第4話平和な空気に挑戦する子
先日のとある年末の朝。
ファミレスで食事をした後、ゆったりと珈琲を飲んでいた。
すると、隣の席の四人家族のうち、小学生くらいの男の子が、
「俺、もう休みは飽きたよ」と投げ捨てるように言った。
その瞬間、他の家族が固まってるのが、痛いほどに分かった。
ご両親が、子供のためと思って、朝からファミレスでごちそうを子供たちに食べさせていたのに、この男の子の残酷で正直な一言で、場は凍りついた。
隣にいた私も、文字通り固まってしまって、いたたまれなかったなぁ。
私が小学生の時、社会科の授業で班に分かれて、歴史の自由研究するということになった。
私の班の大多数は「古墳の研究したい」ということにまとまりそうだった。
しかし、私の隣の女の子が「私は聖徳太子の研究したい」と独りで頑なに言って、なかなか班がまとまらない。
私は冗談半分に「俺達は古墳の研究するから、お前独りで聖徳太子の研究しろよ」と言った。
そうしたら、班のみんながバカウケ。
その女の子もつられて笑って、結局、その女の子「私も古墳の研究する」と言って、丸く収まった。
子供って、大人以上に場の空気読まないで、平和な空気に挑戦しようとする子がいる。
私はそれがダメだと言っているのではなくて、そういう素朴な正直さが、時にうらやましいなぁと思うのだよ。
いつも場の空気ばかり読んでコソコソ生きている私は、ファミレスの男の子の正直さを愛すし、「私は聖徳太子の研究する」とガンコに言っていた女の子の一途さに、今となっては痛快さすら感じるのだ。
ああ、時に正直にものを言うって、いいよね。
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