絶世の女神が怪しいSNS広告で俺を召喚した理由。〜一人何役もこなすワンオペ女神の教育が、色んな意味で過保護すぎる〜

千夜もぐり

第1話 むかし、むかし、

むかし、むかし、あるところに女神さまがいました。

女神さまは人間たちから敬われ、長い、長い年月を人々と幸せに暮らしました。


あるとき、魔王があらわれました。魔王はたくさんの魔物たちと人間を襲い始めました。

それは酷いものでした。家々は焼かれ、女子供も容赦なく殺されていきます。


人間たちは女神さまに助けを請いました。


女神さまは困りました。


神は特別な存在です。人間、エルフ、ドワーフ・・・全ての種族は神にとって大切な宝物です。

魔王や魔物も大切な宝物に含まれます。

女神さまは人間が大好きでしたが、同じくらい魔王や魔物も大好きだったからです。


女神さまは迷いましたが人間にチャンスを与えることにしました。

人間はあまりに弱く、魔物はあまりに強い。人間が成長するために訓練の場所を作りました。


それがダンジョンです。


人間は女神さまから、与えられた迷宮で成長し、魔物と戦えるだけの力をつけることができました。

女神さまのダンジョンは、人間に魔物の急所や、効率的な戦い方の『理(ことわり)』を授けるものでした。


人間と魔物の戦いは長きにわたりましたが、ついに人間は魔王を封印することができました。


人間たちは女神さまに感謝し、さらに尊敬を深めました。


こうして、役目を終えたダンジョンの扉が開かれることは、ありませんが、女神さまは、人間たちのために用意したダンジョンに一人残り、今も人々を見守り続けているのです。

 

めでたしめでたし。






――そんな古い伝説が、ただの「おとぎ話」として忘れ去られた、現代。



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