今回、音楽要素はここぞというところで投入されていますが、この使い方はお見事でした。「献呈」の最後でのシューベルトのアヴェ・マリアに入院女性が耳を傾けるところなど、過去二作の音楽シーン全てを重ね合わせたような効果がありますね。ですが――と、これは恥をさらすようで恐縮なんですが、私はクララ・シューマン編曲版の「献呈」というものを今まで知らず、「クララ・シューマンの《献呈》」というフレーズで、「え? リストじゃなくて?」としばらくググったりして、読むのが止まりました 笑。「献呈」自体、「月の光」や「アヴェ・マリア」よりはだいぶん通向けの選曲ですので、ここはもういくらか曲そのものの補足説明がほしいかもですね。あまりべらべらと解説を入れると雰囲気が壊れるのが難しいところですが……。 とりあえず地の文のフレーズでは、「クララ・シューマン"編曲版"の《献呈》」という語を補ってもらうと、私レベルの半端な音楽ファンにはありがたいです W
After the After Story くすぐったい夜への応援コメント
ほぼ一息で読ませていただきました。なるほど、こういう形で着地することを想定しての三部作だったわけですね。
以前に書きましたかどうか、私は基本的に恋愛小説には疎く、その意味ではこの作品のどこが斬新でどこに意を尽くしておられるのか、十分には理解できていないかも知れませんが、メインキャラそれぞれの心のひだを描写しているその細やかさは、私などにはとても真似のできないものだなと思います。一人称複視点の構成、それもべたべたの恋愛ドラマですから、ともすればヒロインの都合のいい流れなどにもなりやすいと思われるのですけれど、三人それぞれに過不足なく感情移入できる書き方になってますし、過度のご都合主義にもなっていません。誰もが能う限り誠実に一つの恋に向き合っている姿は、ひたすらにピュアで美しいぐらいですね。
ただ……と、この先は純粋な好みの問題かもしれませんけれど、話が美しすぎるという言い方も出来てしまうかもしれませんね。キャラの悩みや迷いはリアリティのある書かれ方をしているし、いわゆる嘘っぽい美しさとは違うのですけれど、みんなあまりにも人間が出来すぎていて、読み手があんまりハラハラする要素がないので、まあそのせいなのかどうかよくわかりませんけれど、最後に主人公がなぜ不破先輩を選んだのか、読んでいてよくわかりませんでした。ここはわからなくてもいいところだったのか、あるいは恋愛ドラマに疎い湾多には読み取れなかったのか。
主人公もどうかすると時間経過だけで立ち直ってるようにも見えるんですが、ただそれは傍で温かく見守り続けた二人がいてこそという見方もできるでしょうし、「何も起こらない」三人の静かな尊い空気というものこそが本作のメインだとすれば、それはよく表現できていると思います。なるほど、「祈りのアベ・マリア」というタイトルに納得です。
今回、音楽要素はここぞというところで投入されていますが、この使い方はお見事でした。「献呈」の最後でのシューベルトのアヴェ・マリアに入院女性が耳を傾けるところなど、過去二作の音楽シーン全てを重ね合わせたような効果がありますね。ですが――と、これは恥をさらすようで恐縮なんですが、私はクララ・シューマン編曲版の「献呈」というものを今まで知らず、「クララ・シューマンの《献呈》」というフレーズで、「え? リストじゃなくて?」としばらくググったりして、読むのが止まりました 笑。「献呈」自体、「月の光」や「アヴェ・マリア」よりはだいぶん通向けの選曲ですので、ここはもういくらか曲そのものの補足説明がほしいかもですね。あまりべらべらと解説を入れると雰囲気が壊れるのが難しいところですが……。
とりあえず地の文のフレーズでは、「クララ・シューマン"編曲版"の《献呈》」という語を補ってもらうと、私レベルの半端な音楽ファンにはありがたいです W
本作は過去二作と合わせて一つの長編にまとめるのが本来のあるべき姿ではないかなとも思いました。改めてキャラそれぞれの過去や心の闇も深掘りしつつ、ちょっとした場面で音楽が常にキャラの癒しになっていた、みたいな形にできれば、良い意味で今時っぽい素敵な物語になりそうな……って、その程度はとっくに構想しておられるかも知れませんね。
なんだかんだであまり心楽しいコメントではないことも書いてしまいましたが、何かの参考になましたら幸いです。最後になりましたが、完結あめでとうございます。また読ませてください。毎度の長文、ご容赦くださいますよう。
作者からの返信
湾多さん、今回も丁寧に読んでくださって、ありがとうございます。
一息で読んだと言っていただけたこと、とても嬉しかったです。
三部作という形や、音楽の使い方について触れていただいて、
「ああ、ちゃんと伝わっている部分もあるんだな」とほっとする気持ちになりました。
ご指摘いただいた点については、実は今も少し考えています。
物語をひとつにまとめる可能性も含めて、どこを見せて、どこを伏せるか、
自分の中でまだ整理している途中です。
音楽の使い方について触れてくださったことも、とても嬉しかったです。
《献呈》の場面は、誰かのために弾く音でありながら、決して前に出すぎないものを、と考えて選びました。読み手の足を止めてしまう可能性については、ご指摘を受けて初めて強く意識しました。
表記や説明の仕方について、検討してみます。
いただいた言葉は、今後作品と向き合ううえで
大切に持ち帰らせていただきます。
改めて、ありがとうございました。