第10話 花束

花屋に向かう途中で、雨がポツポツ降り出した。

思っていたより早かった。

急いで花を選んで包んでもらい、痛む右足をせっせと動かして家に帰る。


家の前では、レインコートを着たユズが待っていた。


「ほれ、早く入りな」


鍵を開けて、一緒に入る。

ミルクを温めてやると、美味しそうに飲んだ。


わたしは炬燵に入って、買ってきた花を自分でカットして、組み合わせてリボンを付けた。

この作業は嫌いじゃない。

小さな花束はいつも、黄色の花をベースに作る。

今日はガーベラ。


「はな、きれい」


じっと見ていたユズが言った。


「花、好き?」


訊くと、にっこり笑って頷いた。

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