第2話 兄・伊織
ふと廊下の方を見ると、嫌なものが目に映って見えた。
「うぇ…」
つい、声が漏れてしまった。
(お兄ちゃん…)
深い青の髪に紫の瞳、いつもやってる前髪センター分け、高身長。そしてあの嫌な微笑み方!間違いない。正真正銘うちの兄である。こっちに手を振っている。振り返すなんてできるわけない!だって調子に乗るから。
クラスメイトたちが私を見たあと、兄、伊織の方を見て固まっている。
気がつけば私は女子たちに囲まれていた。
「ねぇねぇあの人お兄さん?」
「すごいイケメン!」
「この学校の制服きてるよ!」
「何年生?」
「部活何入ってるの?」
「かっこいい〜!」
……。
そう、兄はお顔の整いが少々よろしいのです。
(兄絡みでクラスメイトから声をかけられるなんて、中学の頃から変わらないですね。どうしてみなさんはお兄ちゃんに興味をもってしまうのでしょうか。どうしようもない性格の持ち主だというのに…)
「こらそこ、静かに!これから明日までに書いてかいてほしい書類を配るぞーー、きちんと親に見せるように」
先生が注意を促してくれて、ホームルームは続いている。自分のところに回ってきたプリントを後ろの人に回す。重要なプリントから身体測定のお知らせまで盛りだくさんだ。
(まさか、入学式で自分の学年がが休みだからって妹の入学式に保護者として来るなんて。考えもしませんでした。お母さんも一緒にいるようですが、もしかしなくてもこれは伊織とも帰らなければならないようですね…)
そんなこんなでクラス内に兄のファンが増えた。
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