ネオ・ヴァルカ〜最凶最悪の超巨大都市で成り上がる〜
@issso
プロローグ
薄暗い。
最初に感じたのは、鼻を突くアンモニア臭だった。
次に、耳鳴り。
最後に、胃の奥からせり上がってくる吐き気。
「……っ、うぇ……」
手洗い場に両手をつき、えずく。
白い陶器に水滴が落ちる音が、やけに大きく響いた。
ここは――公衆便所だ。
天井の蛍光灯は半分が死んでいて、チカチカと不規則に光ってる。
壁には落書き。
床は一体なんの液体が混ざったものなのか、ほぼ一面が濡れている。
ゆっくりと顔を上げる。
鏡があった。
そこに映っていたのは――俺じゃない。
いや、俺が作ったキャラだった。
キャラメイクで整えた顔。
現実の自分より、少しだけ鋭い目つき。
無駄に整った輪郭。
「……は?」
声を出すと、いつものおちゃらけたブサボじゃない。いい具合に低音で…
やはり、響きが違う。
身体も声も、体格も。何もかもいつもと違う。
頭の奥がズキリと痛んだ。
――ネオ・ヴァルカ。
ゲーム概要で見た名前が、唐突に思い出される。
そう…俺はあのゲームをプレイしようとしていて…
「……冗談だろ」
鏡の中の俺が、同じ顔でそう呟いた。
そんなわけがない。まさか、そんなわけが!
俺は勢いよくドブの匂いのする公衆便所から抜け出し、上空を見上げる。
真夜中だ。…少し遠くに、東京スカイツリーによく似た…しかし大きさは何倍も違うと思われる光っている特徴的な巨大タワーが見えた。
…ほっぺたをつねりながら確信した。間違いない。ここはゲームの世界だ。
大人気シュミレーションゲームの…そして今いる場所は主な舞台となる、暴力、金と権力が渦を巻く超巨大独立型都市、《ネオ・ヴァルカ》。
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