燭台の陽、硬貨の月

羊歯山是緒

魔導総合学基礎用語集

魔導師総合学会 中央書庫蔵

『魔導基礎理論』

『地域環境観測適応教本』

『教本用基礎用語集』より抜粋


【祈りのことば

「陽よ、天照らす光と雲の隙間より我等を見下ろし給え。

月よ、我等は生まれながらに隷属する者。

けれど散りゆく魂が星に還ることを許し給え」


この世界では海の底は宇宙へ繋がっているという思想があり、すべては海から生まれた命であり、すべては土になり、その土はやがて海の底の砂になり、やがて星に還るという死後の観念がある。


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摩訶顕現まかけんげん

魔法も魔術も、各個の魔力を用いて魔力を可視化、実体化させるという点では同じである。

魔法使まほうつかいと魔術師とで技術や方法など細かい点が異なる。

(魔法=文学的、平面造形に該当する適正と想像。

魔術=理学的、立体造形に該当する適正と想像。)

魔法・魔術全般の正式名称は摩訶顕現である。


歴史が古いのは魔術師、比べて魔法使の発展は近代になる。

その後、魔法と魔術どちらの摩訶顕現法も併用した魔導師が加わり、魔導師を中心として許可証制度など新しい規則や魔法・魔術どちらの基礎も兼ね備える教育体制などがつくられた。


魔訶顕現(魔法や魔術を使うこと)はすべて魔導師が定めた規則に則っているため、摩訶顕現に纏わる用語には「魔導〜」という言葉が使われるが、魔法使または魔術師を含む許可証必須の職業等の総称には「士諸君」という言葉が使われる。


魔導師が中心的立ち位置ではあるが、魔法使や魔術師がそれに劣っているということではない。

魔導師総合学会を中心にして、地域保安活動科・総合警備科・法律規則科・開発技術総合科など幅広く分野が分かれており、法律家・教員・警察に当たる者が魔導師の資格から派生する職業になるのは、魔導師の顕現法が魔法と魔術の介入を可能にした顕現法としてつくられたからである。


【透過魔法、透過魔術】

市民、学生など、許可証を所有しない者達が扱える魔術・魔法は精神・肉体ともに攻撃性は勿論、影響を及ぼさないものと定められており、元素魔法の多くは最初の魔法芸能者であるエリック・カートラントの開発である。

エリック・カートラントは雷の加護を受けた元魔導師で、「戦力として用いる以外のすべての魔訶顕現は生命に危険を及ぼすものではあってはならない」として、触れても影響のない魔訶顕現を研究し、自らのショーでそれを世界に広めた。

彼の弟子が魔法、魔術にその構築式を当て嵌めて作られ、以降は一般仕様の「透過魔法、透過魔術」と呼ばれ、特殊技能専攻以外の学校の授業にはすべてこれが用いられている。


【許可証】

特殊技能を有する職業には許可証取得、魔導師総合学会の地域分室への登録が必要である。

許可証は透過魔法・魔術以外の摩訶顕現を扱う、摩訶物質を扱う、制限付きでない魔導媒体を扱うなどの職業や研究にあたり、試験に合格し、魔導師総合学会への誓約書を書くことで与えられる。


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【職業】

☪狩人/環境研究員

魔法使派生と魔術師派生がいる。

魔獣や魔物、突然変異自然物に関する依頼を請け負う。討伐、捕獲、解体、採取、研究等。

各地域に狩人協会が配置されており、狩人協会には魔物災害対策本部がある。

許可証発行までに覚えることも多く、優秀でも学生の飛級は許可されない。

狩人の道具や武器は専門の職人が扱う分野であり、専門の学校で学ぶことになり、その内容は秘匿されている。

チームは狩人と研究者、各地協会に内勤する道具専門のサポーターで構成される。

若者達の憧れの職業であり志望者も多いが死亡率の高い危険な職業でもある。

狩人他、職人や販売店など、狩人支部で働く者は協会会員になる必要がある。会員証がなければ、支部の前に設置された支部の中には入れない。

(狩人の魔導媒介は武器が殆ど。魔導武器と呼ばれるが狩り以外での使用は禁止であるため、通常はセカンダリとして一般仕様のものを扱う。)

