第2話 口コミ

その日は、クライアント様は一人しか来なかった。


しかし、いらっしゃったクライアント様が、口コミを書いてくれた。


優しい方でした。

ちゃんと話を聞いてくれて、解決方法も分かりました。

困っていた金縛りの解決ができました。

ありがとうございました。

また、お伺いしたいです。


さらに、その方は、お友達にも話してくれたらしい。


ありがとう。

クライアント様。


そして、二人目がやってきた。


「友達に聞いて来ました。

 予約なしでも、OKなんですよね?」


「はい。どうぞ。」


メニューを見せた。


「ここから選ぶんですね。」


「はい。」


「話を聞く、にしようかな。」


「了解です。」


少し間があってから、女性は口を開いた。


「えっと……私、いろいろ困ってることがあるんですけど……。

 私、受けちゃって……。」


「受ける、ですか?」


「はい。

 なんか、影響されてしまうっていうか……。」


(そういうことか……。意味が分かったぞ。)


「どんな感じでですか?」


「人のところに行くと、結構、重くなるんです……。

 それで、どうしたらいいか分からなくて……。

 受付ですし、人と話さないわけにもいかなくて……。」


「なるほど。

 俺も、人と話したら重くなる時、ありますよ。」


女性は、少し驚いた顔をした。


「分かります。

 話したい人と、話したくない人、いますしね。

 前の職場でも、いろいろありました。」


「……そうなんですね。」


「それで、俺、いろいろ考えたんですよ。」


「どうされたんですか?

 そこ、重要です。」


「できるだけ、そういう場には行かない。

 仕方なく話さないといけない時は、

 俺ワールドを作る。

 気にしない方向で、適当にする。」


「なるほど……。すごい。」


女性は、少し笑った。


「私も、そうしよう。

 ありがとうございます。

 やはり、由紀ちゃんが言ってた通り、すごいわ、ここ。」


よかった。


人の役に立ったなら、それでいい。

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