第58話
太陽が火山の地の上に昇っていた。滝が森と黒い岩の境界に立ち、拳を握りしめていた。
朝、滝は海渡を見た——彼は意識を失って横たわっていた。体の皮膚はまるで破片のように、全身火傷だらけだった。
友の体はまるで痛みから叫んでいるようだった、無意識の状態でさえ。
喉が詰まった。目がヒリヒリした。
破途の言葉がまだ頭の中で響いていた、彼が朝に短時間意識を取り戻した時の。
「彼らは奴を家畜のように焼き付けた…全身を…拷問して俺たちのことを尋ねた」
そして海渡はまだ目を覚まさなかった。
怒りが内側から押し広げた。筋肉が勝手に緊張した。小屋にただ座って待つことができなかった。荷物を取り、遠くへ去った——兵士たちを他の者たちに導かないために。
息を吸う。吐く。
マナが筋肉と骨に流れた。体が強化された。拳の関節が焼けた。指が痺れた。
短い距離から拳で岩に一撃。もう一度。また。
足元の地面が割れた——少し多くの力を込めた。足が反動から痛んだ。
「コントロールが必要だ…」
集中した。足の周りの地面が少し持ち上がり、円を形成した。
体強化と同時に一撃。岩が砕けた。
アドレナリンが怒りと混ざった。連続攻撃、より速く、より強く。地面が動きのたびに隆起した。耳に轟音が響いた。埃が鼻を塞いだ。
急に止まった。
「馬鹿…兵士たちが聞くかもしれない!」
周りは静寂。風だけ。耳を澄ませた——何もない。近くに誰もいない。
息を吐く。体が痛んだ。汗がゆっくりと額を伝った。喉に鋭い渇きを感じた。
水を探して密林を歩いた。
小川はすぐに見つかり、石の間で流れていた。滝は膝をついて、手のひらで水をすくった。冷たく、まるで甘い。貪るように飲んだ。
地面に横になった。泥の飛沫がズボンについたことに気づいた。
——くそ…豚みたいだ。
払い落とそうとして、手がポケットに滑り込んだ。小さな袋を取り出し、開けた——種だ。
「あ…これは芳禍がくれたやつ…」
一つの種が他より少し大きく、そこから小さな緑の芽が出ていた。
——水がかかったのか?
手の中で回した。
「これは一体何だったんだ?」
記憶がカチリと鳴った。
「毒性の…」
種が指から落ちた。
——これ毒性だぞ!
急いで手を引いた。種は小川のそばの湿った地面に落ちた。心臓が跳ねた。
「落ち着け…」
息を吸う。
——待て。まだ芽が出てない。
息を吐く。
——それでも怖いけど…
屈んで、種を見た。小さく、見た目は無害だった。
——こんな小さいものが…——呟いた。——でも誰かの運命を決められる…良い方にも、悪い方にも…危険だ。
視線が種の周りの湿った土に滑った。
「もしかして…」
奇妙なアイデアだが…
「俺は土を操れる…そしてここには水がある…」
種の上に手を伸ばした。集中した。マナを地面に。
力んだ。顔が緊張し、まるで何か重いものを持ち上げているようだった。
「さあ…さあ…」
額に汗が浮かび、顔が赤くなった。種の周りの地面がわずかに動き、それを内部に吸収した。
「もっと!」
緊張が増した。腕の血管が浮き出た。一秒。二秒。三秒。
地面から小さな緑の先端が現れた。
——やった!——芽、とても小さいが見える。——やった!やった!
息を吐いた。腕が落ちた。
——基本的に…これは可能だ…
芽の隣に仰向けになった。頭上の空、雲がゆっくりと流れていた。
——良い一日の始まりだ…
目を閉じた。
-----
——お前は死の抱擁を避けることができた…
目が見開かれた。滝が起き上がった。
ヒュッ。棒が顔に向かって飛んできた。
反射——肩と頭を横にずらした。棒がこめかみをかすめ、軽い打撃の接触が頬を焼いた。
飛び退いた。立ち上がった。
目の前に堅地。軍人の姿勢、背筋が真っ直ぐ、視線が固い。耳に縦に二つの小さなピアス、棒のような形。棒が縮小し、堅地の手に戻った。
——通常、男たちが戦う時、子供たちは隠れる場所を探す。
滝は拳を握りしめた。
——俺に一体何の用だ?!
——まずはお前をもっと話しやすくする。
棒が前に突進した。
それは伸びた。縮んだ。伸びた。縮んだ。まるで大ハンマーで何度も何度も滝に当てようとするように。
滝は避けた——右へ、左へ。体、腕、脚を強化した。棒が胸に飛んできた——手で横に逸らした。もう一撃——脚で逸らした。また。また。
後ろで割れる音。一瞬振り返った——木が蜂の巣になり、幹が木っ端みじんに散った。
「落ち着け…落ち着け…」
パニックになってはいけない。呼吸を整え、敵を見る。
棒が再び伸び、肩の横を通り過ぎた。滝はそれを掴んだ。急激に縮み、一緒に引っ張られた。
「今だ!」
堅地に向かって飛び、拳を振りかぶった——一撃!
