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大きな人影は、ふたりに話しかけました。


「この先に、道はないぞぉ。とっととしっぽを巻いて 引き返せ」


ふたりは言われたことに 聞く耳を持ちませんでした。


「そんなのうそだ、信じないぞ!」


「そうだ!僕らのいく先に 必ず道はあるんだ!」


大きな人影は、これまた大きな声で笑いました。


「ぶははは、これまた愉快なことだ。信じないとは 愚かなり」


そして大きな腕でふたりをあっという間につかまえると、

        道の先へと走り出したではありませんか。


走り出した道の先、そこにはぱっくり口開けた

        大地の裂け目がありました。


「止まって!このままじゃ落っこちちゃうよ!」


「そうだよ!僕たち生きられなくなっちゃうよ!」


必死のふたりの声色に、またまた大きな人影は笑い声を上げました。


「ぶははは!我らは”ある”のみ!最初から”生きてなどいない”!

        お前たちもおれも割り切れぬ爪弾き者よ!」


大きな人影は、大地を力強く蹴り上げて、

     3人もろとも真っ逆さまに、

        裂け目の中に飛び込んでしまいました。


何度も転がりぶつかって、3人はしっちゃかめっちゃかになりました。

   しっちゃかめっちゃかに なっていくうちに、

        体が溶けてひとつになってしまいました。


「いったい僕はだれなんだろう」


三人でできた一人は、今までのことを何も覚えていないようでした。

   裂け目の底には、緩やかに曲がっていく道が続いていました。

        悩んでいても仕方がないと、

           三位一体はとぼとぼと道を歩いていきました。


歩いている道の脇から、別の道が合流しているのが見えました。


するとそこからまたひとり、旅人が現れたのです。


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