第9話 エピローグ
結局、陽子の家のおじさん、おばさんに話しても、親に話しても咎められることは無かった。
殴られる覚悟はしていたが稀有に終わった。
ラブホテルに入り浸っていた時と同じで『責任を取るんだから良いんじゃないか』で済んでしまった。
結論から言えば、陽子の家のおじさんとおばさんとの関係も元に戻ったのも嬉しい。
陽子は少しふくれていたけど、今度の休みはおじさんと魚つりに行く予定だ。
会社の方も社長も実は刺青を入れて居る事を教えて貰いお咎めはなかった。
尤も髪型は自由、ピアスも自由だから、大丈夫だろうと思ってはいたけど、報告する時はひやひやもんだった。
陽子もダメ元で復職出来ないか聞いてみたら、すんなりOKが貰えた。
尤も、事務のパートからスタートだけど……
邦明とは実はあの後1度だけあった。
逃げ出した物のこちらに戻ってきて両親と一緒に陽子に謝りにきた。
そして『責任をとってやりなおしたい』そう言っていた。
なんで、その事を知っているのかというと、その時に俺は陽子の家に遊びに来ていた。
というか2階の陽子の部屋でイチャついていた。
下の階に降りて行き……
「もう、遅いよ!」と伝え、恥ずかしがる陽子のシャツを捲り背中を見せると…….
「うわぁぁぁぁーー」と靴を履かずに叫びながら走ってどこかに行ってしまった。
邦明の両親も頭を下げると、邦明を追いかけて去っていった。
『馬鹿な奴だ……あの時は間違い無くお前が勝っていたのに責任から逃げるからこうなった。 恐らくあれが最初で最後の俺から陽子を奪うチャンスだった』
もう、俺は2度と同じ過ちを起こさない。
少しでも暇があれば、陽子と過ごすようにしている。
なんだかんだで……これでも俺は幸せです。
FIN
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