敵の前に二本目の棒が現れた。防御。
一撃。堅地が揺れ、防御を通して力を感じた。
——お前は生き延びた…——目が細くなった。——そして強くなったか?
滝は彼の耳を見た。ピアスは片方だけに残っていた。
「もう一つは?!」
答えは瞬時に来た——小さなピアスが二つ目の耳から飛び出し、急激にサイズが大きくなった。三本目の棒。腹に打ち込まれ、伸び、押した。
滝は森を通って後方へ飛ばされ、岩を通り抜けた。背中がまるで障害物で焼けるようだった。辺り一帯に轟音。木が折れ、火山岩が砕けた。かろうじて横に弾いた。棒はさらに伸び続けた、先へ。
滝は横に転がった。肋骨と肩が痛んだ。しかし無事だ。強化が耐えた。
棒が縮み始め、持ち主に戻っていった。堅地は森の茂みに立っていた。
——驚かせてみろ…
滝は立ち上がった。
「こんな攻撃には何度も耐えられない…」
腕と脚に震えが走り、脚がかろうじて支えていた。
縮んでいく棒を掴んだ。それと一緒に敵に向かって飛んだ。
棒が森に入っていく——その上に別の棒が現れ、伸びて滝を振り落とそうとした。
蹴り上げて、しゃがみ、横に突進した。マナを地面に——埃が森全体に舞い上がった。
堅地が観察していた。
——安っぽい手品だ。
前から石が堅地に飛んできた。棒が彼の前で回転し、それぞれを防いだ。左から巨大な岩——棒が伸び、下に打ち込んだ。右から滝が埃から飛び出し、脚で蹴り。棒で防御。
「足りない…」
堅地が防御から反撃した。滝が避けた。
埃、森、限られた空間。堅地が跳び上がり、木々の上高くに飛び出した。
滝は彼を見失った。
「上から…」
前回のように空中により多くの埃を撒こうとした。しかし埃は濃くなかった。
——これはもう悪いな…
堅地が空中高くで停止した。三本の棒が彼の周りを垂直に回転していた。
右手を伸ばした。
——俺がこれを全て個人的に終わらせる。武夫を見つける。そしてこの忍に勝利を収める。
指が動き、まるでキーを弾いているようだった。棒が急激に伸び、巨大になり、重量が何倍にも増えた。地面に打ち込まれた。
轟音。地面がまるで爆発するようだった。
滝は体、脚を強化し、円を描くようにジグザグに突進した。地面から突起が足元に生え、彼を押し出し、加速させた。
棒が一秒前に彼がいた場所に打ち込まれた。また。また。
巨大な埃の雲が立ち上った。地面がまるで耕されているようだった。
「もっと速く!」
棒がほぼ追いついた——最後の瞬間に避けた。
地面から堅地に向かって発射物の流れが飛び、まるで蛇のように曲がった。棒の一つが縮み、回転し、一方から発射物を弾いた。別の流れがもう一方から——二本目の棒が防御に。三本目は滝を攻撃し続けた。
攻撃から跳ね返された地面が、まるで空中に浮いているようだった。
「今だ!」
滝が森から飛び出し、空中の地面の塊から蹴り上げた。また。また。これらの地面の塊で堅地の周りを旋回した。
彼が気づいた。棒が地面の塊、滝に向けて方向転換した。
巨大な棒が彼に向かって突進してきた。滝が前に進み、急激に後ろに蹴り上げた。棒が外れ、縮んだ。滝がそれを掴み、堅地に向かって飛んだ。
棒の上を別の棒が這った。滝が蹴り上げ、強く、横に。他の地面の塊から敵にさらに近づいた。
三本の棒が攻撃してきた。空中の地面の塊から滝は上下から発射物の流れを形成した。棒が発射物を弾き、埃になり、滝はそれを堅地の周りに撒いた。
彼が棒を回転させ、防いだ。
横から滝が埃から飛び出し、最後の地面の塊から蹴り上げた。脚で蹴り、全力で。
「やった!」
防御。棒が堅地の近くで増大した。
一撃が棒と出会った。力があまりにも強く、棒が増大し始めた、ただ堅地の方向に、彼を押した。
堅地が肩で支えた。
——何だと?!
