第14話 防御は大事

攻撃魔法の研究・訓練がある程度進んだので、次は防御系の魔法を考える事にした。


攻撃は最大の防御、圧倒的な攻撃力の前には〝防御〟はあまり効果がないとは思うが。


剣で戦うような状況ならまだしも、高性能な銃や強力な爆弾やミサイルを相手にする事を考えると、鎧や防弾チョッキを着ていてもあまり意味がないのと一緒だ。


魔法はおそらく強力なライフルや爆弾、ミサイルを相手にするようなものだと思う。


とは言え、防弾チョッキを着ていれば被害を抑えられるという事はあるだろう。それに、鎧や防具では駄目でも、防空壕のようなものでミサイルの攻撃を防げる場合もあるだろうしな。


防御魔法というと、既にひとつ身につけている。嵐猫の母ストームキャットから教わった【暴風鎧】ストームアーマーだ。これは暴風を自分の身体の周囲に竜巻のように纏う事で、風圧で物理的に攻撃を〝逸らす〟効果がある。


これはこれで役に立つだろう。


だが、俺がイメージする防御魔法とはちょっとイメージが違う。風属性限定の魔物である嵐猫はこのようにするしかないのだろうが、自分は全属性使えるのだから、もっとこう、盾とか壁を魔力で作るイメージで…


   ・

   ・

   ・


魔法障壁バリア】と【魔法盾シールド】を習得した。


【バリア】は全方位、【シールド】は一面あるいは局所的。


あ、しまった、魔法攻撃に限定してイメージしてしまった。これだと物理攻撃は防げないか?


やり直し……


成功。


ステータスを確認してみると、【魔法障壁バリア】と【魔法盾シールド】は変わらなかったが、属性がついてた。


魔法障壁バリア】(属性:全属性)

魔法障壁バリア】(属性:物理)


みたいな感じだ。


あ、これ、各種属性に絞れるってこと?


試してみると、全属性と比べて各種属性に絞ったバリアのほうが消費魔力が少ない事が分かった。


さらに言えば、全方位防御の【障壁バリア】よりも範囲を絞った【盾】シールドのほうが消費魔力が少ない。


この【障壁】【盾】の強度も、込められた魔力の量次第なんだろう。範囲を絞ったほうが魔力消費を節約できるし、より強い盾にできるという事だな。


障壁バリア】は発動中している間、常に魔力を消費するので、四六時中発動し続けるのは現実的ではないか。攻撃の来る方向が分かっているなら、そちら側だけ【盾】シールドで防ぐようにしたほうが効率が良いだろう。シールドのサイズも適切に……


小さいほうが魔力消費が少なくより強くできる(より多く魔力を込められる)という事で、壁サイズ、傘サイズ、最小ではスマホサイズのシールドまで試行錯誤。


予想通り、同じ魔力を込めても面積が小さいほど強度が増す。範囲攻撃的な魔法には使えないが、ピンポイントの攻撃ならスマホサイズの【盾(小)スモールシールド】がコスパが良し。


次。


スマホ大のシールドを、


①瞬時に作り出す

②作った盾を自在に高速移動させる


という訓練を繰り返す。


防御範囲が小さい分、高速軌道と高速移動は必須だろう。


そして、練習を繰り返した結果、結構使えるレベルになった気がする。


ただ……


これだと、自分の意識外からの攻撃は防げない。


なんとかならんか?


    ・

    ・

    ・


ちょっと試行錯誤して、これも成功。


【自動盾】オートシールド

自動障壁オートバリア


が追加された。


自分の魔力感知能力が高い事を利用して、自分の〝危機感〟をトリガーにして自動的にシールドやバリアを起動する魔法である。魔法? なのかな? 条件反射を自分に覚え込ませただけな気も……いや、ステータスに名前がついて表示されるんだから、魔法でいいのか。


この魔法自体にも魔力を消費するのだが、消費魔力は、極めて微小なので、常時起動させておいても問題なさそうである。


危機感をトリガーにしただけでは、気絶してたりすると発動しないかもしれない。(分からい、無意識に危険を察知したら発動する可能性もなくはないが、ちょっと試す方法がない。)


ので、危機感をトリガーにしない方法も考えてみた。


〝一定以上のエネルギーを持ったモノが接近してきた場合〟


〝悪意を持つモノが接近してきた場合〟


をトリガーに追加。


悪意については難しいかと思ったのだが、なんとできてしまった。


なんでもありか?


なんでもありか。そういう種族なんだもんね。


ならば……


魔力消費を抑えつつ、より強力な攻撃を受けた場合に備えて、段階的にシールド(バリア)を起動していくような魔法を考えてみた。


最初は一番小さいスマホサイズの【シールド】を起動、そのシールドが破壊されるレベルの攻撃であった場合、あるいはシールド(小)では防げない広範囲の攻撃だった場合にその内側に傘サイズのシールド(中)を起動。それが持たないならシールド(壁)、そして最後はバリア(強)と攻撃の強度と範囲によって順次自動的に起動していくという感じだ。


なんか複雑な事をさせている気がするが、できてしまったので良しとしよう。あくまで感覚的、直感的な処理だからでききるのかもな。それが、ケットシーって種族の特性な気がする。


これを【自動盾】オートシールドと一緒に起動しておけば…。


なんか前世のパソコンで、バックグラウンドで起動している微小なプログラムが増えていく、みたいな感じだな。




  +  +  +  +




もう一つ、よくファンタジー系の作品で使われる魔法を思い出した。


【収納】だ。


やってみた。


…できた!


色々検証。


注いだ魔力によって収納出来る量が変わる。


というか、〝収納空間〟の大きさが変わるようだ。


今の俺の魔力量だと、全力でも大した大きさの収納空間は作れなかった。


ただ、収納空間はひとつではなく、いくつでも作れるようだ。その数に制限はいまのところない。


収納空間を作るのには大きな魔力が必要だが、一度作ってしまえば出し入れの魔力は微小で済む感じだ。


ただ、身体から離れているものを収納するのには結構大きな魔力が必要。触れていればほとんど魔力は必要ない。


それから、最初気付かなかったのだが、一度作った収納は、後からさらに魔力を注ぐ事で拡張する事が可能なのを発見した。


既に作った複数の空間を一つに合体させたり、一つを複数に分割する事も可能だった。


これ、めっちゃ便利じゃね?


……と思ったが、今の俺は特に収納するモノを持っていなかった。前世の人間だった頃なら結構便利だったかもなぁ(と言っても、貧しかった俺は対してモノは持ってなかったが。でも、家財道具とか一式全部持ち歩けるなら、便利だろうな。


まぁ今の俺には家財道具など何一つ無いのだが。何もなくても生きていける。身軽でいい、と思う事にしよう。


あ、持ち歩きたいもの、あった。


泉の水と、周辺の果物だ。


これは重要だね。






さて、攻撃魔法と防御魔法を身に着けた。


お弁当(泉の水や果実)も持つ事ができるようになった。


これで、少し聖域から離れる事もできるな…。



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