履修科目✯自然環境研究科


☪魔法使/魔法芸能者

魔導構築法式を扱う職業。

魔法の製造、翻訳魔法技術の開発。魔導媒体の開発、研究。

技術面での魔法訓練が多く、魔法関連の開発や古い魔法の再構築について研究、出力演算(発動初期状態で出力を測ること)の試験が多い。

魔術師科目に比べて研究内容は近代的。魔法芸能者は所謂ショーマンであり、エリック・カートラントが発明した安全な透過魔法、透過魔術の開発を進めショーで披露している。

(魔法使の媒介は杖、次に書物が多い。

学生時期は制約が多いため、発動制限付の媒介を使用。使い魔も制限がつく。卒業後、許可書を持てば固有の顕現式や魔導適性に合わせ各自調整を行う。 芸能者などは装飾型にすることもある)

履修科目✯魔法技術科


☪魔導師/占星術師

摩訶顕現総合学を学び魔導儀式を扱う。

一般的には介入式と呼ばれることが多い。

魔導儀式は構築式と分解式の二種類。

魔術と魔法どちらも扱える必要があり、魔導儀式はどちらにも介入できる特殊な摩訶顕現である。

構築式は魔法、魔術と同じ顕現であるがどちらの式も混ざった構成である。分解式は発動した魔法や魔術を強制的に解除する。いずれも複雑な工程を簡略化し、即座に発動できるように研究されているが高度な技術が必要。

儀式と呼ばれるのは、最初期の魔導師は儀式によって古代魔術の再構築、解除を繰り返す中で介入する顕現方法を開発したことに由来する。

大気、自然物等の魔力分子の研究。魔法階級の設定、許可書発行試験内容の決定、占星術を基礎とする多種の占い学など。

許可証が必要な全ての職業に関わる。警察としての役割も担う。

規則、法律の勉強は技術科よりも多く、それらの制定も行う。使い魔の育成家になる生徒もいる。

魔導師総合学会が魔導師の最高峰であり、総合学会から派生して総合警備科、法律規定科、地域保安活動科、その分室が各地域に設置されている。

魔導師専攻の卒業資格を持つ場合は、分室派遣業務員として働くことが可能。

(魔導師の媒介は書物、宝具の素材となる魔導鉱石または使い魔の組合せが多い。これは媒介の破損を防ぐためであり、使用者にとって適性の低い属性魔法を高威力で発動するための補助効果でもある。占星術師の媒介は魔導鉱石類などの据置型も多い)

履修科目✯総合魔導学科


☪錬成術師/創造技士

魔力分子及び摩訶物質(魔力分子が多く含まれ変質しているもの)の研究。素材の摘出や分解、魔導媒介の錬成。

機械と魔力分子の構成術式による創造工学。

魔導師派生も魔法使派生もいるが錬成術師の多くは魔術派生、創造技士の多くは魔法派生である。

これには諸説あるが簡単に言えば適正。

(関わる仕事は多いため媒体は様々。魔力分子の多い物質を使って機械や道具に法式を取り込み制作したものを使う場合が殆どで、どちらも使い魔の所有率は低い。少数だが宝具造成師になる者もいる。

錬金術師という呼称は最古にして至高である“黄金の錬金術師”のみを指す)

履修科目✯錬金術科


☪魔術師/環境観測士

魔導術式を扱う職業。

最も古い魔法である雨乞いを基礎に天候魔法を研究し、自然災害対策や安全な生活区域の設定。

古代の封印魔術の維持、技術の伝授。

狩人という職ができるまでは魔獣や魔物、古代生物は古代魔術で封印していた。古代魔術の一部は特殊技術に当たり、特殊な道具も取り扱うため、瘴気耐性を持つ必要があるとされている。

環境観測士は封印のある地域、特殊条件区域の経過観察や居住可能条件を確認、査定、報告などをする。

(魔術は古いものほど基本的に複数人で高威力のものを長時間かけて完遂させる仕事が多いため、複数人で詠唱するための魔導書に加え各自の媒介を持つ。使い魔の所有率は魔導師同様に高い)

履修科目✯古代魔術専攻科


☪呪術師/封印術師

まじないし、またはじゅじゅつし。

呪いを引き継いで生まれた者(呪詛家系)が多い。

封印専門の術師も存在するが極少数。

怪異・異形の討伐・封印・調査。

呪詛由来の継承魔術を重視する。

怪異は成長性や変様性があり、古代魔術による封印を解いたものが現れ始めたことをきっかけに、いつの間にか呪われた者達の専門職になった。

一目で呪われていることが分かってしまう者もいるため、死亡率も高いが報酬も秘匿率も高いこの仕事は需要が高い。

特殊な道具も取り扱うため高い瘴気耐性汚染耐性を持つ必要がある。

(呪術媒体は破損必須であることから怪異や異形を封印したものを多く扱い、交換しながら使う。使用者の負荷が一定以上になった場合、 媒体を一時的に封印し浄化の儀式などを行う。狩人よりも死亡率が高い。

