第2話 ご褒美をもらいました。

信長様は、ご機嫌である。

そりゃそうだ。連戦連勝、敵は消し炭、味方はドヤ顔。

天下統一ロード、GPSいらずの一直線。


部下の明智君は相変わらず仕事が早い。

早すぎて、たまに怖い。


そんなある日


信長様が、にっこり笑って言った。


「玄白、なんぞ欲しいもん、あるかぁ?」


円満の笑み。

これは来た。

褒美チャンス。確定のSSR演出。


(……何欲しい?

 刀? いらん。

 茶器? 割りそう。

 美女? お兄さまの忠勝様に殺される。)


考え抜いた末、

つい、口が滑った。


「じ、自分の国が……欲しいです」


一瞬、空気が凍る。


「……はぁ!?

 おみゃあ、国ぃ欲しい言うたか?」


「あっ、いえいえいえ!!

 ちょっと言ってみただけです!

 冗談です! 尾張ジョークです!」


すると信長様、

顎に手を当ててニヤリ。


「ほう……国が欲しいか。


 なら、くれてやるがね」


「え?」


「この辺り、おみゃあのもんだわ。

 治めてみぃ。

 文句言われたら、燃やせ」


(軽っ!!!

 国って、そんなノリで配るもん!?)


「……あ、ありがたき幸せ……」


こうして、

兵庫県あたり一万石、ゲット。


独裁政権、決断が秒。


で、現地に来て思った。


(……戦場の最前線やん。)


要するに

敵軍の最前線の壁になれってことだ。


「信長様、期待しとるでな。

 おみゃあが死んでも、次は考えとるで」


(考えてあるんだ……次。)


さて、国をもらったはいいが。


「で、何すりゃええの、明智君」


明智君、涼しい顔。


「殿、まずは開墾でございます」


「開拓?

 北海道の?」


「ほっかい……どこです?」


「あ、まだ未実装の土地だった」


周囲を見渡す。


死体。

焼け野原。

未来ゼロ。


「町つくらなかんし、

 田んぼもいるし……

 人もいないし……

 詰んでない?」


とりあえず、村を回る。

挨拶回り。

土下座される。

泣かれる。


(……重い。)


そのとき、お寺に


「ん?」


いた。


少年。

目がギラギラ。

計算してそうな顔。


「名前は?」


「石田三成と申します」


(来たーーーー!!!)


まだ子ども。

でも、頭の回転が速すぎる。


(秀吉に拾われる前に、囲う。

 これは戦国ドラフト一位。)


「君、うち来る?」


「はい」


即答。


(即答こわい。)


三成君、早速言う。


「田畑は測らねばなりません」


「測る?」


「適当に年貢取るから、揉めるのです」


(この時代に、

 “適当が悪”って言えるの、強い。)


【太閤検地(予定)】

・田んぼ測る

・等級分ける

・誰が払うか明確

・揉めない

・偉い


(まだガキなのに、 もう完成形。)


その頃、

信長様のもとに報告が行く。


「玄白が、妙な小僧を拾ったそうで」


信長様、鼻で笑う。


「ほーん。

 まぁええわ。

 使えんかったら、燃やせばええ」


(基準それ。)


こうして

国をもらい、

地獄みたいな領地で、

未来の大物を確保し、


僕は思った。石田三成君は最高の人材の一人だ。


(……秀吉?

 あの人には、

 この子は渡さん。)


天下は、人材ゲーだ。

僕は、必ず大成功をおさめるであろう家臣を得た。


_____________________


石田三成が豊臣秀吉との出会い逸話


秀吉が鷹狩りに出たとき寺へ休息した時に

15歳だった石田三成はお茶を1杯目、8分目ほどいれた

ぬるいお茶を入れた。喉の乾いていた秀吉は一気に飲んだ。

2杯目、半分ほどのやや熱いお茶を入れた。秀吉は一気に飲んだ。

3杯目、少し熱いお茶を入れた。秀吉は味わいながら飲む事ができました。

それに感心した秀吉は石田三成を家臣にしましたとさ。

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