第9話 れる/られる表現 AIまとめ

◆ 「れる/られる」と 尊敬表現を分けて考えてみよう ◆


1. 「れる/られる」に「尊敬の意味」はない


「れる/られる」は、話し手が自分の意思と別の行為「外からの作用」を表すときに使う形です。


・他者からの行為(受身)

・自然に起こること、 気持ちが自然にわくこと(自発)

・状況によって出来る、出来ないが決まること(可能)

そして他者の行為についても「自分の意思と別の行為」ですね。

ここに 尊敬の意味はふくまれません。仮に(距離)としましょう。


2. 尊敬表現は「尊敬動詞・尊敬助動詞」の体系でまとめる


尊敬は、

・尊敬動詞(おっしゃる、なさる、いらっしゃる、など)

・尊敬助動詞(お〜になる、〜なさる、など)

といった 専用の形 で表します。

これらは、相手を高めるための特別な語彙・文法のグループであり、「れる/られる」とは別の体系です。


3. なぜ「尊敬される人」は「れる/られる」と組み合わさるのか


 尊敬される人(先生・目上の人など)は、文の話し手や書き手とは別の人物です。そのため、それらの人の行為は「外からの」を表す「れる/られる 」が使われるのです。


[例]先生がおっしゃられる


 これは尊敬動詞の「おっしゃる」が(距離)によって語尾が「られる」になっています。

 尊敬の意味は「おっしゃる」の「尊敬動詞」によって表されます。「られる」は行為が話し手以外の人の行為だからですね。

「おっしゃる」と「られる」が並ぶのは尊敬表現の重複で間違っているとされることもあるようです。

 こういう見方はどうでしょう。「おっしゃる」は尊敬語ですから自分の行為を表す言葉ではありません。ですから、わざわざ「られる」を使わなくともすみますので、二重に感じるのです。

 どちらにしても「先生がおっしゃられる」は「先生がおっしゃる」でも敬語としては十分表現できますね。


4. この整理のメリット


● れる/られる の意味がすっきりする

受身・自発・可能は「外からの作用」 という一本の原理で説明できる。

● 尊敬表現の重複問題が自然に説明できる

「おっしゃられる」が不自然なのは、尊敬動詞と「れる/られる」(外からの作用)が 別の原理 で動いているから。

→ 尊敬は尊敬体系で、受身は外部作用体系で と分ければ混乱しない。


● 日本語の変化(ら抜きなど)も説明しやすい


可能の「ら抜き」も分化による自然な変化と説明できる。


[例]富士山が見れる


「見らる」が「見られる」となり「見れる」が分化(可能が分化)。と考えることができる。


5. まとめ


・「れる/られる」に尊敬の意味はない。

・尊敬は 尊敬動詞・尊敬助動詞(貴種動詞・貴種助動詞) の体系で表す。

・尊敬される人が「れる/られる」で表現されるのは、その人が他者であるから。


この整理により、

・れる/られるの意味

・尊敬表現の重複

・ら抜き言葉の変化

が一つの原理で説明できるのです。


「はーい。みんな、わかったかなー」

リツはプリントを読み上げると、そう大声でいった。


「はーい。わかりませーん」

「いつものリツがやる体操みたいな説明がいーでーす」

子どもたちが、せいぜいに答える。


「そーよね。私が読んでも良く分かんないもんね」


「ハハハッ。リツ。仕方ないよ。それは、まだ誰もちゃんと体系にできてない文法だヨ」

「リツの頭の中だけでショ」

「でも、良くまとめたと思うよ。なるべくやさしく」


ジュシュが集会室の子どもたちの向こうから言った。


「ジョシュは私より、これ読んで意味わかったんだよねー」

「AIにまとめてもらったんだけどね。あらためて整理されると、ほんとにそうだっけ?て自信無くすよね」


「リツ! いつもの体操やろー!」


子どもたちにさがリツに群がる。


「やっぱり座学は無理かー」


「よーし。ホアン、君がアクターね。アインがナレーター。あとはみんなでリーダー、読み手だよ。あ、ジョシュ。ジュシュも読み手に入って」

「さ、配置についてねー」


「OK!」

ジュシュはリツのプリントを大事そうに胸ポケットにしまった。


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