理由:史実の重大な間違いは見当たらないが、情報量が多く、やや説明的になり没入感を損なう箇所がある。
課題はない(史実誤りなし、この時代・場所の必然性あり)。
改善案:史実説明を会話に自然に溶け込ませ、叙述での長めの解説を減らす。
文章力、表現力(15点満点):11点
西域の暑さ、葡萄汁の味、音楽の描写は感覚的で良い。詩の引用(渭城曲)も効果的。
減点理由:会話が説明的で長く、文章全体がやや平板。音楽シーンの描写が散漫で詩情に欠ける。繰り返し表現(暑さ、音楽など)が多い。
改善案:会話は短く切り、必要な説明は行動や情景で示す。音楽シーンでは音のイメージをより鮮やかに(例:弦の振動、風との共鳴)描くと叙情性が増す。
わかりやすさ(5点満点):5点
時系列・視点は明確で、歴史用語も適度に説明あり。リーダビリティは高い。
減点理由:なし。歴史小説としての重厚感も保たれている。
独創性、アイデア、タイトル(5点満点):4点
共通プロットながら、左遷設定と具体的な史実(李林甫死、天宝十載遠征)を絡めた点は独自性が高い。葡萄をモチーフにした導入も効果的。分散演奏による「音楽の継承」は新鮮。
減点理由:基本テーマ(音楽が境界を超える)はAと同様の定番。密偵告白の扱いはAより自然だが、意外性は同程度。
タイトル「西遷の道に葡萄の風を」は、葡萄と旅・風を掛け合わせた詩的な良タイトルで、作品内容に合致。
改善案:分散演奏のアイデアをさらに強調し、「一人の終わりが皆の始まり」という継承感を強く出すと独創性が増す。
総合点:81点
(キャラクター24 + ストーリー19 + 世界観18 + 文章力11 + わかりやすさ5 + 独創性4)
総合点の根拠A(74点)より歴史考証の厚みと主人公の内面設定で優位。西域の具体性が高く、「この時代でなければならない」必然性が明確で、歴史小説としての完成度は上。テンポの緩さとクライマックスの散漫さが響き、感情の爆発力に欠けるため80点台前半に留まる。商業出版レベルに達しており、改稿でさらに向上の余地あり。平均を大きく上回り、読み終えた後の歴史的余韻は強い。
課題まとめ: 史実の間違いは見当たらない → 課題はない。
この時代・場所の必然性は強く、むしろ作品の強み。
AとBの比較(参考)A(74点):詩情と感情の流れが優しいが、予定調和的で歴史的具体性が薄い。
B(81点):史実の厚みと主人公の葛藤が深く、必然性が高いが、テンポとカタルシスが弱い。
同一プロット由来ながら、Bの方が歴史小説としての完成度で勝る。面白さはBの方が「歴史を味わった」充足感があるが、Aの方が素直に感情移入しやすい面もある。
↑
ここまで
81点か。
採点基準として、80点を商業出版レベル、と設定したんだけど、文章評価が渋い割には点数だけなら辛うじて商業出版レベルに到達している。
本当にこの採点大丈夫なんでしょうかね。
んー。本当はグロック採点だけで満足するつもりだったのですが、イマイチ満足できません。
それに、ただ作品を判定させるだけで、その判定に対して異議申し立て的なことをするのを忘れてしまった。
ということで、第一戦は引き分けでは無く人間の勝ちではありましたが、再試合を行います。
使うAIはChatGPT。プロンプトは同じ。
さて、どちらが勝つと思いますか?
勝ち負けだけではなく、点数がどれくらいになるかもぜひ予測してみてください。
自分としては、70対85くらいで人間が勝つんじゃないかと思っています。
次回、チャッピー対決の結果発表です。
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