fifth class


「Key Sentenceを見つけるには、どうすればいいんだ?」


 朝の光の中、俺はLexiに問いかけた。


「この世界には“Word Shrine”――言葉の神殿と呼ばれる場所がいくつかあるんだ。そこには、古代の言葉や知識が眠っている。君の“文”を導くヒントがあるかもしれない」


「神殿か……なんかRPGっぽくなってきたな」


「最寄りの神殿は、“Echo Valley”の奥にある“Shrine of Meaning”。そこには“Echo Spirit”という存在がいて、訪れた者の言葉を映し返すらしいよ」


「エコー・スピリット……うん、よくわからんことがわかったからいいや」


 俺は地図代わりのLexiのページを覗き込みながら、シャドウの頭をぽんぽんと叩いた。


「よし、決まりだな。俺たちの次の目的地は“言葉の神殿”だ」


「ユウト、イミ、ミツケル?」


「ああ。俺の“意味”を見つける旅、始めようぜ」


 シャドウがぴょんと跳ね、Lexiがふわりと空を舞う。


 俺たちは、朝露に濡れた森を抜け、新たな言葉を求めて歩き出した。


「でも、言葉の神殿かぁ……」


 森の小道を歩きながら、俺はLexiの言葉を反芻していた。


 でも、なんだろう。胸の奥が、妙に静かだった。


「なあ、Lexi。神殿って、本当に俺に必要なものがあるのか?」


「え?」


「いや、たしかに“Key Sentence”のヒントがあるかもしれない。でもさ、俺が昨日覚えた言葉って、戦いの中で必要だったから覚えたんだよな。逃げるため、隠れるため、守るため……」


 シャドウが俺の足元で、くるりと回る。


「ユウト、カンガエテル?」


「うん。俺が言葉を覚えたのって、誰かと関わったからなんだよ。Lexi、お前が教えてくれて、シャドウが一緒にいてくれて……」


 俺は立ち止まり、空を見上げた。


「だったら、もっと人と話したい。誰かとぶつかって、笑って、困って……そういう中で、俺の“Key Sentence”が見つかる気がする」


 Lexiはしばらく黙っていたが、やがてふわりと浮かび上がって言った。


「……なるほど。君の言う通りかもしれない。“言葉”は、神殿よりも“人の中”にあるのかもね」


「じゃあ、進路変更だ。神殿じゃなくて、人里に向かおう」


「了解。“Word Map”を更新するよ。最寄りの村は“リトルブック”。小さな図書館を中心にした集落だよ」


「図書館!? うわ、ちょっと苦手な響き……」


「でも、きっと面白い出会いがあるよ」


 シャドウがぴょんと跳ねた。


「ユウト、ヒト、アイニイク!」


「よし、行こうぜ。俺の“言葉”を探す旅は、まだ始まったばかりだ!……とは言ったものの、遠いな、『テレポート』とか使えないの?」


「使えるけど、長文だよ?」


「……今はいいや」

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