第6話 天音結依との邂逅、真実が今明らかに??
あの「あまね」さんが、
俺は喫茶店の近くにあった街路樹の下から、店の前にある待合のベンチに座る天音結依の方を見る。
「まっ、マジで言ってんのか?」
俺は困惑しすぎて、彼女と会う前から変な汗をかいてしまう。
そりゃ、無理もないだろ。
天音結依といったら俺の大学のミスコン1位、つまり山ほどいるこの東南大学の女子の中でトップと認められた存在だ。
掲示板には優勝記念のポスターが何個も貼ってあるし、ほどの人気者。
そんな天音結依がマッチングアプリで友達探しをしていたという事実と、俺みたいなぼっちとマッチングしてしまったという事実が今、明らかになったわけで。
あと、天音結依がライトノベルオタクという事実も。
「え……てか俺、どうすればいいんだ?」
街路樹の木陰で慌てふためく俺。
部外者から見れば普通にただの不審者なのは間違いない。
お、落ち着くんだ、俺。
いくらマッチングアプリとはいえ、俺たちが繋がった理由は『友達』になるため。
別に天音結依と恋人になるために会うわけじゃないんだから、あくまでもラノベ友達として堂々としていればいいはずだ。
「よし!!」
「うわっ、びっくりしたー」
「え?」
俺が一人で気合いを入れていたら、いつの間にか俺の目の前には、ベージュのコートを羽織った、白いセーターと淡いピンクのフレアスカートの女性が……って!!
「うおおおっ!」
俺は後方にある木の方へ後退りしてしまい、後頭部をドカッとぶつける。
「だ、大丈夫ですか? えと、驚かせてごめんなさい!」
「あ、いや、大丈夫、です」
俺は後頭部を撫でながら言う。
いつの間にかベンチからこっちに移動してきていた天音結依。
気づいたら至近距離に天音結依がいたらこうなるだろ、誰でも。
しかし……こうやって間近で見ると、より一層スタイルが良く見えるというか。
ポスターの写真と比べてやけに胸がデカいな、あと顔もめちゃくちゃ可愛いし、香水がめっちゃいい匂いなんだが!?
キモオタがアイドルの握手会に行った時くらいの語彙しか出ない。
「あの間違ってたらごめんなさいなんですけど、嘉山さんですか?」
「はっ、はい。嘉山、です」
「良かったぁ。もしも嘉山さんじゃなくて赤の他人だったら、急に声をかけて後頭部ゴツンさせた罪で捕まっちゃうかと思って」
「いやまあ、その場合はさすがに情状酌量の余地があるかと」
「おお〜、ナイスツッコミ」
何がナイスツッコミなんだ……?
やけに距離感の近い会話に、やはりこの人は陽キャであり天音結依本人であることを実感させる。
「てかそんなことより、初めまして嘉山さん? あまねです。今日はよろしくお願いしますっ」
「か、嘉山です……今日はお誘いいただきありがとうございます」
「いえいえー、それじゃさっそく喫茶店入ってお話ししません? ここの喫茶店、コーヒーランチセットのサンドイッチが美味しいんですよ?」
ヤバい、天音結依ってことを知らない感じで会話が始まってしまった。
同じ東南大なんだし、あれだけポスターあったら知らないわけないのに……!!
「えっと、あまねさんはここの喫茶店によく来るんですか?」
「そうですね。実はわたしの大学すぐそこの東南大学なので、お昼はなんとなく学食よりもここに来ちゃうんです」
「へ、へえ……」
そりゃそうだよな……学食とかに天音結依がいたら、みんなザワザワするだろうし、本人からしたら居心地悪そうだもんなぁ。
やっぱこれ、俺が天音結依だって気づいてることを言った方がいいのか?
それとも知らないフリをして……。
「そだ! すっかり聞き忘れてたんですけど、嘉山さんってどこの大学に通われてるんですか?」
「えっ……えとー」
ど、どうすれば……いいんだ!?
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