滝がほぼすべてを込めた。
「いや!いや!いや!」
堅地が急激に棒を縮小させた。突然、同じ棒が巨大になり、上から滝に向かって飛んできた。
「力がない…」
迫りくる一撃が見えた。防ごうとした。
棒が突き刺さった。圧力があまりにも強く、意識を失いたかった。
「いや…意識を失うな!」
弾丸のように下に飛ばされた。地面が近づいてきた。滝が傾斜を作り、滑らかに。それでも着地は荒かった。転がり、小川の近くで止まった。動かなかった。
足音。堅地が近づいていた。
——死ぬ前に、俺の質問に答えろ。
滝が横たわっていた。血が額から流れていた。脚が言うことを聞かず、痛みが心拍のたびに感じられた。肩が捻れていた。息をするたびに苦しかった。
「今…奴か、俺か…」
堅地を見た。微笑んだ。
堅地が眉をひそめた。
——どうやら頭を強く打ったらしいな…
滝が静かに笑い始めた、口は閉じたまま、肩だけが震えた。手が小川のそばの湿った土に横たわっていた。
堅地が突然揺れた。目の前がぼやけた。腕がゆっくりと下がった、まるで力が抜けていくように。
——何が…起きている?
突然、周りに——何らかの緑の蔓が急激に堅地の腕に巻き付き始めた。
滝は話せなかった。
手の下の湿った土が動いた。緑の蔓が芽生え、若く、しなやかだった。滝の下を這い、彼を持ち上げた。
堅地の棒が地面に落ちた。彼自身が膝をついた。
蔓が彼の脚に這い、巻き付き、上に引っ張った。持ち上げ、腕を横に広げた。
滝は破途の言葉を思い出した。
「家畜のように焼き付けた…」
顔から微笑みが消えた。ただ歯をむき出しにした。唇が憎しみで震えた。
蔓がより強く巻き付いた。
バキッ
堅地の右腕が折れた。
彼がうめいたが、叫ばなかった。
「足りない…」
蔓が脚に巻き付き、逆方向に捻った。
バキッ。
再びうめき声。
「叫び声が欲しい…」
アイデアが浮かんだ。蔓の一部が堅地の口に這い、他が四肢を保持した。蔓が口に入り込み、深く。喉、食道、胃、腸を満たした。突き刺し、押し潰し、増大した。
堅地が震え、目が見開かれた。痛みのショック。
蔓が体の内部全体を満たし、成長し始め、左目から這い出た。腕と脚の周りの蔓が太く、密に、重くなった——彼の四肢を圧迫した。
口から太い蔓が生え、体をほぼ半分に引き裂いた。
堅地は死んだ。体はまだ数秒間脈打ち、その後静まった。
滝が見ていた。手が震えた。
堅地の周りに麻痺性の花粉を持つ花が咲いていた——紫の筋が入った緑色。
毒性の花粉が空気中を漂っていた。滝が弱さを感じ、倒れた。目が徐々に閉じていった。
足音。速いが重い。つまずいている。
破途。脇腹を押さえ、均等に呼吸しようとしていた。顔が青白く、額に汗。かろうじてたどり着いた。
「轟音…轟音が聞こえた…」
視線が破壊を滑った——木が根こそぎ引き抜かれ、地面が掘り返され、岩が砕けていた。堅地の体で止まった。
蔓が死体を貫通していた。顔、正確には残っているものが苦悶の表情で凍りついていた。
「芳禍の花?よかった、俺たちに解毒剤を詰め込んでくれていた」
破途がゆっくりと滝に近づき、膝をついた。
——お前は…何をしたんだ…
-----
華滝。
自来也、芳禍、栞が門のところに立ち、忍を見送っていた。
師匠が自来也の前で止まった。
——俺がいない間、娘たちの面倒を見てくれ。——間。——そして…すまなかった。
自来也が頷いた。何と答えればいいかわからなかった。
彼らに小百合姫が近づいてきて、微笑んでいた。
——ついに会えましたね、忍が我が国よりも気にかけている方々に。
彼らは戸惑った。栞が最初に挨拶した。
——ひ、姫様…
小百合が手を振った。
——堅苦しいのは無しで。ただ小百合でいいです。——自来也を見た。——あなたは一緒に?
自来也が躊躇した。
——恐れながら、いえ…
——なぜ行かないのですか?
自来也が微笑んだ。
——忍の仕事の邪魔になるのが怖いんです。いつかまた。
忍が黙って頷いた。目に罪悪感。
小百合が栞を見て、微笑んだ。
——可愛い方々…——栞が微笑み返した。——何かあれば、いらしてください。もっと親しくなれたら嬉しいです。
彼らが目を合わせた。予想外だった——王族だが、傲慢さのかけらもない。
小百合が振り向き、馬車に向かった。王室の一行が出発の準備をしており、欲樹はすでに馬車に座っていた。
黙って別れを告げた、まるでお互いの過ちを忘れようとするように。馬車が動き出した。
彼らが視線で見送った。自来也が眉をひそめた。
「さて…破途はどうしているだろうか?」
芳禍が去っていく馬車を見た。
——小百合はとても可愛いですね。
栞が黙って頷いた。
——帰りましょう。夕食を作らないと。
振り向いて、通りを歩いた。自来也が最後に振り返った。
「破途…気をつけてくれ…」
*章の終わり*
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