強力な怪異と長時間接触してしまった者、怪異や異形に魅入られてしまった者なども多い)

呪術師に学ぶ以外に呪術師として仕事を得ることはほぼ不可能である。


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【混合魔族とその性質遺伝による種族分類】

混合魔族とは、魔力因子を持って生まれ、魔力を持つ人型の生命を指す。

人間にんげん

(動物性または植物性の魔力や身体機能、変形機能を持たない。非常に器用で選べる職も幅広い。恩恵を受けた人間は 髪や目や肌の色や形状が遺伝から大きく異なる場合がある)

人魚にんぎょ

(半人半魚、足が鰭、鰓など魚類、海洋生物の機能を持つ。まとめて人魚)

獣人じゅうじん

(半人半獣、耳や尻尾や爪が獣。草食や肉食の獣の機能を持つ。)

鳥人ちょうじん

(半人半鳥、翼や鉤爪や嘴など鳥類の機能を持つ)

爬虫人はちゅうじん

(半人半爬虫類または半両生類、爬虫類や両生類の機能を持つ。まとめて爬虫人)

人虫じんちゅう

(半人半虫。翅や触角を持つ者や、2本以上の腕を持つ者も多い。虫の機能を持つ)

人木じんぼく

(半人半植物。肌や毛に花や葉が同化していることが多く、性別が変化する者もいる。植物の機能を持つ)


人間以外の混合魔族(動植物の性質を受け継いだ種族)は外見の個人差が大きく、属性種族置数の高い一部の混合魔族の中には稀に体を変形させる能力がある。


大昔の生贄魔術や大規模な魔術の対価や材料にされた人虫は差別、迫害された過去も相俟って、積年の怨念が子孫に受け継がれてしまった。

神からの恩恵があって寿命は伸びたが、それでも50が精々である。

かつて多くの儀式の犠牲にはなったものの、生贄としてではなく浄化などの意味で使われた種族の人木は、現在では神職が多い。

だが人木の多くも他の種族と説教的に関わろうとはしない。

獣人・人魚の生贄も勿論存在していたし呪詛を継いだ者は沢山いる。


【居住区域外の混合魔族】

✪鬼人

(身体機能が向上した元人間種。遺伝に伴い角などを持つ。魔人と異なり種別または血族由来の特殊能力は無い。身体機能が高い代わりに、魔力が少ない者も多い)

✪小人

(こどもあるいはそれ以下の体長の小型の人科。森、地下に住む。集落から離れないことが多いが、仲良くなれば仕事は快く受け入れてくれる)

✪巨人

(塔あるいはそれ以上の体長の大型の人科。山、孤島に住む。頑なに集落から離れない。巨人の骸からは実り豊かな森ができる)

✪魔人

(半人半魔。数は限りなく少ない。吸血鬼、夢魔、幽鬼、竜人など。あまり理屈は通じない。非常に気まぐれで扱いに困る)

✪化人

(人と他の生き物どちらにもなれる変性遺伝子を持つ生き物。ひとりの人間、一匹のいきものという姿を使い分けて隠れて過ごす)

✪亜人

(宝具以外の外部の影響により変化した者。一角獣の魔女、黄金の錬金術師)


【魔力を持つ生物】

人と同程度の知能を持ち人語を介する。

獣、魚類、哺乳類など様々だが、呪術師・狩人・環境観測士など特殊な職業の者しか遭遇する可能性すらない。

これらは魔力値が他より上昇している人魚または獣人へ進化する過程の個体であり、遠からずその子孫が混合魔族に変わるだろうと推測される。

人木、人虫にはこの中間過程が無いため差別の対象になったという。これの例外としての古い報告書があるが禁書であるため詳細は記載できない。


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【基礎値】


✺基礎体力置数

(魔力値を引いた体力、筋力の測定値)

✺摩訶属性種族置数

(獣人、人魚、爬虫人、人虫など混合する種族に付属する魔力値。値が高いほど種族特有の能力も高い。遺伝によって人間にも僅かに混ざることがある)

