世界一の野球選手に土をつけた男
メガゴールド
第1話
「今年のメジャー世界一に貢献した男、天王寺全。日本の誇りだねえ」
一人の雑誌記者が、ワールドチャンピオンとなったチームのシャンパンファイトの映像を見ながら仕事をしていた。
名前は竹之内。冴えない男だが、高校時代は野球少年だった。
「甲子園優勝を何度もして、ドラフト1位でプロ。1年目から先発ローテに回って新人王含めたタイトル総なめ、球団を日本一に導いてメジャー1年目からこれ……順風満帆すぎだろ。嫉妬する気にもならないだろうね他のプロ選手も」
ふと、休憩ついでに野球について語ってるSNSや掲示板を巡る。
話題は天王寺一色だろう。
案の定、天王寺は世界一の投手だなんだと絶賛の嵐。アンチもこの日は黙らずにはおられないだろう。
そんな時、竹之内はある書き込みに反応する。
『こんな順風満帆な天王寺に唯一ケチついたのが最後の夏だよな』
『ああ知ってる! 最後の夏は甲子園行けなかったんだよな! お陰で甲子園でライバル対決見れなかったんだよなあ』
天王寺には高校、日本プロ野球でライバルといえるバッター、西大和風尚というものがいた。
「ああ、確か天王寺が甲子園最後行けなかったから最後の夏は戦えなかったんだっけ?」
天王寺は高1から高2の甲子園全てに出場し、優勝している。前人未到の甲子園4連覇だ。最後の夏は当然5連覇に期待がかかったのだが……
「優勝どころか甲子園に出れなかった……高校時代からスターだったから、全国民ががっかりしたんだよな」
書き込みはその話題に持ちきりになっていた。
『杉浦流だよな。天王寺に土つけれて最高とかほざきやがって、クソ野郎』
『そうそう! プロにもなれなかった負け犬野郎の分際でさ! たった1度の勝利で調子のりやがって』
「杉浦流……勝ったときのインタビューか何かの発言が物議かましたんだっけか」
竹之内は杉浦に興味を抱いた。
「世界一の投手に土をつけた高校生……昔の事だけど、なんかネタになるかもな」
竹之内は早速杉浦が、今どこで何をしてるか足取りを追うことにした。
そして当時杉浦が、決死の思いで天王寺打倒をかかげていた事実を知ることと……なる。
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