第6話

例の場所にばあちゃんと来た。

ばあちゃんが目を閉じる。

そのままだ。動かない。

俺は待った。そのまま。

随分と時が流れ、空気が少し冷たくなったと感じはじめたころ、ばあちゃんが目を開けた。

「その森」

指さす方向に森がある。

「いくぞ」

ばあちゃんが森に入っていく。俺は続いた。


森をさまよった。

ばあちゃんは歩いたかと思うと、止まる。

そしてまた歩く。

止まっている時間のほうが明らかに長い。

「うーん、たまにしか気を感じられんなあ」

「近くにいるの」

「ちょっと離れているな。それも気をださないまま、移動を続けておる。思い出したように気を発するが、その時間は短い」

「……」

数時間森にいたが、人形少女は見つけられなかった。


つぎの日も、森に入った。

昨日とほぼ同じ展開のまま、あたりが暗くなり、家に帰った。


そしてまた事故。

今度は黒い軽自動車だ。

――おいおい、またかよ。

担当の警察官が頭を抱える。

三件ともに、判で押したような同じ状況だ。

おまけに全部、黒い車なのだ。

――もしかしてこれは、単なる自損事故ではないのではないのか。

そう思ったが、単なる自損事故でないなら、なんなのだ。

彼にはそれがわからなかった。

そしてわかろうとする努力も、あえてしなかった。

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