✺対抗

(摩訶顕現式使用時の基礎攻撃値)

✺抵抗

(摩訶顕現式に対する基礎防御値)

✺魔導適性

(属性付与または毒や睡眠など状態付与の適性、各属性等の相性などを総合的に判断する)


【耐性】

✺瘴気耐性====状態への耐性

(怪異、異形の影響で起こる異常状態、混乱、麻痺、被毒、行動不能への耐性)

✺精神汚染耐性====発症への耐性

(瘴気に触れ、体内に入ってしまった後に起こる精神異常状態への耐性。洗脳、思考停止、発狂、殺戮衝動など。状態異常とは異なり治らない可能性有)


【基本用語】

✒魔訶

(すべての魔力の源。すべての物質、生き物に含まれている。摩訶だけではなんの効果も持たないが摩訶が存在しなければ魔法は存在し得ないしこの世界の生き物も存在し得ない。おそらくは)

✒摩訶顕現

(魔法・魔術・魔導儀式こと介入式いずれの場合でも、魔力を用いてエネルギーを変換または具現化すること)

✒魔力分子

(小さな魔力の塊。物質、植物すべてに含まれる)

✒魔力因子

(小さな魔力の塊。主に混合魔族他、魔力持つ生命体すべてが持つ魔力を含んだ細胞。)

✒摩訶物質

(魔力を多分に含んだ物質。鉱石や魔物・魔獣から採れる素材など)

✒魔導〜〜

(摩訶顕現全般に付属する言葉)


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【使い魔】

一般飼育許可のおりている犬猫や鳥類は、愛玩動物から使い魔になることが多く、魔導適性を持つ個体は使い魔用に販売される。

烏・鷲・猿は魔導師の使い魔に多い。

蜥蜴・狼・猿は魔術師の使い魔に多い。

蛙・蛇は錬成術師の使い魔(もとい補助)蛇は適性を持つ個体が多く相性に合わせ選びやすいため非常に人気の動物。

魔術師・呪術師・狩人が大型動物を選ぶのは大規模な魔法陣や高火力魔法などにより負荷が大きく、使い魔を戦力に加えるためであるとされる。


【魔導媒体】

✦杖

(極めて一般的。扱いやすく軽く、学生用やこども用の機能制限付版もあるので、学校で支給されるのは杖。小型で箸くらい、中型で指揮棒から物差し、大型で120cm程度。大きくて貴重な素材である方が高価)


✦装飾型

(耳飾りや指輪などが人気だが非常に小型なので、複数併用しなければ魔導媒体としての効果が著しく低下し、術式・法式の顕現率が下がる。

邪魔にならず服装の一部にできるため人気が高い)


✦据置型

(水晶・鉱石の結晶・鏡など。手で持つか置くか、追従浮遊させる。呪術師が人形型を使う場合もある。

人形型はこどもにも人気)


✦装着型

(呪術師が面や古い装甲を使う場合がある。

市販品では見かけない。

呪われた道具や封印に使われたものを調整する場合が多い。勿論人の目に触れる場所では使用しない)


✦自立型

(創造技士が機械に術式・法式を組み込んで会話機能や成長機能を与えたもの。個人注文で各自の魔力や適正に合わせて買う方が良いとされている。)


✦武器、防具型

主に狩人が扱う。

摩訶物質や魔獣素材からつくられる。

刃物や銃、鈍器など様々。

武器は使わずセカンダリや消耗品の道具だけを持ち、変形能力や魔力だけで狩る猛者もいる。

使用者が属性や効果を付与して使用する。

許可書無しは勿論 狩人でなければ入手、使用厳禁。

狩人支部や狩場(居住区域以外の場所、魔物や魔獣の生息地)以外で所持することは禁止されている。


★略式媒体

魔導媒体は術式・法式・介入式を反映させて摩訶顕現させるものであるのに対して、こちらは既に顕現のための式が組み込まれており、一定の条件を満たすことで特定の魔法や魔術が発動するもの。

(同じ形状のものであっても、普通の鍵と略式媒体で解錠した場合とでは別の空間に繋がるよう設定されているなど。)


【特殊な魔導媒体】

◎呪術媒体

呪術媒体は、異形や怪異の核が変質したもので、討伐した後に残った物質または封印に使ったもの、どちらのことも指す言葉であり、魔導媒体が破損必須である呪術師の必需品。

強力だが取り扱いには注意が必要で、相性が悪ければ四六時中持ち歩くと発狂したり精神汚染が進んだり人格が変わったり、記憶が抜かれたり変わったりしてしまうので、悪影響が確認されれば即座にそれを手放し、別の呪術師が手放した媒体に交換することになる。産神を祀り、治癒や浄化をすることが効果的。


