第4話 入学式のとき、薫はどう思われていたのか
少し話を巻き戻し、入学式。
ーー私、矢野葵は誰よりも早く教室に着いてしまった。
(まってどうしよう、みんなが来始めてちょうどいいくらいのタイミングで入る予定だったのに!これじゃ浮いちゃう…なにあの子って思われちゃうじゃん!私のバカ…!)
案の定教室に入ってきたクラスメイトたちは私の方を見て、一瞬動きを止めてから自分の席へ向かった。
(ああああ私の高校生活終わったぁぁぁあ…)
葵ちゃんはちょっぴりネガティブである。
だがそんな私でも空気は読める!
すると、なぜか廊下の辺りからざわざわと声が聞こえてきた。なんだろう、と気になって見てみると、美少女がそこにいた。
…どタイプ!!!
薄い桃色の髪が歩くたびに揺れる。長く下された髪は今までに見たことがないくらいきれいで、耳の上で小さなお団子が左右それぞれ1つずつ作られている。アメジストのようなきれいな瞳は伏せ気味で、誰と目を合わせるつもりもないよう。
(すごくクールな雰囲気で、どこかのお姫様みたい。それに、あんなにさらさらな髪、初めて見た…)
そう、矢野葵は夜山薫に一目惚れした。そしてそれは、葵以外の同級生全員にも同じことが言える。薫が廊下を歩けば、みんながその方向をつい目で追ってしまう。もっとも、薫自身はそのことに気づいていないようだが。
(まってあの子こっちに向かって歩いてくる!もしかして同じクラス!?神!?)
薫は葵にとって神になった。
薫が教室に入り、葵の後ろの席に腰掛ける。
(席前後!?嘘!?同じクラスな上に!!もはやこれは運命と言えるのでは…?ここまできたら声をかけるしか…!もし冷たくあしらわれてもそのときはなんとかしよう!よし…!)
「おはよう…!」
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