◎魔導武器

魔導武器は狩人が扱う魔導媒介であり武器そのもので、魔物や魔獣の骨、摩訶鉱石など使われており非常に頑丈な作りとなっている。変形機能が備わった武器は非常に高価で熟練の武器職人だけがつくることができるという。


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【道具】

✧箒

(古くからある一般的な飛行手段。

ショーで見る分には良いが自分では使いたくないという、若者の箒離れが増えている。

だが慣れれば非常にいい乗り物で、使い込めば魔力が馴染んで口笛を吹けば飛んでくるという例もある)


✧靴型

(とある狩人が創造技士に依頼したブーツが注目を浴びて、靴底に貼る種類なども普及した。荷物にならないこともあり非常に人気。靴型は水中用、速度の調整可能な陸用も開発されている)


✧人工雲

(こどもからお年寄りまで安心安全。

着色なども可能。操作が非常に簡単)


✧自動書記録

(自動で動くペンと手帳または無記入の本。

錬成術の素材を用いた羽根ペンと羊皮紙、または杖の材料になる木材から作られる手帳類とペンの組み合わせが一般的。

自動で動くペンは勿論便利だが、自動書記録の本屋や手帳に摩訶顕現式を記入することで、その紙や本のページが媒体となって術式や法式を発動させることが可能。

一枚につき一種の顕現式しか書くことはできない。許可書を持たない使用者の顕現式入力は三種類に限られるなど制約もあり、自動防御・自動書記・記録魔法が日常に役立つので好まれている。)


✧拡張収納鞄

(一見普通の鞄類。拡張魔法を内部に仕込み、容量を何倍にも増やすことができる。重量は一定量以上増えることはなく、幅広い種類の鞄類が発売されている)


✧羽根シール

(浮遊・重量変更・追従機能が付与できる、シール型の略式媒体。医療現場でも患者の移動などに使われるなど幅広く取り扱われる。)


✧ジーニアスの手袋

(操作魔法をお手軽に使える。料理も事務作業も想像通りの速度でこなすことができる。

自立操作付与であれば、手に嵌めることなく手袋自体が自立、動作が可能。教師・料理人・手作業専門の職人も喜ぶお助け道具だが、この手袋が一番味方をするのは主婦である。)


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❂魔獣、魔物

(種別の生態系を持つ。野生動物に近いもの、それらが巨大化したものもいる。獣、龍、爬虫類、両生類の摩訶進化種。言語は解読されていない。

使い魔になった例もあるがほぼ不可能。

合成的、突然変異の形態も多い。魔獣の一例として巨大山猫、馬車馬、一角獣。

魔物の突然変異体の例は 喋る魔導書、牙を持つ食人植物など。)


❂怪異

(見る人によって姿形が異なる場合が多い。

怪異は元の存在から変様している。

精神汚染を及ぼすものもいる。

怪異と呼んでいるものの、元々は発狂状態から変質した魔法使いなどが、後に存在自体を変える結果になり、“異質な怪物”の報告からまとめて怪異と呼ばれるようになった。

報告書などでは異質な■■、または変質した■■と記載する。封印、浄化、物理、呪いが有効。)


❂異形

(形容し難いなにか。言語は通じない。

魔物は生き物や植物の混合生物であり、形、属性を明確にできるのに対し、異形は構成すら不確かで、存在が限りなく曖昧なため、報告書などでは異形の■■と記載しており、まとめて異形と呼ばれるようになった。見ただけで発狂させるものもいる。

物理、一般的な魔法・魔術は無効。

宝具、呪い、封印、一部の魔導式が有効。

一般閲覧禁止の報告書によれば、涙や生贄、鳴き声により逃亡に成功した者もいる。その後については記載しない)


祟りは宝具を盗む、奪う、破壊する、三神(産神、生業神、土地神)の怒りを買うなどの行為で下されるため呪いとは明白に違いがある。


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【===信仰===】

生まれた地域の“土地神 ”《とちがみ》

混合する種族各々の“産神”《うぶがみ》

各職業と元素を司る“生業神”《なりわいがみ》

の3つにわかれており、加護や祝福を付与する宝具の力の源。

種族も神も多いため教会や寺院は存在しない。

◎土地神の祠(手を合わせる)

◎生業神の蝋燭の山(火を灯す)

◎産神の鐘(鳴らす)

性質上相性の悪い土地神の領域で任務または長期間滞在する場合、生まれた土地を離れる場合、または他の土地で家業以外の仕事をする場合、こどもが生まれた場合など、様々な転換期に神同士が争わないよう、また神の怒りに触れないよう御礼と挨拶をする。


【===地域と種族と境界線①===】

言語は地域ではなく種族によって異なる。共用言語があり、学校に通っているこどもたちは学ぶことができるが、人木・人虫・人魚、その他人里離れた場所に住む種族も多く、陸海空に巨大な魔導鉱石の結晶と魔導師による魔法・魔術双方を組込んだ魔法陣が配置され、翻訳魔法のネットワークがほぼ全域に広がっている。ただし禁足地は立入禁止のためネットワークから外れている。

北の“青星氷湖”《せいかいひょうこ》、南の“白陽砂漠”《はくようさばく》、

西の“緑雨樹林”《りょくうじゅりん》、東の“朱風野辻”《しゅふうのつじ》、

北西の“嘶きの海”、北東の“囀りの岸”、

南西の“実りの庭”、南東の“美しの森”

という大きな地域に分かれており、その中にも沢山の街や村がある。各地域には魔導師総合学会の分室、狩人協会支部がある。


“鳥居山”、“恐ろし谷”、“遠吠え砂丘”、

“アルトリア灯台”、“エーテルの巨塔”、

“月島”、“陽岸” これらはすべて孤島である。

孤島の中で最も大きく、人口も多いのは“アルトリア灯台”であり、孤島では唯一 狩人協会支部が設置されている。

禁足地の“涙の池”、“微睡みの沢”、

“呪詛の穿地うがち”、“祝福の浮地ふち

“巨人墓所”、“光鍾乳洞”

魔力分子が非常に多く、絶滅した植物や動物がいる。恐らくここでは魔物も暮らしている。

特別観測点“人形の家”、“グレンの生家”

“転生協会”、“空中庭園”、“霧の城”、

“アルスマグナ療養院”、“イアの海底都市”、

“チェスターアズマイヤー邸”、“空腹の穴”

などは怪異・異形発見場所や封印場所であり、年数が経過して尚 強い瘴気が残っている場所もある。

観測点は土地ごと封印されていたり、環境観測士が配置されていたり、様々な対処がとられている。


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【===婚姻、遺伝===】

異種族間での婚姻も、神縁繋ぎを行う。

産神に認められることによって、どちらかの性質を引き継いだこどもが産まれる。

性質が半々に混ざることはないが、父母の摩訶属性種族置数に依存する。

人間の母親似でも父親の種族遺伝を引き継いで爬虫人になるなどはある。この種族遺伝は神の優劣などがあることを意味するのではない。

父母の種族置数が近い場合は双子になる可能性が高くなる。

しかも双子でありながら異なる種である。

可能性が高くなるとはいったものの、鳥人と爬虫人、獣人と人魚など性質が大きく離れる場合はその限りではない。

平均寿命が短い人虫は人虫同士の別種婚が多く異種双生児も多い。

かつてヘラクレスオオカブトの姉とタテスジアゲハの弟の双子の芸能者が人気を博したが、姉の死後追うようにすぐに弟も亡くなった。23歳。今でも彼等は人虫一のスターであり、すべての人虫にとって誇らしいことである。


【===禁忌===】

禁則事項として、どの階級であってもあれ禁忌とされているのが蘇生魔法(回復、浄化とは違い死者を蘇らせる)種族転換(種族を変えてしまう)生命合成(複数の生命体を合成する)生贄(他者の命、魂またはどちらとも対価や材料にして行う代理魔法)

◎禁則種の召喚、使い魔契約。

◎誓約無しの魔力吸収行為。

◎魔物の使い魔契約(合意の場合を除くが魔物とは意思疎通がほぼ不可能であるため、相手が抵抗せず自らの意志で望み、加えて証人がいる場合は罪に問われない)

◎野生動物への魔力付与。

◎他人の使い魔を奪うこと、一方的に使い魔契約を結ぶことも重罪。階級の高い魔法使・魔術師・魔導師であれば、緊急事態誓約があれば許可されるものもある。

◎所有者の合意がない場合の宝具の授与。

他者の居住区域や私物に授けられた恩恵を隠蔽、強奪も重罪。


【===名付けの伝統===】

人木は植物、人虫は色名、獣人は鉱石、

人魚は酒(現在では製造されている酒の原種)

鳥人は香辛料、爬虫人は神話武器の名前をつけるのが伝統である。

人木には名前をつける習慣がなかった上、他種族と交流しないので昔から変わらず、各々混合する植物の名前で呼び合う。


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【===噂と伝説===】

通称“ネット”と呼ばれる、魔力による集合意識ネットワーク。

この世界の全ての物質、混合魔族は魔力を持っているため、魔力因子と魔力分子の反応を繋ぐことで、集合意識顕現と呼ばれるネットワークを生成している。

この顕現の取得については、学校で学ぶ基礎の実施練習の必修であるため、数多くの者達が扱える。

陸海空に張り巡らされた翻訳ネットワークに重なる形で、同じく巨大な魔術陣として配置されている。

手帳や水晶などの道具に文字や映像として投影される。


錬金術師、魔女、全知全能、森羅万象、旧世代人類、千年亀、千年鯨、星間座標、龍神殺し、炎の鉄槌、絶対の剣、絶対の盾、楽園の鍵、黄泉の門、天国の庭、地獄の谷など。

“錬金術師”は最古にして唯一無二の黄金の錬金術師。美しい初老の男で不死、今も生きているらしい。彼だけが黄金を創り出せたことから、鉱石系の魔人だったのではないかと予想されているらしい。

“魔女”は美しい女で、一角獣の角が生えていて不死、今も生きているらしい。下半身を馬に変えることができるらしい。

旧世代人類は、全く魔力を持たない旧世代の人間らしい。この世界のすべては微弱であれ必ず魔力を含んでいるため、旧世代の人間はすべて魔力を蓄えるよう進化したか、それができなければ滅んだという。

千年鯨、千年亀

大昔に怪異、魔物、異形のいずれかを封印した古代魔術師が その場に残り定期的な術の重ね掛けを行いながら監視していたのが環境観測士の始まりと言われているが、彼等がそうらしい。

レジェンダリ(伝説級)と呼ばれる武器、防具継承型魔導媒体などがあり、それがどこにあるだとか、どこで見ただとかの噂がちらほらネットで流れているらしい。

宝玉“全知全能”

究極宝具。これがあれば過去も未来もなく善悪もなく、すべてを理解し、知覚し、悟りを開き、すべての能力を解放でき人智を超えた力を手に入れるらしい。

宝玉“神羅万象”

究極宝具、これがあれば人でも動物でも植物でも変身でき、陸海空どこでも走り泳ぎ飛ぶことができるという。全生命体を超越した体を手に入れるらしい。

魔導媒体“星間座標”

究極宝具、水晶玉の中に宇宙のレプリカが入っているらしい。黄金の錬金術師の至高の逸品。

彼の弟子が受け継ぎ、預言者と呼ばれる程の占星術師になった逸話から、持つ者は未来を見ると言われるようになった。

魔導媒体“龍神殺し”

最強と名高い変形武器。

龍神殺しは剣、盾、銃すべてに変形、収納形態は殴打武器であるという。現在の持ち主は不明。

最古の狩人である一角獣の魔女の武器。

魔導媒体“炎の鉄槌”

一角獣の魔女に至高の武器を打った、常に炎を纏い続け、打つと更に青く燃える大鎚。適性の高い者でないと扱えないという。

術式媒体“楽園の鍵”は、どんなに大きな戦争でも終わらせることができるという。

術式媒介“黄泉の門”は、どんなに悍ましい怪異や異物でも強制的に封印することができるという。

亜空間“天国の庭”

九死に一生を得たという とある若者がスレッドに書き込み、“あれは絶対に天国の庭だ。入れなかったが確かに見た”と頑なに言い続けたことから。

別の者による返信では“涙の池”や“妖精の谷”に近かった可能性や、それらの資料が無意識に過ぎったからだという意見が多数だった。

亜空間“地獄の谷”

天国の庭が「亜空間迷子スレ」「禁足地観察スレ」での鉄板になった後に、魔導師総合学会により復元された古代魔術書の中に“天国の庭”、“地獄の谷”の言葉が入っていたことで大いに賑わった。履修項目以外の古代魔術の試行は禁止されているため すぐに流行は流れたが、そのふたつが架空の話でなかったことは確かである。





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